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第八十九話 餅つきと干し餅

餅つきします。

皆で孤児院の庭にやってきた。

頼んでいた薪が山になってる。子供たちに文句言われた。


子供たち 「根田様の薪邪魔だよ!片付けて!」


分かってるよ。悪かったね。薪を一瞬で回収した。


根田 「ごめんね。ちょっと忙しかったからさ。今日は、”餅”って食べ物を作るから、勘弁してよ。」


子供たちも本気で文句を言ったわけじゃないから、皆笑顔だ。

院長さんが子供たちを叱ってるよ。


院長 「お前たち!根田様に失礼ですよ!根田様が優しいからって、王様とかより、立場がずっと上の御方ですよ!魔王様や世界樹の巫女様も仰られてたでしょ!」


魔王さんや世界樹の筆頭巫女さんが、聖地の責任者だって説明したらしい。

(俺の説明する時は、そう言うように頼んであるから。魔王さんとかに、様付けで呼ばれる対策だ。)


根田 「まあまあ、院長さん。薪を放っておいた私も悪いのですから。」


そう言ったら、薪は昨日の夕方に来たそうだ。それ聞いて、思わずこけたぞ!


根田 「昨日来たんですか?皆、冗談きついよ!」


そう言ったら、皆笑ってる。

あ、そうだ。紹介しないとね。


根田 「皆に紹介するね。こちらは、闇の聖女様。魔王様のご令嬢で、お姫様ですから、失礼の無いようにね。美女だから近くで見たいだろうけど。」


ノイバラ 「根田様、そのように紹介されては困ります!」


闇の聖女さんに文句言われたけど、怒ってはいないようだ。光の大神殿の者も『聖女様は、皆美女だからね!』とか言って頷いてる。

子供たちも『魔族のお姫様、綺麗だね。』って言ってるよ。


今日は、精霊達が大人しい。見ると餅つきの返し手の相談してるようだ。

『こうかな?』とか『こっちの方が良いかな?』とか手を動かしてる。

光華さんが、『お約束で手を搗かれたフリして、”痛い!”って言わないとね。』なんて言ってるし。

そんなお約束いらないからね!今日は、大人しいと思ったのに、止めてくれよ。

俺が怒られるじゃんか。

普通は神の使徒なら、神を敬うよね?俺も神様なんだけど、大精霊どもに敬われている気がしない。

まあ、俺はネタの神だから、仕方が無いのかね?新米だし。

竜に餅つかせるのもありだけど、加減が分からなくて臼とか杵壊されると困るしね。どうしようかな。

後で考えるとしよう。


根田 「今日は、神殿の皆も一緒に餅つきするからね!さあ、準備しよう。」


そう言って、餅つきの準備だ。



◇◆◇◆◇◆



土魔法で石の作業台を創り出して、先ずは、もち米を籾摺りして、精米しないとね。

魔道具を取り出してっと。


根田 「これは、あるダンジョンで出た魔道具です。籾摺り機の魔道具は、麦でも使うので、構造は同じだと思います。処理性能が違うかもしれませんけど。これは、小型だけど、1回100kgを30分で処理できます。精米機も同じ処理能力です。」


大人数だけど100kgあれば充分だろう。魔道具は、研究職に説明してあるから大丈夫だ。ぬかは取っておくように言ってある。ぬかは、色々使えるからね。

皆米に関しては知ってるから、精米機も分かる。以前甘酒とか日本酒振舞ったし、エルフ国で栽培してるの知ってるから。もち米見るのは、初めてだけど。

おっと、処理している間に、餡子とか作らないと。


根田 「魔道具は自動だから、その間に餅に必要な物を作ります。まずは、きな粉。大豆を粉にしたものです。大豆は世界樹の森から分けて貰いました。作り方を説明します。フライパンを中火にかけ、大豆を乾煎りします。焦がさないようにかき混ぜながら煎ります。こんな感じです。煎り終わったら粗熱を取り、製粉用魔道具で粉にします。(これは以前使ったやつだ。)味付けは、食べる時にやります。」


