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第92話.王国の陰

「生魚を買いに来た」

「お主…正気か?」


「正気さ、何のためのこの車だと思ってるんだ?」

「いや、初めて見るさね。これはなんだい」


「これは、トラックという物だ。生きたまま運べる生け簀と、冷凍、冷蔵の3種類で運べる」

「はー、凄いねー、サンラはこんなに発達してるのかい?」


「いや、これは俺達だけしか持っていない魔動車だ」

「ふむ…」


「で、生きた魚は売っているか?」

「まぁ、漁港の市場へ行けば売っているだろう」


「そうか!、あ、あと塩の確認をしたいんだけど」

「この間、そこの嬢ちゃんの父上と取引を交わした所から製塩を始めているよ」


「王国みたいな水増しはしないよね?」

「する訳ないだろう!、そもそも、お前さんが求める塩ってのはどんなんだい」


アイテムボックスから、塩を取り出す。


「アイテムボックスじゃと?!」

「そんな、驚くことかよ、ほら、これが俺が求める塩だよ」


「こ、これは…(こんな真っ白な塩は見たことが無い)」

「まぁ、俺の居た世界の塩だけどな。シズタミで作ってるのも、この塩に近いのかなって思って。塩田か塩釜があるんでしょ?」


「確かに、両方使用してるが」

「んじゃ、見なくても大丈夫そうだな」


「そ、そうか?、まぁ、お主が大丈夫というならそれで良いが…」



「あと、さっき、女の人から水を分けてくれって言われたんだけど、なにかあるの?」

「あー、あれは…」


「飲み水の水源でもやられたか?」

「な」


「何をされた?」

「い、いや」


「頭、もう良いじゃありませんか、見方に付いてくれるかも知れない」

「だが…」

「エステリア絡みか?」


「あぁ彼奴ら、俺達の飲み水の水源に岩塩を捨てていったんだ!」

「そいつらは?」


「処刑したさ…、現行犯で引っ捕らえて。今はなんとか製塩時の水蒸気を水に戻して凌いでいるが、生活するには足りなくてね……」

「なるほど、よし、俺にその場所を見せてくれ」

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