表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

過去


「ついてきたのか……」


少女は三角帽子の男に

少し、うなずく、


「そうか、じゃあ、入れ、」


男は扉を開けて、

少女とともに入る。


男の住んでる建物は町の中だった。

隣には閉まってるが、

朝から日没にかけて売ってる店が、

サンタの叔父さんの看板をぶら下げていた。


「森の中だと、思ってた」


少女はかつて、見ていた童話の一端を

思い出しながら言った。


「それだと、ばれやすいからな」


灯りを灯すために、

ガス灯をつけ、


加えて暖炉に火打ち石で火を起こして、薪をくべる。


「何か飲むか?」


男が尋ねる


「別にいい」


少女は首を横にふる。


「そうか、」


と言って、男は戸棚から、牛乳を取り出すと、

ガス式のコンロを使って、

温かいホットミルクにして、

カップを二つ、入れたヤカン一つを持って、

少女が座ってるテーブルのところへと、持っていくのだった。


「これ、体が温まるだろ」


男はホットミルクを入れたカップを渡す


「ありがとう」


少女はお礼を言うと、

一口すする。

取り乱してい心が晴れるようにやみ、

完全ではないが、少し、気分が落ち着いた。


「まっ、まぁな……」


褒められなれてないのか、男は少し、顔を背ける。


「牛乳が好きなの?」


少女は聞く、


「そうだな、とりあえず、疲れただろ、

早く寝た方がいいと思う」


男は扉の方に目を向けていた、


「追っ手が来てるかもしれないからな、早く寝ろ」

「うん、わかった……」


少女はそう言って、

ベットがある部屋へと向かって横になった。

窓は鉄で固く閉じられていた。

寝室は二階の方にある。


窓を開けば

美しい銀世界の恩恵を受けられるの

だろうが

少女にとって、この世界は灰色の地獄にしか見えなかった。

だから、閉じたままで安心する。


少女は外套を彼に渡し忘れていることに気づく。

一階の方へと降りる。


「おい!降りる時は静かにな」


男の声は少し、厳しい口調であった。


「ごめんなさい……」


顔を俯く、


「用件はなんだ?」

「あの、外套を返すの忘れてたから、これ……」

「あぁ……テーブルにおいとけ」


一瞬、戸惑った表情を見せるも、

すぐに、そっけない表情に戻る。


「わかった」


少女は男に言われた通りにテーブルのところへと置いて


「おやすみなさい」


といって、

静かに階段を上がって体を横にする。


温かな寝床で寝たのはいつ以来だろう、

また再びの、

涙が出てくる。


音も出さず、

静かに流す、


少女は名もない悲しみを抱いて眠るのだった。


「起きたのか」

「まぁ、うん」

「まだ、朝じゃないから寝とけ」


男は依然として

鉄のように固いドアの

いや、恐らく鉄のドア越しに

備え付けてある隙間を眺めて外の状況を見る。


外にはコートを着た男二人が周囲を見て、

探しているようだった。


「おい、見つかったか」

「いや、確かにここで間違いねぇんだが」


コートを着た一人が、鼻を獣のようなものへと

変化させてしきりに嗅ぐ。

覗いていた三角帽子の男はナイフを取り出す、


「ここに違いねぇかも……いや、気のせいか……」

「おい、見つかったぞ!」

「本当か!おい、行くぞ、」


三角帽子の男はホッとして、テーブルへと戻る。


「まだ、寝てないのか」

「眠れなくて、眠ろうとしても、悪夢を見るのが怖い」

「そうか」

「話を聞いてくれる?」


男は暫し、考えて


「わかった、話を聞こう」


ホットミルクを一口飲む。

頬に当たる髭が暖炉の灯りで照らされる。


陽はもうすぐ顔を出そうとしていた。

しかし、依然として暗いままだ。


少女の口が開く


「そう言えば、名前、聞いてなかったね、 私はマチルダ、

あなたは?」

「俺はレオン」

「いい名前ね」


レオンは少し、顔を背ける


「何故か、調子を崩される、それはなんだ?」

「照れてるってことだと思う」

「そっ……そうなのか、それよりも君の話を聞かせてくれ」



ーマチルダの過去ー


私には両親がいた、薬屋を営んでた。

私も大きくなったら、薬屋さんになって、

みんなの役に立つ仕事をしようと思ってた。

だけど、現実は甘くなかった。

実は父は危険な薬を作ってて、

母もそれを知ってて隠してたのを

私は眠れなくて起きちゃって、

扉の隙間からそれを知ったの。

危険な薬っていうのは

何なのか?

