伍拾捌話.強化魔法
「特別冒険者になるためには、ギルドが用意した職員3人と戦う必要があるんだよ!でも、それより問題なのはその試験を受けるための資格なんだよ!」
「......3対1で戦うより問題な資格ってなんだよ。」
「ギルドに100万フィロ分の素材納入なんだよ!」
「......は?」
「みんながみんな勝手に試験を受けたいって言ったら職員が大変なんだよ!だから資格が必要なんだよ!」
「理論が分かるが......100万フィロは高すぎないか?」
「強化魔法の素材を集めてたら強くなりながらお金も稼げるんだよ!」
という会話から一晩明けて。
俺たちは“ピラキア”を倒しに来ていた。
「シャーノ、あと何個だ?」
「今65個だから......あと25個なんだよ!」
「まだ結構あるな......」
1つ、格段に変わったことがある。
それは、“水の契り”の取得確率だ。“聖光の杖”というのは実は運気を1000倍にするヤバいアイテムだったらしい。まぁ、引き換えに防御力と体力がそれぞれ1固定になるらしいが。
「っていうか、元が0.01%だから今の確率は10%だよな?」
「うん!そのはずなんだよ!」
「......明らかに10%とかいう確率じゃないんだが?」
「......そんなこともあるんだよ!」
ちなみに確率が低すぎて文句を言っているのではない。むしろ高すぎるのだ。戦っている感じ、30%は超えている気がする。今、倒したのは170体。で、魔石が105個、“水の契り”が65個である。
......明らかにおかしくね?あ、でも最初の10個集める時も確率が正しい数値の8倍ぐらいあった気がする。
「シャーノ、そろそろ帰らないか?」
「ダメなんだよ!このペースなら今日中に全部集められるんだよ!」
あれから更に2時間。傾き始めていた日がもう地平線まで行っている。
「あと何個だ?」
「7個なんだよ!」
いや、まだまだじゃ......
「頑張るんだよ!」
「......分かったよ。」
結局。その日は更にあと1時間かけて“水の契り”を集め終えた。......昼ごはんもすっ飛ばしたな。だが、90個の“水の契り”は集まった。
「明日はギルドの工場か?」
「そうなんだよ!」
そして、俺は眠りにつく。
さらに翌日。
俺とシャーノは工場を1時間だけ借りた。
“耐性器”にいれて圧縮するところまでは“水属性強化魔法のコア”と同じだった。
「メルト、“耐性器”を取り出すんだよ!」
「分かった。」
当たり前だが“耐性器”の中には小指サイズの個体が90個あった。
「次は“水属性強化魔法のコア”に10個ずつ錬成魔法で繋げていくんだよ!」
「“粉砕機”は使わないのか?」
「うん!必要ないんだよ!」
そうなのか。なら錬成魔法を使うだけだな。
「......っと。」
まず最初の10個。そして次の10個。更に10個。そして......
「これで終わりだな。」
「うん!」
5cmほどと大きさは変わらないが、“水属性強化魔法のコア”の色は確実に濃くなっていた。
「じゃあ、それに魔力を流して!」
「分かった。」
シャーノに言われた通り、魔力を流し込む。
「メルト、ギルドカードを見てみるんだよ!」
ギルドカード......あった。
名前:メルト
性別:男
種族:人間
属性:火・水(+10)・木・光・闇・無・共鳴
体力:90/204(+136)
魔力:71/135(+90)
攻撃力:234(+156)
防御力:195(+130)
ん?
見間違いを疑って、もう一度確認する。
「攻撃力204......?魔力135......?」
あれ、平均は攻撃力100の魔力50とか言ってなかったか?
「シャーノ、これ間違ってないか?」
「んーん、あってるよ!」
......これがインフレか。