きな粉に砂糖と塩を混ぜるのは、食べる時にすればいいからね。

今回は、甜菜糖を使おうと思う。甜菜糖は、上白糖に慣れた人だと甘みが少し弱く感じるかもしれないが、甘味が少ないこの世界では、十二分に甘い。

それに甜菜糖を使うのは理由がある。実は、サトウキビの砂糖は体を冷やす作用があるが、寒冷地で栽培される甜菜の甜菜糖は、体を温める作用があるからだ。これは、この世界でも同じ性質だ。ダンジョンで出たやつもね。

それに精製糖じゃないから、ミネラル分を豊富に含んでいる。一番の理由は、何と言っても今、冬だし。


根田 「次は、”みたらし”のタレを作ります。本来は、醤油と砂糖とでんぷんと水を使いますが、今回は、簡単に醤油と蜂蜜で作ります。醤油と蜂蜜を混ぜるだけです。これは、色々使えますよ。」


今回は、新年のお祝いで、特別に聖地の調味料”醤油”を持ってきたって説明する。

味見してもらうと、甘辛い味は、初めてだが、美味しいって。サツマイモを油で揚げたのにも合うと思うって説明したら、皆頷いていたよ。

一応、本来のみたらしのタレも作ったよ。砂糖は甜菜糖を使った。


根田 「次は、餡子を作ります。今回は粒あんです。こしあんと言うのもありますが、漉し器と言う目の細かいふるいの様な道具が必要になりますから。餡子は小豆と言う豆を使います。他の豆を使った餡もありますが、今日は、小豆餡です。材料は、小豆、蜂蜜、塩です。この小豆はあるダンジョンから出た物です。蜂蜜の代わりに水あめを使うのも作ります。」


そう言って、小豆を見せる。何処のダンジョンか言わなければ、魔族領に行ったりしてるから、大丈夫だ。相手が勝手に判断する。俺は、神殿にいない時もあるから。

砂糖を使うのもあるが、今回は蜂蜜と水あめを使うと説明した。砂糖はダンジョン攻略しても入手の難しい物だし。

養蜂の指輪で蜂蜜は、一応入手できるしね。貴重品だけど。水あめは、作り方を教えてあるし、干し柿を使っても良いけど、それは地上の者に考えて貰うことにする。水あめは、市場で購入したサツマイモで作った物だ。神様パウァーでね。創生すると雑巾臭するから、作ってあるんだよ。


根田 「作り方だけど、本当は、小豆を一晩水につけておく方が良いです。今日は、そのまま煮ます。まず、小豆をたっぷりの水でやさしく洗います。次に小豆のアク抜きをします。小豆は、水を吸うと2.5倍程度に膨らむので大き目の鍋を使用します。小豆を鍋に入れ、たっぷりの水で煮ます。沸騰したら火を止めて、蓋をして20分程度置いて蒸らします。蒸らしたら、煮汁を捨てます。この作業は、”茹でこぼし”ともいいますね。アク抜きやぬめり取りなどでも茹でこぼしは、行いますが、一般的なやり方は、水を沸騰させ、食材を2、3分茹でて、笊などにあけ、ぬめりなどを水洗いして落とす作業です。小豆もこの茹でこぼしで良いのですが、説明したアク抜きの方が、アクが抜けあっさりとした味になり、豆が煮やすくなります。それと今日は、魔法を使って時間を短縮しますが、自分達でやる時は、時間がかかりますよ。話がずれましたが、次に小豆を煮ます。小豆を鍋に戻して、水がひたるくらいの量で煮ます。沸騰したら、弱火で約1時間、コトコト煮ます。豆が潰れてしまわないよう、火加減に注意してください。水が減ったら、足してヒタヒタの状態を維持します。豆が水面より上に出てきたら、こまめに水を足してください。小豆が柔らかくなったら、豆の大きさは均一ではないので、煮えムラが出来るので、いくつかの豆で煮え具合を確かめて下さい。煮え具合は指で豆をつぶし、軽い力でつぶれる状態です。このぐらいの感じです。」


そう言って、豆を潰して見せる。


根田 「次に、すべての小豆が柔らかくなったら、笊に取り出して水を切ります。あ、小豆の煮汁は捨ててください。次は、鍋に小豆を戻して、塩とハチミツを入れて火を点け、中火と強火の間でかき混ぜ、好みの固さまで水分を飛ばします。そうしたら、冷まして餡子の完成です。そうそう、冷ますと温まっている時より、固くなるので、それは考慮してください。」


