第八十二話 瘤牛
人頭牛を捕獲します。
人頭馬を確保して、他の人頭種が近くにいるか麒麟に確認すると、ここは大草原地帯のせいか鳥以外は、近くにいるそうだ。
索敵魔法で探すのではなく、この前、好き放題やりやがったスキルに”索敵できるだろ?”って言ったら、”当たり前だ!”って言うので、広域索敵させて、人頭種の牛の群れまでやってきた。
…いるね。スキルは優秀だ。ただし、悪意を感じる。
根田 「いましたね。人頭種の牛。聞いていませんでしたが、魔物って発情期はどうなのです?」
何故、狩りをするのに、このようなことを聞くのかと読者さんは、思うだろう。
えっ?思わない?分かるって?うーむ。読者さんは賢い!
光華 「発情期は無いです。比率調整していますから、人族や魔族同様、一年中交尾可能です。」
黒乃 「妊娠は、比率に従うけど。」
玉樹 「魔物は、厳密には生物では無いので。」
竜 「一番大きい群れが、この状態ですか。」
麒麟 「おかしいですね。人頭種は、それほど捕食されませんので、比率は安定しているはずですが…。」
これは、やらかしたな?
馬鹿スキルめ!
OPが10万増えた。これは、間違いない!
根田 「”スキル音声ON 外部モード”おい!馬鹿スキルども!答えろ!」
スキル音声 「スキル起動確認。現在外部モードです。私は関係ありません!」
分かってるよ。お前は音声担当だし。
思い込み 「索敵に問題は無い筈。ネタ的にオイシー状況になるようにはしたが。」
余計なことするな!
ネタ披露 「やはり、お約束は必要だからな!文句言うな。主よ!」
お前なぁ。
完全無欠 「今回は、この状態でも確保に支障が無いと判断した。主よ、支障があるなら、我を使って捕らえることは可能だぞ!」
いや、捕獲は出来るよ。アイテムのテストもあるって理解しろよ!
馬以外にも試す必要あるだろう!
根田 「俺が捕獲するのは、別に問題無いよ。アイテムのテストもあるのに、通常状態じゃないと困るだろう!」
牛の群れは、絶賛ハッスル中なのだ!
これじゃあ、隙だらけで、アイテムのテストにならない!
思い込み 「一度確保するのだろう?発生させたのには、干渉しないから、問題無い!」
ネタ披露 「何なら、魔物のスピードアップとか抵抗力アップして、耐久テストできるようにするか?」
これ以上、余計なことするなよ!
完全無欠 「主よ、一度確保してくれ。発生させた魔物には、干渉させないようにする。アイテムのテストもあったな。すまん。」
まあ、怒っても仕方がない。やるべきことをしないとね。
スキル音声をOFFにして、ハッスル中の人頭牛を確保した。
根田 「結構いましたね。馬と同じで大中小ですか。牛のが馬より大型ですね。」
泥酔牛よりは、”大”でも小型だが、それでも全長12m、重さ6トンだ。”中”が全長8m、重さ4トン、”小”が全長4m、重さ2トンだ。
背の高さは、人頭馬と同じだ。髪型もね。地球のギネスブックに載ってる巨大牛が全長4mで重さが約1.3トン弱だったか。
流石魔物、巨大で筋骨隆々だ。捕獲ロープのテストの為、馬の時同様に500匹確保した。試食用もね。
アイテムの使用に問題は無かった。
根田 「馬と同様に確認しないといけません。農耕牛として十分使えます。ただ、森の中だと厳しいですね。」
玉樹 「世界樹の森でも水田がある地域は、開けていますので、そこなら使えます。エルフ国にも草原はありますから。」
根田 「世界樹は、森の中心地にありますよね?世界樹の神殿って、世界樹の聖域の近くでしたけど水田ありましたっけ?」
玉樹さんの本体の世界樹は、聖域の山と言うか丘になってる場所に生えてる。世界樹は、無茶苦茶巨大な木なので、富士山みたいな丘だけど。
世界樹の神殿は、その麓にある。”樹都”と呼ばれるハイエルフの都の中心に建てられている。
地上の者は、世界樹の存在は感じられるけど、その姿は見ることができない。
世界樹を見ることができるのは、世界樹の巫女が、巫女になる時に玉樹さんから加護を受ける時だけだ。
あ、世界樹の神殿には、巫女以外に世界樹の神官がいる。神官は男女ともいるが、他の神殿の上級神官までの立場だ。
その分、巫女が多いけど。世界樹に仕えるのに母性が必要だから。
男の神官は、実務担当だ。他の神殿と違い上級神官の立場で政治も担当だけどね。
