第八十話 魔王城
新年のお祝いの段取りです。
闇の大神殿に転移でやってきた。
不可視モードで来ているので問題はない。
聖都とは昼夜が逆なので、こちらは夜だ。。
黒宮さんにも連絡してあるので、暗黒王麒麟と神域空間で待機していたよ。
黒宮 「根田さん、お待ちしてましたよ!」
根田 「お手数をおかけして、すみません。」
黒宮 「いえいえ。お気になさらず。ダンジョンで変わった物が出たそうですね?」
根田 「ええ。ダンジョンの管理権限を私が奪ったせいか、食材と”こんなアイテムがあったら、面白いな”と考えた物が出ました。ダンジョンが私の力を使って、創生しているのでしょうか?」
黒宮 「いえ。根田さんの力は使っていません。ダンジョンは、コアを触媒にして空間の魔素から物質を作るので、気にすることは無いですよ。管理権限を根田さんが持ってるので、根田さんのイメージは、ある程度反映されます。命令しなくてもね。」
え、そうなの?先に言ってよ。知っていたら、管理権限戻してたのに。
”養蜂の指輪”とか”畜産の指輪”は、使い方によっては、強力な武器になるからさ!
根田 「そうなのですか?先に教えてくださいよ。地上の者に授けたら、武器にもなる物が出ましたよ。」
黒宮 「どんなものが出ましたか?」
聞かれたので、説明する。
根田 「養蜂の指輪と貪食蜂の巣箱、畜産の指輪が不味いです。捕獲ロープと甘露樽は、あまり問題は無いと思います。他は食材と調理用具です。」
黒宮 「どの様な効果がある物ですか?」
根田 「養蜂の指輪は、対になった巣箱の貪食蜂を従魔にするものです。貴重な蜂蜜を食べてみたいと思ったのと、私が一度食べれば魔人が創生できるようになるので、貪食蜂のことを聞いて考えた物です。蜂蜜を得るための物ですが、蜂を武器として使用も出来ますから。畜産の指輪は、従魔にできる魔物が限定されますが、これも魔物を武器にできます。これは、乳が搾れたり、卵を取れたり、毛が刈れる家畜の魔物版ができないかと考えたのです。馬、牛、山羊、羊、鳥の制限は、その為です。馬は馬乳酒、牛は牛乳、山羊は乳と毛、羊は毛、鳥は卵を得るために考えたのですが、精霊達に聞いたら、従魔は戦闘用途しか実績が無いと言われまして、確認する必要があるのです。捕獲ロープは、従魔を得るためのアイテムとして考えました。甘露樽は、こちらの世界の酸っぱい果物を甘くするものです。」
黒宮 「なるほど。面白いことを考えますね。流石は、ネタの神です。普通は、従魔をそのように使おうと考えませんよ。根田さんが気にしている武器としての使用は、設定を調整すれば問題無いです。泥棒や防衛用途には使用できて、戦には使用できない設定にしましょう。」
そうだな。黒宮さんの言う設定と犯罪者などは、襲わせることができるようにするか。処刑用途で使用できれば、便利だしね。俺としては、犯罪行為や戦で使われなければ良い。
あ、専門職が家畜化する魔物は、狼(犬も含む)、ワイバーン(卵を盗んでくるそうだ。魔力を与えて孵化させると従魔になる。)、大トカゲ(これも卵を盗む。二足歩行する怪獣の着ぐるみの様なやつだって。足が速いので、古代の戦車の馬みたいに使用する。馬と違って、魔物は攻撃も出来る。)等だ。水棲人は、海豚、鯱の魔物を従魔にしているそうだ。卵以外の魔物は、タコ殴りにして、屈服させて従魔にするそうだ。魔物使いは、魔法同様適性がある。それと、この世界には、魔物蟲を従魔にする技術は無いので、蟲使いは存在しない。もし、蟲が使役できても蟲を捕食する魔物に襲われるので、意味はない。あ、貪食蜂は強力な毒があるので、熊の魔物も巣を襲わない。天敵は、大型の蜘蛛の魔物だ。蜘蛛の魔物は、洞窟や深い森にしかいない。村や街に近づくと鳥などの魔物に捕食されるので、人族や魔族に危険は無い。街などに小型の蜘蛛の魔物は稀にいるようだが、蟲の蜘蛛と変わらないので、それほど危険じゃない。話がそれたな。
根田 「そうですね。設定調整しておきます。あ、黒宮さん。蜂蜜と蟲蜜いりますか?お分けしますよ。」
黒宮 「いえ、いいです。貰うと女神が食わせろって言ってきますから。それ使って、お菓子作った時、分けてください。」
黒宮さんも苦労してるな。
女神様に、たかられるのか。あ、いい事思いついたぞ!