砂糖を使ったものは、コクが無いが、甘みが強い。今日作った物は、甘みは砂糖ほど強くないが、コクがあると説明し、味見してもらう。

水あめを使ったものも一緒に作っていたので、比べて貰う。

味わいに違いがあるけど、美味しいって。

こしあんは、小豆を煮た後、濾し器を使って濾して舌触りを滑らかにするものだと言って、創生した濾し器とさらし布を見せる。

茹で小豆を創生し、濾して見せた。

こしあんも味見してもらう。これは、時空間収納で処理した物だ。創生しても良いけど、餅食べる時、俺が食べると雑巾臭で嫌だからな。

ついでに砂糖を使った粒あんとこしあんも処理して、作ったので味見してもらう。

どれも美味しいってさ。

餡子を味見していたら、精米が終わったようだ。


根田 「もち米の精米が終わったようです。餅つきの準備です。移動式の竈を今日は使います。もち米を蒸すのですが、その前に、もち米を研いで一晩もち米をたっぷりの水につけておきます。水の量は、もち米の2倍以上にしてください。6時間から12時間浸します。冬場は水温が低いので、10時間以上浸してください。今日は、魔法で処理します。」


そう言って、羽釜でもち米を研ぎ、水に浸す。

羽釜を見るのは、皆初めてなので、質問される。

羽釜の説明していたら、エルフ国のエルフと世界樹の筆頭巫女がやってきた。


根田 「筆頭巫女さん達は、手続きですか?」


手続きなどで行き来が必要な為、半年程度、転移の魔道具の回数制限は無くしてある。国家間の手続きは、大変だからね。認識調整しているので、俺が一緒じゃなくても神殿の者以外も変に思わない。回数制限に関して、神殿の者に説明してるので、問題無い。手続きが落ち着けば、下位精霊から報告も入るので、転移の魔道具も通常モードになるようにしてある。この辺は、精霊達に頼んだから。下位精霊も認識調整とかできるしね。大精霊経由で俺の神力を精霊達に与えてるので、下位精霊も上位精霊並みに力を行使できるから。俺が直接力を使うより、影響を与えないから、頼んだんだよ。仕事頼んだのに、精霊達が嬉しそうなのが不思議だけど。


筆頭巫女 「はい。魔王城へ行く相談で来たのですが、皆さん、”餅つき”をしていると聞きまして。根田様、餅つきとは、何でしょうか?」


根田 「丁度、もち米を研いで、水に浸したところですよ。餅つきは、これからです。」


筆頭巫女 「これから炊くのですか?」


こちらでは、もち米も炊いて食べるからな。


根田 「いえ。蒸してから、杵と臼で搗いて餅にするんですよ。こういうものです。」


鏡餅セットを見せる。


筆頭巫女 「パンみたいなものですか?」


根田 「違います。説明するより、筆頭巫女さん達もご一緒にどうですか?ご予定が無ければ。」


筆頭巫女 「よろしいのですか?予定は大丈夫ですが。」


根田 「皆、大歓迎ですよ。」


そう言うと神殿の者も頷いている。

エルフ国のエルフと筆頭巫女さんも参加することになった。

風の巫女さんが、闇の聖女さんを紹介している。


根田 「じゃあ、続きを説明します。移動式の竈と臼と杵を設置します。平らな所に設置してください。」


地面が平らになるように、土魔法で処理する。この辺は、地球と違って魔法が使えるので楽だ。

研究職が竈と臼と杵を観察してるな。

餅つきセットは複製して、10個用意しているから。


根田 「臼と杵も本来は、前日に準備してください。杵の頭の先を先端からこの程度(10cm)一晩水につけておく必要があります。これは、水を吸わせて、杵の先を柔らかくして、杵の割れを防ぐためです。これをやらないと杵が割れたり、餅に小さな木くずが混入する原因になりますので、忘れずに行ってください。今日は、魔法で処理しますけどね。」


