表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王様の隠し事  作者: 木に生る猫
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1173/1197

リアとヴェルジアの結婚式⑮

 知人と軽く挨拶をしながらリウがディライトに連れられて会場内を歩いていると、次第に落ち着いてきたのかリウは足を止め、ゆっくりと息を吐き出した。

 それに気が付いたディライトがリウを振り返ると、リウは微笑みながら言う。


「ありがとう、迷惑を掛けるわね。……それから……言い忘れていたけれど。その格好、似合っているわ。素敵ね」

「……え、……あ……ありがと〜……」

「何を照れているの? ヴェルジアやリア、リテアにだって褒められたでしょう?」

「だって、似合ってるとしか言われなかったから〜……素敵って言葉、言われると嬉しいね……。……あ、……あ〜……コホン! 今回、レインくんは不参加だっけ〜? レイシェちゃんは〜?」

「来るわよ。レイシェはリアともお友達だし、リテアとも仲が良いもの。絶対に参加するって息巻いていたわ。ふふっ……ああ、もしかするとレインからの手紙を預かっているかもしれないわね」


 リウはそう言うと、なんとも言えない表情になった。

 そして、腕を組んでディライトに説明をする。


「レインは一応……リアとヴェルジアの慈悲で、レイシェの同行者としてなら来てもいいということにはなってた。ただ、自分は相応しくないからって、自ら辞退したの。……一応は、招待されていたわけだし……手紙でお祝いの言葉を伝えるくらいは、すると思うのだけれど……」

「うんうん。レインくん、そういうところ結構ちゃんとしてるもんね〜。妹ちゃんとヴェルくんには、色々と負い目もあるだろうし〜」

「ええ……ただ、変なことを書かないか心配なの。なんか、変に抜けているところがあるでしょう? 無自覚に何かやらかさないか不安で。はぁ、素直にお祝いの言葉だけを書いてくれていたらいいのだけれど……」

「レインさんは来られないんですね。お手紙でお祝いを……お手紙って、どんな風に書くんでしょう?」


 不思議そうにリテアが呟くので、リウはニコニコしながらその頭を撫でた。

 リテアはレアと遊ぶ時以外ほとんど天界から出ないので、手紙を書いたことがないのだろう。

 興味が出てきたらしいリテアに、リウは今度レアと文通でもしてみたらどうか提案しようかと考える。

 ちらりとリテアの先生であるディライトを見てみると、同じ事を考えていたようで小さく頷きが返ってきた。

 これなら楽しんで勉強をできるかもしれないし、リテアが寂しがることも減って一石二鳥――と、いうのはさておき。


 三人が会話をしていると、会場にレイシェが現れた。

 リウはレインが手紙に変なことを書いてないかが心配で、すぐにレイシェの方へと近付いていく。


「レイシェ。素敵なドレスね、とても良く似合っているわ。……少し……昔を思い出してしまうわね」

「あ……リウ、もしかして、昔を思い出してしまうのはあまりよろしくないかしら。もしそうなのであれば、上着を羽織るなりして軽減しましょうか?」

「あっ、いえ、違うの。過去を思い出して、感慨に浸っていただけよ。昔の私は、こんな……こんな幸せな日々を送ることができるなんて、想像もしていなかったもの」

「ふふ……それなら良かったですわ。……それから……リウ、少々お力をお借りしても? ここにお兄様からの、お祝いの言葉を綴ったお手紙があるのですが……うっかり、わたくしが内容を確認する前に封筒に入れてしまって。わたくしは内容を確認できるような魔法は使えませんから、少し確認をしていただきたくて……リウも、確認をしないと気が済まないでしょう?」


 見透かすような目をしてレイシェが言うと、リウが苦笑いで返答をする。

 そして、レイシェから手紙を受け取ると、リウはそっとその封筒の表面を撫でた。


 手紙を読むために、リウは暫し無言になり、軽く目を眇めた。

 内容は、至って普通の、二人の結婚式を祝うもの。

 相変わらずの流麗な文字で、格式ばった堅苦しい言葉がつらつらと並べられている。


「……相変わらず堅苦しい文章……はぁ、内容そのものは大丈夫そうね。……ただ……言葉が一々丁寧すぎて、嫌味に取られないかしら……? ヴェルジアは大丈夫かもしれないけれど、リアは……」

「……やっぱり。もう、お兄様ったら……大々的にやるようなものではないのですから、多少砕けた文にするよう言いましたのに。まだ癖が抜けないのですわね……」

「内容は、本当に問題なんて無い。どこに出しても恥ずかしくないくらい……教材になりそうなくらい、完璧なのだけれど。きっと書いてあることも、多少誇張しているだけで本心ではあるのでしょうけれど……」

「仕方ありませんわね。今更書き直させるわけにもいきませんし、渡す際に一言添えておきますわ。少し丁寧に書きすぎたようです、と」

「ええ、それが無難ね……私からも、レインには一言伝えておくわ。格式ばった文章を書けるのは良いことだけれど、場所を考えるようにって」


 リウはそう言って溜息を吐くと、手紙をレイシェに返した。

 レイシェには手間を掛けることになるが、何も言わずに渡せば喧嘩になりかねないので仕方がない。


「……今日は一緒に楽しんで、一緒に二人のことをお祝いしましょうね」

「ええ、そうですわね。ふふっ……楽しみですわ」


 レイシェの言葉に頷き、リウは二人の気配がある方を見て微笑んだ。

指を負傷したのでしばらくお休みします。

最近お休み多くてごめんなさい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