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魔法使いメルトの物語  作者: 奈々宮 紬
夢干渉の精霊
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伍話.主人公補正

「......。」


「何をやっているの?」


「......夢堕ちの女帝か。」


「それで、何をやっているの?この“白の世界”に留まるにも力を使うのに......。」


「この物語を観察してただけだよ。僕の時は大違いだなって思って。」


「まぁ、確かに。私の時なんか貴方の比じゃないし。」


「君は主人公じゃなかったからね。まぁ、僕は君の物語をちゃんと知っているわけじゃないけど。」


「そういえば、そうだったね。貴方も物語を観測出来るのに、どうして読者に合わせるの?」


「......気分だよ。それより、この物語の主人公補正についてどう思う?」


「無属性が第一の世界で、数少ない無属性の使い手、かつ終盤に必須になる特殊属性も持ってる......どこかで俺THUEEEやっとけばいいと思うよ。」


「いや、脚本を見る限り、サクシャがこの世界を不釣り合いにデザインしたから、メルトと○○○○○○が最強になってるんだろ?」


「うーん、それもそうだね。確かに、魔石が無属性魔術を使わないと取り出せないなんて......他のよくある異世界転生、異世界転移ではありえないよね。」


「いせかいてんせい......?あれ、君って何年に居たんだっけ?」


「2012年の時、5歳だったけど?」


「150年前か。さすがに色々と変わってるもんだね。」


「私たちのが150年前ってことは......2160年ごろ?貴方ってそんな未来人だったの?」


「元はと言えば君も僕も同じ時空出身でしょ?どこに移送されたかが違うだけでさ。」


「確かにそうだけどね。」


「あれ?君たち何でここに居るの?この世界に侵入出来るなんて聞いてないよ?夢堕ちの女帝はともかく、君は......。」


「サクシャ......そうか。この物語では僕はまだここにいるはずじゃない存在か。」


「何を言っているの?っていうか、夢堕ちの女帝も何でいるのさ?」


「特に意味はない。強いて言うなら、このギチギチな物語はどうなのって抗議しに来たって感じかな。」


「そりゃ、ね?だって前の物語では、主人公の誰かさんたちが物語に反抗してきたからね!予定コースを外さないように主人公補正を施してるってわけさ!」


「......その節は悪かったね。」


「いやいや、その節って......つい、10分ほど前の話だよね?」


「え?」


「あれ?サクシャってシュウの物語と並行してメルトの物語も書いてたの?」


「そうだけど......ってなんで君が外のことを......。」


「これ以上今のサクシャに知られるとまずいなぁ。夢堕ちの女帝、悪いけど、僕は下に降りることにするよ。」


「うん、いってらっしゃい!」


「......いやいや、おかしいでしょ?何で僕の場所に君たちが自由に出入り出来てるの?しかも下に降りるって......もしかして物語に介入するつもり?」


「私は知らないよ?あくまで彼がどうするかって話で、私と彼とは相容れない存在だから。」


「えぇ......なんで僕が描いている物語なのに僕が知らないことがあるんだよ......ま、それも面白そうだからいっか!」


「......馬鹿な人。」


「ん?なんか言った?」


「いいえ。」

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