『根田様は、魔法使えてずるい。』とか言われるかと思ったけど、何も言われない。

魔法使える者と使えない者がいるのが、当たり前の世界だからかもしれない。


根田 「次に、水につけたもち米を笊で水切りします。15分以上行ってください。きちんと水切りしないとぬか臭くなる場合があります。本来は、お湯を沸かすのですが、私は、魔法でお湯が出せるので、今回は沸かしません。それと蒸す作業で蒸し布を使うのですが、これは、綿素材です。新しい蒸し布は、アクが出る時があるので、アク抜きの為、煮沸します。熱湯を用意するのは、臼が冷めるともち米が冷えて、上手く餅にならないので、温める為です。今回は私が、保温効果を臼に魔法で付加するので、無くても大丈夫ですけど。蒸す為のお湯は、沸かしておく必要があります。」


蒸し布を見せる。蒸し布は、アク抜き済みだ。


根田 「じゃあ、もち米を蒸しますよ。使うのは、角せいろ、竹すだれ、角せいろ用台す、蒸し布、せいろ蓋。普通に蒸し器で蒸しても大丈夫です。角せいろは、さわらでつくられているので”やに”を多量に含んでるので、最初は何もいれずに、5、6時間空蒸して、”やに”の出方が問題ないか確かめてから、使用します。今日使うのは、処理済みですから大丈夫です。まず、角せいろに竹すだれを敷いて、蒸し布を広げ、水切りしたもち米を入れます。」


竈に羽釜をセットして、薪に火をつける。羽釜には、魔法で出した熱湯を入れてある。薪の火力も大丈夫だ。魔法って便利だよね。


根田 「私は魔法でやりましたが、皆さんが餅つきする時は、お湯沸かしておいてくださいね。じゃあ、台すを羽釜に敷いて、蒸し布でもち米を包むようにして角せいろを載せ、せいろ蓋をして蒸します。もち米は30分ぐらいで蒸し上がります。続けて搗く場合は餅つきの時間を考えて10分ぐらいずらしてから2段目、3段目を積んでいきます。多少蒸らしすぎても問題はありませんからあんまり神経質にならなくていいです。続けて蒸す場合は羽釜を空焚きしないように、こまめに羽釜のお湯の量を確認してください。少なくなったらお湯を足します。今日は、魔法で処理するので、大丈夫です。」


蒸している間に臼の準備だ。お湯を臼に入れて、臼を温めたら、保温効果を付与して、柄杓でお湯を捨てる。

蒸し時間を魔法で時短して、もち米の確認だ。


根田 「もち米の蒸し上りは、箸を刺して、すっと入れば大丈夫ですが、食べて確認した方が確実です。芯が残っていなければ、蒸し上りです。」


そう言って、確認してもらう。


根田 「さあ、お待ちかねの餅つきです。蒸しあがったもち米を角せいろごと臼のところに持って行き、もち米を臼に移します。熱いので気を付けてください。蒸しあがったもち米を臼に移したら、杵でもち米を潰してこねます。腰を入れ体重をかけて臼の周りを回りながらもち米を潰します。きちんと潰しておかないと杵でついた時にもち米が飛び出すので、しっかり潰してください。潰し終わったら、杵で餅をつきます。」


精霊達が桶にぬるま湯を用意して、スタンバイしている。

甘いな。お約束対策は、考えているのだよ。


根田 「餅を搗くときは、搗いた餅を”返し手”が真ん中に集めるのですが、手を搗かない様に気を付けてください。餅が手に付かない様に”返し手”は、水かぬるま湯を用意して使用します。私の弟子がスタンバイしてますが、女性の手を間違えて搗かないように、スキルで分身します。」


そう言って、20人に分身する。ちゃんと実体だぞ。

神様分身の術だ!どうだ参ったか!

”完全無欠”が、分身できるって言ったから、使ってみた。出来なければ、草木魔法でウッドゴーレム創ろうかと思ったんだ。式神システム導入して、疑似生命式でさ。それならゴーレムと違って、AI使った感じにできるから。

”思い込み”と”ネタ披露”も『自分らも出来る!』と言ったが、お前ら余計なことするだろう?今回は出番なしだからね!


光華 「太郎様酷い!お約束は?」


駄目に決まってるだろう!


