拾肆話.強化魔法
ギルドを出た俺たちは近くの草原へと向かった。
「この辺でいいかなー?」
「強化魔法ってそんなに場所が必要なのか?」
「別にそんなことはないよ?ただ......」
「ただ?」
「失敗すると大変なことになるから慣れてないうちは周りに迷惑にならない場所じゃないとダメなんだよ!」
なるほど、それで......ん?失敗すると大変なことに?
「おいシャーノちょっと待て。大変なことって......」
「それより早く始めよ!まずは“水属性強化魔法のコア”を手に持って!」
......誤魔化されたような気がする。まぁ、失敗した時は失敗した時か。シャーノのことだから一応、安全なんだろう。
「持ったぞ?」
「じゃあ、そこに魔力を流して!」
魔力を......っとなんか光を帯びてきたぞ?
「これでいいのか?」
「うん!最高だよ!やっぱりメルトは飲み込みが速いね!」
そういえば、ちょっとだけ、体が軽くなった気がする。
「メルト、ギルドカードを確認してみて!」
「あ、あぁ。」
俺はギルドカードをポケットから取り出して確認してみる。
名前:メルト
性別:男
種族:人間
属性:火・水(+1)・木・光・闇・無・共鳴
体力:69/82(+14)
魔力:56/65(+11)
攻撃力:94(+16)
防御力:78(+13)
「ステータスが少し上がってるみたいだな。」
「うんうん!ちゃんと成功してるみたいだね!」
まぁ、伸びは微々たるものだが、この世界の平均とやらに少しは近づいたと思う。......ん?この数字はなんだ?
「シャーノ、属性の水のところに“かっこプラス1”って書いてあるんだが、これはなんだ?」
「それは、水属性を1つ強化したって意味だよ!」
なるほど1つ......ってことは......
「そういうってことは2つ目とか3つ目の強化もあるってことか?」
「うん!一番上だと10まで強化することができるんだよ!」
「......ちなみに10まで強化するには?」
「“水属性強化魔法のコア”のレベルを上げるんだよ!」
「レベルを上げる方法は?」
「“水属性強化魔法のコア”に“水の契り”を10個合成することで1つ強化出来るんだよ!」
「......つまり、最大強化まではあと90個必要ってことか?」
「うん!」
......いや、マジかよ。10個でさえこんなにも大変だったのに、これをあと90個って......無理じゃね?
「大丈夫だよ!これで体力と防御力の合計が150を超えたから、違う魔物を狩りに行けるんだよ!」
「そ、そうなのか。」
「メルトさえ良ければ、今から行くけど、どうする?」
新しい魔物とやらは少し気になるな。
「じゃあ、行こう。」
「わかった!」
シャーノはまた駆け出す。そして、俺は彼女を追う。いつも通りだが、これだけ毎日繰り返せば、慣れてくるもんだな。




