伍拾壱話.爆発
「くそっ!」
「ふんふーん♪」
クローフィーは呼応属性の効果、おそらく自分に接触した魔力を打ち消す......つまり魔法が効かないことを利用し、俺の火の球を打ち消し続けている。
ただ、勝機が見えなくもない。火の球をぶつけるとクローフィーにはノーダメージらしいが、水の球をぶつけると、水は球状を保てなかったが、クローフィーは水に濡れた。つまり、こうして土の球を作ってぶつけると......
「......くっ」
クローフィーは打ち消さずに避けた。
「バレちゃった、かな?」
つまり、クローフィーは魔力を打ち消すことは可能だが、魔力によって作られたものを打ち消すことは出来ない、ということだ。
「あぁ!バレバレだよ!」
今度は土の杖を作った。長さはちょうど今の俺とクローフィーの間合いぐらい。これなら、当たるはずだ。
土の杖を勢いをつけてクローフィーへぶつける。そして杖はクローフィーに......
「ふーん、お返し、しよっか。」
当たらなかった。
クローフィーは杖......というより棒を土で作り、俺の杖を防いだ。
「何!?」
「だって私と戦うと、みんなそうするんだよ?対策ぐらいするよね。」
......言われてみればそうだ。自分の弱点が分かっているのに対策をしていないわけがない。
「さて、次はこちらから......」
クローフィーは大きく間合いを詰めて棒を俺へ向ける。土の壁......いや、間に合わない!
「セーフだね。」
「......。」
土の壁を作るほどの時間はなかったが、簡単なもの......クローフィーと同じく土の棒ならギリギリ間に合った。
「ちなみに、これ棒じゃなくて剣だから、切れるよ。」
「は?」
あの速度でそんな精巧なものを作った?......少なくとも、僕には出来ない。もしそれが本当なら、紛うことなき化け物だ。
「どんどん行くよー。」
「ぐっ......!」
クローフィーは次から次へと剣を打ち込んでくる。俺はそれを防ぐことしかできない。そして、一番の問題が棒を作る速度だ。
魔力で強化しているとはいえ、あくまで土なのだ。何回かうちあえば、すぐに壊れてしまう。そのあとに、クローフィーは即座に新しい棒を作るが、俺は1秒ほど時間がかかってしまう。
その差は本当に大きく、武器がない1秒間は俺は逃げるしかない。
そうして少しの間うちあっていた。理由は分からないが、クローフィーは手加減をしているらしく、まだ勝負はついていない。だが、それは気まぐれだったのか、
「さーって、そろそろ終わらせよ。」
と呟くと、棒を大きく上に振り上げながら俺へ近づいてきた。そして俺はそれの攻撃を防ぐように棒を頭の上で横にすると......
互いの棒が崩れた。だが、分かっている。この隙を狙う技術も体力もない。クローフィーもそれを分かっていて、こんなリスクのある行動を取ったのだろう。クローフィーの手が俺の首へと伸びる。そして......
爆発が起きた。強い爆風と熱が体を包む。俺の首をつかんだはずのクローフィーの手は離れたが、それ以上の大惨事が目の前で起きたのを直感した。
爆発による塵で何も見えない。自分が宙を舞っているのがわかる。だが、そのせいでどっちが上か、どっちが前か、分からない。
何かが体にぶつかった。いや、体が何かにぶつかったのか?分からない。ただ、朦朧とする意識の中で、フーカの声が聞こえた気がした。