黒乃 「太郎様、返し手は女性がやる決まり!」


そんな決まりは無い!


玉樹 「太郎様、”手伝ってくれ”って言ったじゃないですか!」


それは、搗いた餅を丸めたりする方だよ。


竜 「太郎様、早くついてください!食べたいです。」


竜のリクエストもあるので、さっさとつくことにする。


根田 「じゃあ、つきますよ。つくときは、力任せは駄目ですよ。注意してくださいね。」


そう言って、餅を搗く。

ちゃんと掛け声を掛けないとね。


根田 「はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!…。」


ぺったん、ぺったん、ぺったん、ぺったん……。

搗き終わったぞ。


根田 「つきあがりました。のし板にでんぷんをまんべんなく振りかけて、つきあがった餅を載せ、のし棒でのすのと大福にします。それとお湯で湿らせたボウルに餅を入れて、ぬるま湯で手を湿らせながら一口大の大きさに餅を切ってあんこやきな粉の中に入れていきます。みたらし用は、丸めるだけにします。」


そう言って、きな粉に甜菜糖と塩を混ぜる。

甜菜糖とサトウキビの砂糖の性質も説明した。

のし餅と大福を作り、きな粉餅、あんころ餅、みたらし餅を作った。醤油でも食べて貰ったぞ。

試食してもらうと美味しいってさ。のどに詰まらせないように注意したから、それは大丈夫。

のし餅を魔法で乾燥させて、網焼きした餅を醤油を付けて食べて貰う。

箸マスターと皿を用意したので、筆頭巫女さんも箸が使えるようになった。


根田 「乾燥させて焼くと膨らむんですよ。醤油をつけて食べてください。」


ベラ 「美味しいです!根田様、乾燥させた餅は、どの程度保存できますか?」


根田 「そうですね。餅を搗く時に”手水”、餅が手に付かないようにする水ですが、これが多いとカビ易くなります。まあ、きちんと乾燥させれば、ひと月程度は大丈夫だと思います。乾燥したものは、焼いたり煮たりしないと食べれませんが。保存のために塩水に入れておく、水餅と言うのもありますけど。」


ノイバラ 「でも保存食として、十分使えますね。美味しいですし。」


筆頭巫女 「もち米をこのようにして食べるのは、初めてです。美味しいです!このもち米は、世界樹の森で栽培しているもち米より、美味しいと思います。」


そうなのか。玉樹さんに種もみとして、渡して良いか確認すると許可が出た。


根田 「じゃあ、種もみをお分けしますよ。このもち米は、あるダンジョンで出た物ですから、聖地の植物では無いので。」


ダンジョン産のもち米は、普通の種もみとして使える。魔物などが避ける性質は無い。

後で、各神殿に種もみを与えることにした。

神殿の者にも餅を搗いてもらう。分身して、教えたぞ。返し手もね。

つきたて餅をボウルに入れ、時間停止機能付きマジックバッグ(小)を創生して光の大神殿とエルフ国、世界樹の森、闇の聖女さんに渡した。種もみときな粉、餡子、みたらしと醤油もね。新年のお祝いで食べてくれって、言ってさ。マジックバッグはあげるって言ったら、恐縮してたよ。神殿来る時は、持ってくるように言っておいた。料理とか分ける場合あるからって。皆喜んでいたよ。

他は、魔王城で渡せばいいし。


根田 「まだ時間があるので、お汁粉を作りましょう。餅もありますから。」


そう言って、お汁粉を作った。


根田 「焼いた餅や切り餅を入れても良いのですが、搗きたて餅も良いですね。餅は汁物に入れても良いんですよ。」


切り餅も説明してある。


光華 「お汁粉美味しいです!お約束出来ませんでしたが、許します。」


何でだよ!許すとか関係ないだろう。


黒乃 「お汁粉美味しい。太郎様は、分身禁止!私たちの出番無くなる!」


そんなの却下だ!


