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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
2章 〖デス・エレメンタル〗編

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33話目 魔法陣の攻防

 大分あたしも土団子の扱いに慣れたからね。ころころっと、うまい具合に手前で止められたわ。


 スグに竜は、もぐもぐタイム突入。――お、鼻をスンスンさせてる。そうよ~、その先には、も~っとお団子がいっぱいよ~。


 みんなも、【魔弾】の撃ち込みを止めて見守ってる。大ちゃんは、ズンズン地面を揺らしながら魔法陣の上へ。――おお、やっぱり食べるときは、周りへの警戒が緩むのね。うんうん、そうよね~。


 大ちゃん、至福のひととき。――くくく、何も知らずに食ろぅておるわ。




 シュワァアアアー……。


『ドギャアアーース!!』


「いよっし!」


 ガッツポーズを取ると、周りからも大歓声!


「さあ、あと1回よ!」


 のたうつ動きも、先に逃げちゃえばOKだもんね! 瓦礫のボディブローはもうゴメンよ!




 ゴツン。




「あれ?」


 何これ。――あ、よく見ると、琥珀色の壁がある。


「シャボン! 《力場》だ! お前、閉じ込められた!」

「え」


 半径10m程のドーム内に、大ちゃんと2人きり。何も起きないハズはなく……。


「ヤバッ!!」


 大ちゃんが大暴れ! 離れてるから、まだなんとか……。




 ドゴォ!




「げふっ……」


 しまった、大ちゃんからは離れたけど、ドームの「壁」の激突を食らったわ……!


 フラフラになりながらも、ドームによる連続攻撃は避けた。大ちゃんのローリングに合わせて、あたしも低空飛行で必死についていく。


 ぐはぁ、これはもう、みんなのサポートを期待ね。


 チラッと周りを見ると、無数の翼竜がバッサバッサ飛んでた。


「――ウソでしょ?」


 みんなは必死になって翼竜たちを撃ち落としてる。うわ~い、すでにサポートしてもらってた、てへっ♪




 ホンット鬼畜だわ、社長!!




 屋外は人数多いだろうからって、こんなのまで呼び寄せてるの!? ってか、向こうばっか自由に飛べるの、ズルい!


 そんなあたしに、1人のマーメイドが駆け寄ってきてくれた。


「シャボン!」

「おっちゃん!」

「【巨大な盾】を撃つぜ!」


 おっちゃんが青い光を杖の先に集めた。それが弾けると、あたしに何かが付与される。


「1回食らっても大丈夫な盾だ! だが、過信するな! 連続で《地震》は食らうなよ!」

「ありがとう!」


 大ちゃんとのファイナルラウンドが始まった。怒りモードで《地震》の瓦礫をどんどん飛ばしてくる。うわっ、【石つぶて】とか、もはや岩よ、岩!


 ドームで跳ね返った瓦礫をときどき食らうけど、おっちゃんがそのたびに【巨大な盾】を張り直してくれた。呪文は《力場》をすり抜けるのが、せめてもの救いだわ。


『ドギャース!』


 おっと、大ちゃんが地団駄。ふふ~ん、大きく避けさせてもらうわ。


 その途端。


 ――ドサッ。


「え?」


 落とされた……って、2mを越してた!?


 竜がすかさず足踏み!


 ドゴドゴドゴドゴ!


「ああああああああ!!!!!」

「シャボン!!」


 揺れてドームの壁にブツかって、落ちたらまた地震の揺れにつかまっての画面端コンボ!


「ぐぐぐっ……うりゃー!」


 なんとかスキを見て脱出! あー、キツッ。


 ライフはあと10点。もう1回コンボ食らうと死ぬわね。


(おっちゃん、回復魔法持ってない!?)

(すまん。今日は青と紫メインで、白は入ってない)


 周りは翼竜の数がどんどん増えてて、絶望的な状態。被害者の会のみんなも次々たおれてる。

 おっちゃんは、大ちゃんがあたしを狙いそうになると、魔法を撃って気をそらしてくれてた。おっちゃんいなかったら4、5回死んでるわね。


(シャボン、奴を魔法陣のあたりまで引っ張れるか)

(やってみせるわ。しぶとさには定評あるから)

(よし。じゃあ、【幻覚】を使った作戦がある)


 おっちゃんは手短に話してくれた。


(乗った!)


 それでいくわ!


 あたしは、さっきよりも慎重に、怒りモードの大ちゃんの攻撃をかわした。鼻先スレスレを体より大きな岩が通っていき、ドームの壁に跳ね返ったヤツももういっぺんかわす。


 ふー、ふー……! 極限状態のほうが、精神は研ぎ澄まされるのよ……! 今、あたしは最高のポテンシャルだわ!


 その甲斐あって、とうとう魔法陣の手前までやってきた。土煙で埃っぽいなか、竜の射程内で攻撃を避け続ける。


「こっちに来なさいよ、大ちゃん! あたしが挑発してるでしょ!? トロいから来られないとか言うワケ!?」


 でも大ちゃんは、決してあたしがいる魔法陣の方には来ない。手前で踏んばっている。


 このAI、ニクいほど凄まじいわ……。どんだけ極まってるのよ。





 でも、それを逆手に取った。






 シュワァァアアアア……。


『ドギャァアアーーーース!!』


「決まった……!」


 あたしは、おっちゃんに拳を見せた。

 竜の真下には、何もない。――ように見える。


「ふっふっふ……あたしが魔法陣の上で挑発してるのに、なぜマナ上限が減らなかったのでしょーか?」


 大ちゃんの真下の【幻覚】が解ける。そこには……ドンピシャで魔法陣!


「おのぼりさんには、どこも同じに見えちゃった? お生憎様。あたしは、因縁の場所をよ~く覚えてたわよ?」


 ――ごめん、ウソ。おっちゃんがダミーの魔法陣も【幻覚】で作ってくれて、その手前って教えてくれたオカゲね。


 周りの翼竜は逃げていった。あー、大ちゃん倒した相手とは戦いたくないってこと? はいはい、帰んなさい。


 大地の竜が茶色の光に包まれていく。その光がシューッと凝縮していったら、1枚のカードがそこに出現。


 おっちゃんがカードを回収してくれた。


「そらよ」


 あたしに投げてくれる。パシッと取ると、【大地の竜】。


「やった……! 勝ったー!」


 おっちゃんと、全力のファイブタッチをした。

みんなの力でゲットした、茶竜のカードです。



【大地の竜/Earth Dragon】

レベル7・茶魔法/レジェンドレア

分類:召喚(竜)

攻5/速2/体5

サイズ:大

特徴:《尻尾攻撃》《加重》

能力:【地震】【力場】【石つぶて】

無効:茶

「ヤツの歩みはノロいが、あれは余裕の表れなんだろう」

「ほ~、大したジシンやな」

「どうする、行くか?」

「トーゼン! ワテがお宝いただきや!」

    ――大怪我をする前日のハーピー

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