玉樹 「太郎様は、樹都の周りを見てませんからね。樹都の南側が水田ですよ。」
そうなんだ。後で見聞する予定だから、転移の魔道具を授けただけで、戻ったからね。
根田 「そうでしたか。”小”の大きさなら、問題無いですか?」
玉樹 「1、2匹なら問題無いです。北側は草原で聖域に接してますが、地上の者は許可なく聖域に入れません。聖域に近づいても元の場所に戻ります。従魔に、定期的に与える魔力も、大型で火炎弾二発分程度を半年に一度ですよね?」
聖域に掛けてある魔法で、近づくと元の場所に戻るそうだ。
うーむ。ファンタジー世界の罠って感じだね。
従魔に定期的に与える魔力を調べたら、人族でも負担にならない程度だった。魔力も指輪に込めればOKだし。飼うのに場所が必要だから、それほど従魔にできないし、問題ないね。交尾しても増えないし。
根田 「人頭牛の情報の確認をしましょう。大きさと重さ以外を確認しないと。」
光華 「味と乳の確認は重要です!」
それは、後でね。
黒乃 「馬と同じで話すかも。」
嫌だなぁ。
玉樹 「人頭牛は、泥酔牛と違って、瘤牛じゃないですか。農耕用の役用牛向きだと思います。」
そうなんだよね。日本では、あまり見ない奴。人頭牛は見た目が、ゼビュー牛って言われる奴と同じで、背中に瘤がある。
根田 「取り合えず、情報を確認します。種別は、”魔物牛(人頭牛・黄牛(小))”ですか。”(小)”は馬と同じですね。大中が変わるだけです。毛が飴色なので、黄牛は、分かります。”上等な牛”の意味もあるので、美味しくて役に立てばいいのですけど。馬面のおっさんなのは馬と同じですが、角が大きいですね。角は武器のいい素材になります。速さは、小型が時速60km、中型が時速80km、大型が100kmで馬より遅いですが、600km程度休憩無しで移動できます。力も馬よりありますね。ランクも馬と同じです。」
竜 「乳を搾ってみましょう!」
そうだな。
根田 「馬の時と同様にやってみましょう。」
人頭牛は魔族領にしかいないそうだ。人族の活動域や世界樹の森にいる牛の魔物は、もっと小型で瘤牛でもないらしい。
そんなことを思っていると麒麟に呼ばれる。
麒麟 「根田様、牛が騒いでいます。乳搾りした方が良いのでは?」
そう言えば騒いでるな。
牛(小) 「モ~ッ。乳が張りまくりだぜ!」
分かったよ。
牛(中) 「しこしこ搾れば、白いミルクが出るぜ!」
その言い方は嫌だ!
牛(大) 「モ~ッ、乳がパンパンだぜ!意外に魔力供給早いんだな。」
聞いたことが有るような感じの台詞だが、きっと気のせいだろう。
うるさいので、搾ることにする。
牛(大・中・小) 「あ、あ、あ、で、で、出ちゃう~。白いホカホカミルクーッ。ドピュッドピュッ!!」
うるせーな。何だよ!その擬音は。
牛(大・中・小) 「もう一回搾っとく?」
このノリは何なの?イラッとするね。
深呼吸して落ち着こう。
根田 「ふう。馬と同じでイラッとしましたよ。乳を鑑定します。…加熱殺菌しなくても問題なく飲めます。強い大型の方が、乳脂肪分が多いです。小型でも獣の牛の二倍程度多いです。人頭種を従魔にしたのは、私が初めてなので、それ以上の情報は無いです。飲んでみましょう。」
馬の倍搾れたよ。
根田 「泥酔牛の乳ほどではありませんが、濃厚で美味しいです。かすかに甘みもありますね。草の臭いが少しします。栄養価も高いです。」
光華 「美味しいです。大型のが濃厚な味です。」
黒乃 「美味しい。この味なら従魔にする意味あると思う。」
玉樹 「美味しいです。乳製品も質の良い物が、出来そうです。」
竜 「美味しいです。泥酔牛の乳は特別ですよ。太郎様が、濃厚で美味しい乳って、考えた物ですから。」
麒麟 「美味しいです。馬の乳は要りませんが、これなら従魔に欲しいですよ!」
仕事に使えて、乳がこの味なら悪くない従魔だ。気色悪いのと乳搾るのにイラッとするけど。
根田 「後は肉ですね。私も瘤牛は、食べたこと無いです。どんな味でしょう?瘤牛なので、ブラジルの伝統料理”シュラスコ”で試したいですが、今回はTボーンステーキでやってみましょう。TボーンステーキならT字型の骨の両側にそれぞれサーロインとヒレが付いてますから。」
今回は、フランベしないで焼くことにする。