玉樹 「美味しいですね。お汁粉。確かに手伝いましたけど、太郎様が私たちの手を搗くはず無いのですから、次は返し手やりますからね!」


お約束やらなければいいよ。


竜 「お汁粉美味しいです!」


根田 「皆さん、お約束は無しでお願いします!分身は使いますよ。魔王城で料理する時は、必要ですし。」


そう言ったら、皆冗談だって言う。

からかうなよ。

おこわとか赤飯作ろうかと思ったけど止めた。先に説明した方が良い物があるから。


根田 「乾燥させた餅を油で揚げる揚げ餅と言うのもあります。作ってみますね。」


試食してもらうと美味しいってさ。

保存食としてアレを説明するか。


根田 「保存食の話が出たので、保存用の餅を紹介しましょう。干し餅と言って、餅に多量の水分を含ませて凍らせ、さらに寒気に晒して乾燥させたものです。自然凍結は、寒さが厳しい場所でないと無理ですが、水魔法で凍らせることも出来ますし、風魔法で乾燥も可能ですから。」


アカヤ 「魔道具でも出来そうですね。」


トチバ 「根田様、干し餅は長期保存が出来るのですか?」


根田 「魔道具でも可能だと思います。冬場の乾燥した時期に作りますが、夏場まで保存が可能です。」


そう言うと皆驚いている。それは良いや、作り方説明しよう。


根田 「干し餅は、普通の餅より、食感がさくさくとして、甘みがあります。作り方は、餅を搗くまでは、同じです。搗いた餅を型に入れて冷まします。冷めて固まった物を、食べやすい大きさに切ります。わらでそれを数個、吊るしやすい形に編みます。そうしたら水分を含ませ、凍らせます。約一か月程乾燥させて出来上がりですが、作業の関係上、寒くて乾燥している時が適しています。」


残っていた餅を魔法で処理して、干し餅にした。

試食してもらう。


根田 「干し餅は、そのままでも食べられますが、水に浸して普通の餅と同じように食べたり、焼いて食べたりします。」


試食してもらうと、そのままでも十分美味しいってさ。

歯ごたえが良いって。

世界樹の森とエルフ国でも餅つきやってみるって言うから、餅つきセットを各大神殿に授けてきたよ。普通の蒸し器と火力調整機能付きの魔道具もね。

蒸すのは、そっちのが楽だろうし。種もみと餅つきのやり方の説明書も創って置いてきた。ついでなので籾摺り機と精米機の魔道具も置いてきたよ。これも説明書付きでね。籾摺り機と精米機の魔道具は、魔族と世界樹の森、光の大神殿には2個授けた。需要が多い場所だからね。俺は、時空間収納で分類すれば精米とか可能だから魔道具要らないし。必要なら作れるからね。籾摺り機と精米機の魔道具は分解して掃除できるようになってるから、地上の者も複製できる。動力は魔石式等にしないといけないが。種もみも500kg置いてきたので十分だろう。入れ物としてダンジョンボスの宝箱の収納箱も授けてきた。世界樹の森に竜たちの調理もお願いしたので収納箱を2個授けた。魔族同様聖獣に調理できるのは光栄なことだって言ってくれたよ。収納箱は、光の大神殿にも授けたので、あと一つ残ってる。これは、冒険者ギルドに売ろうかと思っている。ダンジョンを攻略した証明にね。鑑定監察官が鑑定すれば分かるから。まあ、それは後回しだけど。搗きたて餅と切り餅、きな粉、みたらし、餡子、醤油も創生して見本で置いてきたし、説明書にも作り方と食べ方書いてあるので大丈夫だ。時間停止機能付きマジックバッグ(小)に入れて渡してるので問題無い。味醂の造り方も授けたよ。何処の大神殿も歓迎するので、早く自分達の所へ見聞に来てくれと言われたけど、急かすなよ。

後で授けようと思ってた魔道具を渡したから、ちょっと楽になったかな?

