質話.魔力
「ふんふん〜♪」
ギルドに着くやいなや、シャーノは地図とにらめっこし始めた。......この地図はなんなんだ?何やら動物のような物の絵が書いてあるようだが......。
「うん、最初はやっぱ、こいつだね!メルト、ダジル草原に行こ!」
「ん?まぁ、いいが......。」
シャーノはまた忙しく歩き出した。
「おいちょっと待て、聞きたいことがある。」
「ん?何ー?」
歩きながらシャーノに色々質問をした。
まず、ギルドのあの地図は何なのか。あれは今、どんな魔物がどの地域に居るかを簡易的に示した物らしい。場所によってランクが設定されており、今俺たちが向かっているダジル草原はEランクで下から3番目らしい。
次に、そのダジル草原にいる魔物について。ダジル草原には主に“シャドーウルフ”という魔物が生息しており、強さの割には魔力をたくさん持っているのでいい魔石が取れるらしい。また、“ピペリン草”という植物も採取できて、これもいい値段がつくそうだ。
そして、武器はどうするのか。シャーノによると、“シャドーウルフ”は弱いから武器なんか要らないけど、将来的には欲しいからお金がたまったらまた買いに行こうとのこと。
「あ、そういえば、一つだけすぐ教えなきゃいけない魔法があって......。」
「何だ。」
「魔力固定魔法って言ってね?魔石を作り出すのに使うの魔法だよ!」
ん?つまり、この世界では魔物を倒したら魔石がドロップ!なんてことはないのか......?
「まぁ、説明するより、慣れてもらった方が早いよね!まず......体の魔力を感じるところからだから......メルト、ちょっとじっとしててね!」
シャーノが目をつぶり、集中したかと思うと、俺の体が光に包まれる。悔しいが心地いい。
「メルト、これが魔力だよ!今は体の外にある魔力が感じられているけど、同じものが体の中にもあるから、それを感じて!」
「そうは言われてもな......」
分かるわけが......いや、何か体の中の何かと共鳴......?しているのか......?
「よく分からないが、似たようなものを感じた。」
「え!?メルトは魔力を感じるのが早いね!普通だったら10分はかかるのに......。」
ふむ、結構すぐ分かったんだが。
「......やっぱり、迷い人は色々な才能を持ってるってことなのかなー?まーとりあえず、魔力を感じたのなら次は放出だね!メルトその体の中に感じてる物を動かしてみて!」
動かす......?............体を包む光のおかげで感覚がつかめて、簡単に動かせるんだが......?
「普通に動かせるぞ?ほら......」
俺は魔力を軽く体の外に放出してみた。
「やっぱり放出も早い......メルトってここじゃ天才かもね!」
「......ステータスは高くないけどな。」
「それは言わないの!で、次はその魔力を手のひらの上に集めるイメージで動かしてみて!」
「ほらよっと......」
「じゃあ次はそれを固めるイメージで......。」
俺が魔力の密度を上げていくと......いつのまにか魔力は質量のある固体に変化していた。
「できた!それが魔石だよ!」
「これが......魔石......?」
......まさか、俺の体から魔石が出来るとは思わなかった。
「じゃあ最後に他人の魔力の魔石化の練習だね!これが一番大変だよ?今、メルトの周りにある私の魔力を魔石にしてみて!」
「ふむ。」
......いや簡単じゃね?思い通りに集まるし、俺の魔力と綺麗に混ざり合って......出来た。
「......違和感とかなかった?」
「いや全く?」
「え!やっぱりメルトは天才だよ!他の人の魔力って私でも違和感があるのに......。」
まぁ、ステータスが低い分、こんな才能があってもいいだろ。
「で、これをどうするんだよ。」
「それはね!魔物は倒されると、その魔物が持っていた魔力は一番近くの魔力持ちの方へ向かうんだよ!だから、その魔力を利用して魔石を作り出すってわけ!」
そうなのか。あれ?ってことは......
「じゃあ、魔石を作るのは自分の魔力でよくないか?」
「うん、大丈夫だよ!それでお金を稼いでる人もいるくらいだしね!」
「そうなのか。」
「ま、とりあえず、この魔法を覚えたんならもう大丈夫!行こっ!ダジル草原に!」
「......あぁ。」