味付けは、塩胡椒と搾った牛乳でバターを造り、それを使用する。
何かで見たが、肉を網焼きで下から焼くと焼肉で分かるように、肉汁や脂が炭などに落ちて、煙で焦げ臭くなり味が落ちる為、上面加熱方式で焼く方が味が良くなるらしいので、それで焼いてみる。
肉を厚切りにして、表面に岩塩をたっぷり振りかけ、浸透圧で脂や水分が肉の表面に浮かぶようにして焼いてみる。表面が揚げ焼のようになり、肉汁が逃げないそうだ。
裏面は軽く焼き、肉を切り分けてバターを加熱し、肉汁と絡めたソースにする。
わさび醤油と大根おろしも用意して人頭牛のTボーンステーキの試食だ。
根田 「美味い!肉が固いかと思いましたが、そんなことありません。大型ほど霜降りで脂がくどいかと思いましたが、後味はさっぱりとしています。小型は、固いわけでは無く、良い歯ごたえです。中型は、バランスが良いです。赤身部分は、肉本来のしっかりとした味もします。泥酔牛とは違った旨味がありますね。」
光華 「美味しいです!バターソースもいいですが、わさび醤油も合いますね。」
黒乃 「美味しい。大根おろしはさっぱりしている。」
玉樹 「美味しいです!この肉なら、いろんな料理に合うと思います。」
竜 「美味しいです!旨味は大型のがありますが、私は歯ごたえが良いので小型が好みです。」
麒麟 「美味しいです!私は、中型がバランスが良くて好みです。根田様、新年のお祝いで泥酔牛の肉を出すのは、不味いと思いますので、牛肉は人頭牛を出しましょう。それに聖都のダンジョンに関しては、神殿の者が一度攻略してから情報開示した方が問題無いと思います。」
そうだな。泥酔牛の肉を食べさせることで、肉を欲しがり、無理矢理探索して、犠牲者を増やすのは問題だ。
根田 「そうですね。麒麟の言う通りです。ダンジョン産の食材は、キノコと野菜のみ使いましょう。後は、地上の者に知られている食材なら問題無いので、貪食蜂の蜂蜜で、蜂蜜酒を造って振舞うのと黒蜜蟻の蟲蜜を使って、葛餅でも出すだけにしましょう。大豆も味噌と醤油を教えただけで、食べるのは、炒るか塩味で煮るだけでしたね。きな粉も教えましょう。餅つきもありますから。ダンジョン産の食材なのは隠して、魔族領で得られた食材だと説明できるようにしましょう。」
光華 「そうですね。神殿の者だけなら良いですが、各国の王族なども同伴するでしょうから。」
黒乃 「その方が良い。人頭牛と人頭馬も人族の活動域で入手できる食材より味は、ずっと良い。」
玉樹 「魔王が狩ったゴールド・ボアも1級の魔物ですが、猪系では最上位の魔物ですから、太郎様が調理すれば、地上の者は、その味に感動するでしょう。」
竜 「そうですよ。神が調理した料理を食すなど、本来ありえませんから。」
麒麟 「聖竜王の言う通りです。恐らく、今回の新年のお祝いは、伝説となるでしょう。根田様、アイテム類もお祝いと別に神殿に授けられる方が、良いかと思います。」
そうだな。その方が良い。後で、魔王さん達に話を通しておこう。
人頭牛を狩って良かった。獲らなければ、泥酔牛の肉を出していたところだ。
麒麟は、円形脱毛症になるほど、気遣いができるだけあって、優秀だ。
あ、俺もゴールド・ボア確保しておこう。美味い食材は確保しておきたい。
麒麟の円形脱毛症を黒宮さんが治してやらなかった理由、何となくわかった。
以前、やらかしてる関係で、神力使うと地上に影響出るから、黒乃さんに監視されて治せなかったんだな。
そう思ってたら、黒宮さんとエレー様から連絡が…。
黒宮 『根田さん、違いますよ。治そうとすると麒麟が遠慮しまくるんですよ。』
エレー 『根田さん、黒乃は、そんな意地悪じゃないですよ。パンツ投げるような反則攻撃しますけど。』
黒宮さん、そういうことですか。
エレー様、見てたなら止めてくださいよ!見られたら評判が落ちるじゃないですか!
黒宮・エレー 『根田さん、認識調整すれば、大丈夫ですよ。』
力技は、自分がやると影響出るので不味いですよ!
まあ、いいや。
次の人頭種探そう。
起承転結で話を書くのは、難しいですね。
この作品は、ノープランで書いてるので、滅茶苦茶です。
色々気にせず読んでください!
作者も何だか良くわかってません。
特に調理は適当ですので。