海の近く行ったから、ついでに魚介類を獲ってきた。海苔とかもね。面倒なので、不可視モードで言霊と大福帳使って獲ったけど。

蝦とかの魔物も獲ったので、後で竜にエビフライ作らないと。

暫くは、バタバタするけど仕方がないね。


夕飯は、車海老の魔物”魔エビ”って言うのを使ったエビフライにした。

魔エビは、3級の魔物だ。河にいたオオザリガニと同じで40cmの大きさ。

実が締まってぷりぷりして美味かったよ。

魔エビは、それほど暴れない魔物だそう。漁師や水棲人は、網で捕まえると、凍らせたり氷に入れて大人しくするそうだ。

冷たくすると動かないんだって。まあ、跳ねる力は強いので、危険ではあるみたい。強力な水鉄砲も吐くらしい。

まあ、海のことは、そっちを見聞する時で良いね。

発生させて大量に確保したから、魔王城でも出すことにしよう。

魚介類もある方が、日本人としては、お正月って感じだしね。

料理頑張ろう。



*************************************



根田が餅を授けてから、数年後、エルフ国や世界樹の森では、もち米も作付けが増やされる。

他の国でも米は栽培されるが、栽培に適していないため、それほど栽培されていない。

世界樹の森は、世界樹の加護がある為、他よりも植物の成長が早く、同じ作付面積で収穫量も多いため、主力生産地として輸出している。

このもち米を使って、味醂も作られている。高級なお酢として、もち米を使った米酢も造られるようになった。(根田が授けた黒酢の造り方を参考にして、普通の米酢や黒酢も造られている。)

もち米も品種改良が盛んだが、根田が授けたもち米は、特別品種として栽培されている。

味醂や米酢の造り方や餅、特別品種の種もみを授けたのが、根田であることは広く知られている。

冬場に寒さが厳しい場所では、干し餅も作られて、重要な交易品になっている。干し餅は、冒険者や商人など移動が多い者にとって、需要な保存携帯食となった。魔道具を使って作られる干し餅は、神殿の収入源の一つだ。尚、ダンジョン産では無い小豆も世界樹の森で自生種が発見され栽培されている。ただし、ダンジョン産の種は、安定した収穫ができるので、神殿によるダンジョンの探索は定期的に行われている。世界樹の森で発見された小豆も神殿では、根田の計らいによるものだと思われている。根田も玉樹もとぼけているので、不明ではあるが…。


後年、根田が万年青に戻り、神殿が神であったことを発表後、冒険者や商人など移動が多い者が、根田を”美味い物伝道師”から”美食神”と呼ぶようになる。

勿論、根田は、『私は、縁起神”ネタの神”であって、美食神ではありません!』と神託するのだが、呼ぶのを止めてくれない。

根田が笑顔を作る偉大な縁起神”ネタの神”であることは知られ、広く信仰されている。移動の多い者もそれは知っているが、根田の授けた干し餅などの食べ物に感謝している為、敬意から根田を”美食神”と呼んでいる。

悪意から呼ばれるわけでは無いので、根田も怒りはしないが、餅をのどに詰まらせるものが、必ずいるので、餅を授けたのは、不味かったのではないかと心配している。

神託で聖女達に相談したが、『そんなの自己責任です!根田様は、のどに詰まらせないよう、注意するように言われましたから!』と言われてしまった。

のどに詰まらせたときの応急処置も教えてあるので、それほど大事にはならないが、毎年死ぬ者がいる。

万年青の神々も『気にする必要は無い。』と言ってくれるが、根田は優しいため気にしてしまう。

大精霊達が、地上の者に根田が心配していることを伝えるので、根田は、優しい縁起神として信仰を集めてしまう。

補足情報として、玉樹は、エンゲーイに無かった橙を創り、世界樹の神殿に授けた。

世界樹の神殿から他の大神殿へ橙は分けられ、神木として大事にされている。

神殿では、新年を迎える時、根田の神像の前に鏡餅を供える。勿論、橙も鏡餅の上に供えられる。

偉大な縁起神に感謝の祈りと共に。


尚、神殿で橙の実は、ポン酢醤油の材料として使われている。ポン酢醤油も根田が授けた調味料であるのは広く知られ、新年の前には、神殿に橙の実を求める者が来るのは、冬の風物詩である。橙を求める者達は、根田への信仰があつい。橙は、偉大な縁起神の根田へ供える縁起物でもあるから…。



*************************************



料理の作り方は適当ですので、流してください!

干し餅は、あるのは知っていますが、作者は食べたことありません。

精霊達は、根田のことが好きなので、頼られると嬉しくなります。今回は、根田の神力を与えられるので、張り切って仕事しています。

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