アルコール依存症考〜第三話
20歳を迎えたあの日の朝、期待と背徳感を胸に抱きながら駆け込んだコンビニ。ズラリと並ぶ煌びやかな酒瓶の中から、わたしが最初に手にしたのは一本のウォッカでした。酒に溺れていく過酷な日々へのカウントダウンが、静かに始まった瞬間の記憶です
さて、わたしの身体は徐々にお酒に蝕まれていった。まだ肝臓や腎臓などにくるような悪さではなかったけど、明らかに毎日のわたしは、お酒の酔いによって顔を赤くしていたようだ。
高校卒業のお祝いに、また違う父親とともに連れて行かれた居酒屋では、浴びるほど生ビールを呑み、そして帰り際に、駐車場脇のドブ川にすべて吐き出した。で、家族から嘲笑われたものだ。その後、
━━高校を卒業した!
さあ、飲むぞ、とはいかず、わたしが堂々と大衆の面前で呑みだしたのは、意外にも20歳になるのを待ってから、なのであった。何が意外って?いや、それは秘密だけどまあ、それまでにも隠れてちびちび呑んでいたのだからね。
20歳になったその日の朝、待ちに待ったお酒を早速呑もうと考えた。今日飲めば、大学での同期生とのおしゃべりのネタになりそうな気もしたし、なんか格好良さそうだし、で。
キャンパスに向かう前にコンビニに走った。20歳になったことを証明する学生証を持って。コンビニには、赤や黒や金といった煌めくばかりの酒類がわたしを待ち受けるように並んでいた。
わたしの目はまず、ウイスキーの棚に引き寄せられた。そう。わたしの身体に最も安全と思われるウイスキーに。でも、まあウイスキーとブランデーとが混ざったような陳列だったので、しかもウォッカとかスコッチとか、VSOPだの(それ以上の等級のブランデーは置いてなかったと思うが)、焼酎だのと、わたしには訳も分からぬ分類がされていて、お値段的に、どうもブランデーは買えないな、って諦めたの。
結局、お値段的なものと瓶の容量からして、最もお手軽と思われた焼酎か、ウォッカウイスキーか、おビールに選択肢は絞られたんだったと思う。
わたしはお財布の中身と次にお金が入る日とを考慮した結果、ウォッカを選んだのだが、その選択は果たして正しかったのであろう?
【次話に続く】
初めはほんの軽い気持ちや見栄で選んだお酒でしたが、ここから徐々に底なし沼へと足を踏み入れていくことになります。20歳のあの朝の選択がどう響いていくのか、次回もぜひお付き合いいただけると嬉しいです