それは知らなかった。

でも、母は悲しんでた。


「もう、作るのなんて、止めましょう」


だけど、父は母に暴力をふった。


「うるさい、今の生活はこれで成り立ってんだぞ」


父の目が怖かった。

何かに追い詰められているかのように、

母よりも何かに恐れてる、小動物のように


扉の奥でノックが聞こえる。


私は怖くなってベッドの中へと隠れる、


今まで、見たこともないような一面を見て、私は震える。


ノックの音が聞こえる


「いつもの薬を買ったんだが、少し、少ないように感じたが、まさか、お前がくすねたってことはないんだよな?」

「いや、くすねたってのはお門違いなんじゃないのか?」

「家族に嘘ってのはよくねぇよ、吐いたら」

「嘘じゃねぇよ本当だ!俺はくすねてなんかねぇよ」

「薬屋ってのは真面目なもんだと思ってたが……」


男の声、軽やかな声で、しかし、悪魔のような声に私は思った。

童話に出てくる魔女とか、、狼とか、、


「じゃあ、証拠はあるのか?確固たる証拠が?」

「……」


何も言えなかった


「こちとらな、お前らの薬とかを売りさばいてやってるんじゃんか?なんで、はっきりしてる所ではっきりしないっていう矛盾の黙秘ってのが存在するか?不満なんだよな、俺たちが何なのか?はっきりして言ってんの?」

「そっ、それはわかってる」

「じゃあ、十秒、時間をあげる、その間に疑わしきものを殺せ」

「お前だろ!ローナ」


父の怒り狂った獣のような声、


「違うわ!貴方、これは」


弁明を述べようとする母、だけど、それよりも前に


銃声が聞こえる、

何かが吹き出る音が聞こえる、


「た……だしくい……き……て」


母の声は途絶える


「はぁ、はぁ、あの女ぁ」


私はこの時、父は父ではないと思ってしまった。

これが罪に当たるのか、

親不孝の罪になるのかもしれない

けれど、そんな親は親じゃないという

否定の考えが……


「正解だね、」


拍手がひとりでに木霊する。


「でも、お前さんのポケットにもあるってことは

充分承知してるから」

「いや、

命だけは、俺を殺せば、

もう、あの、夢のような薬は作れなくなるんだぞ!」


父は頭を下げていた。

そのときの私はベットから出て、

眺めていた。

あの、悪魔のような奴がどんな姿をしてるのか、

好奇心がでてしまった


「大丈夫、大丈夫」


男は暖かな声で、父を抱き締める

そして、耳元で静かに囁く


「他にも島はあるからな」


そう言って、

男は銃の引き金を引いた。


父の頭がぶっ飛ぶ、即死だった。

血の泉が血の壁が辺りを私の夢だったものを壊すように

汚していった。


「ふぅー、一件落着、こちとら、

上のものにバレちゃ敵わないからな」

「この一件どう処理しますか?」

「うぅーん」


男は暫し、考える


「こっちは警察として危険な薬を捜査しようとしたところ、

一家心中、そして、少女は失踪ってことでいいかもね」


額縁の中の絵を見ながら言った。


「こんなことに使うぐらいなら、薬に使えよ、豚が!」


そして、袋の中にある薬を一粒取り出して、

口の中に入れる。

息を吐く、


「ふぅー、気持ちいいね、

決まったよ!決まったよ!決まったよ!」


そして、彼は額縁の中の絵の中の少女に指差し


「奴を探して殺せ!」


男たちは奴等の指示に従うかのように、

探し回った。

私は危険を感じて逃げた。

だけど、捕まってしまった。


「コイツも殺しとく?でもなぁーどうしようかなぁー、」


男は悩んでいるようだった。


「でも、殺すには惜しいか、玩具にも使えないしな、だって、」


男はニヤリと笑い、


「弱そうだしな!」


他の人たちも笑う、嘲り笑う


「ですが、殺した方が」


すると、その言葉をいった男に銃を突きつけて、ぶっぱなす。

男たちは黙る。


「なんだよ、つまんねぇの」


死んだ亡骸に対して唾を吐きつけた。


「まっコイツは殉職したってことで良し」


私は何も言えなかった、

ただ黙ることしか、

選択肢がなくて、

命は

アイツの手のなかにしか、

ないように

























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