↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルコール依存症考  作者: 遥(はるか)奏汰(かなた)
3/3

アルコール依存症考〜第三話

20歳を迎えたあの日の朝、期待と背徳感を胸に抱きながら駆け込んだコンビニ。ズラリと並ぶ煌びやかな酒瓶の中から、わたしが最初に手にしたのは一本のウォッカでした。酒に溺れていく過酷な日々へのカウントダウンが、静かに始まった瞬間の記憶です

さて、わたしの身体は徐々にお酒に蝕(むしば)まれていった。まだ肝臓や腎臓などにくるような悪さではなかったけど、明らかに毎日のわたしは、お酒の酔いによって顔を赤くしていたようだ。

 高校卒業のお祝いに、また違う父親とともに連れて行かれた居酒屋では、浴びるほど生ビールを呑み、そして帰り際に、駐車場脇のドブ川にすべて吐き出した。で、家族から嘲笑われたものだ。その後、

━━高校を卒業した!

 さあ、飲むぞ、とはいかず、わたしが堂々と大衆の面前で呑みだしたのは、意外にも20歳になるのを待ってから、なのであった。何が意外って?いや、それは秘密だけどまあ、それまでにも隠れてちびちび呑んでいたのだからね。

 20歳になったその日の朝、待ちに待ったお酒を早速呑もうと考えた。今日飲めば、大学での同期生とのおしゃべりのネタになりそうな気もしたし、なんか格好良さそうだし、で。

 キャンパスに向かう前にコンビニに走った。20歳になったことを証明する学生証を持って。コンビニには、赤や黒や金といった煌(きら)めくばかりの酒類がわたしを待ち受けるように並んでいた。

 わたしの目はまず、ウイスキーの棚に引き寄せられた。そう。わたしの身体に最も安全と思われるウイスキーに。でも、まあウイスキーとブランデーとが混ざったような陳列だったので、しかもウォッカとかスコッチとか、VSOPだの(それ以上の等級のブランデーは置いてなかったと思うが)、焼酎だのと、わたしには訳も分からぬ分類がされていて、お値段的に、どうもブランデーは買えないな、って諦めたの。

 結局、お値段的なものと瓶の容量からして、最もお手軽と思われた焼酎か、ウォッカウイスキーか、おビールに選択肢は絞られたんだったと思う。

 わたしはお財布の中身と次にお金が入る日とを考慮した結果、ウォッカを選んだのだが、その選択は果たして正しかったのであろう?


     【次話に続く】

初めはほんの軽い気持ちや見栄で選んだお酒でしたが、ここから徐々に底なし沼へと足を踏み入れていくことになります。20歳のあの朝の選択がどう響いていくのか、次回もぜひお付き合いいただけると嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。