根田 「お菓子作ったら、持ってきますね。それと女神様が欲しくないような物、思いつきましたよ。貪食蜂の蜂蜜で、蜂蜜酒を造るのはどうでしょう?」
黒宮 「蜂蜜酒ですか!良いですね。貪食蜂の蜂蜜は貴重品ですから、今まで創られたこと無いですよ。蜂蜜酒はエンゲーイにもありますが、普通の蜂蜜でも高級品ですよ。これは楽しみですね。あ、根田さん。作ったら二人で飲みましょう!私が一人で飲んだりしたら、やはり女神やエレー様が来ますよ。」
えっ、マジで?酒も駄目なの?
根田 「黒宮さん、エレー様は分かりますが、女神様も酒欲しがるのですか?」
黒宮 「ええ。女神も酒好きですよ。根田さんが、ドワーフに酒の造り方教えたので、楽しみにしてますよ。大精霊達も飲みたいと思うのでは?」
黒宮さんが、そういうので精霊達と竜、麒麟を見るとニヤニヤしている。
根田 「皆さんも造ったら飲みたいですか?」
精霊と竜と麒麟 「勿論です!飲ませてくれないと人頭種探すの協力しません!」
お前らな。飲ますのは良いけど、それ脅しにならないからね?
根田 「飲ますのは良いですが、いじわるなことを言われるとねぇ。魔族領のことなら、黒宮さんに確認すればいいですし。」
黒宮 「そうだぞ、お前たち。人頭種の居場所だろう?分かるぞ。俺や根田さんは、お前たちの上司で神なんだからな!」
黒乃 「黒宮様。太郎様は、地上の見聞も兼ねているのですよ。我々が案内するのは、意味がありますからね。目を離した隙に、太郎様だけで、いかがわしい場所には行かせません!」
闇の大神殿にいる時は、黒乃さん本来の姿になってる。黒宮さんがやらかした場合に、すぐ対応する為だって。
黒宮さんは、気の良い御仁なんだけどな。
しかし、黒乃さんも酷いな。バタバタしてるのに、怪しい場所には、行かないよ!すぐバレるし。下位精霊から報告行くだろうから。
光華 「黒宮様。冗談ですよ。蜂蜜酒造ってもいないのに、飲ませろとか意味ないですから。」
玉樹 「そうですよ。太郎様も忙しいですから。」
竜 「太郎様は、冗談だってわかってますから。」
麒麟 「私は、空気読んだだけです!気遣いのできる聖獣ですから。ご案内するに決まってるじゃないですか!」
聖獣の雄は、人化する時に人族と同じ格好することになった。
見識さんデザインは、問題なのが知られたからね。
雌は、竜のミニスカチャイナドレスを参考にした姿になった。せめて、革のスーツを参考にしてよ!
話がそれたな。
根田 「揉めても仕方ないですよ。確認したら、蜂蜜の魔人が貪食蜂の蜂蜜も創れるし、それ使って、酒の魔人も蜂蜜酒創れるそうです。それに蜂蜜の魔人が、黒蜜蟻の蟲蜜も創れるそうです。何でも黒蜜蟻の蟲蜜は、貪食蜂の蜂蜜と同じ変換システムの為、出来るそうです。生息している人頭種を説明してもらっても良いですか?従魔にする魔物を選びますから。蜂蜜酒は、アイテムのテストしてから試飲してみましょう。それで良いですね?」
そういうと、皆了承して、人頭種の説明をしてくれた。
捕獲する種類を選択すると夜が明けた。
皆で魔族の祈りを受け取って、黒宮さんに後を頼んで顕現した。
魔王城の下見もあるからね。
魔王さん達と調整しないといけないからさ。
◇◆◇◆◇◆
根田 「魔族の皆さん、お早うございます。バタバタしている時に、訪れて申し訳ないです。」
ノイバラ 「お早うございます。根田様、お気遣いありがとうございます。我ら魔族は、いつでも大歓迎です!」
根田 「そう言っていただけると有難いです。今日、こちらに来たのは、新年のお祝いの会場の下見と打ち合わせなどを行いたいので、予定の調整をお願いに来たのです。」
ノイバラ 「我々から、ご連絡すべきなのに申し訳ありません。ご案内しますので、お待ちを。神官、根田様たちを魔王城に、ご案内してください!」
神官の案内で魔王城へ。
黒乃さんは、本来の姿から少女の姿になっている。麒麟は、何故か人化を解いて麒麟モードになってる。
馬じゃないけど、パカパカ足音がする。竜と違って四足歩行なので、一緒にいると気になる。派手だし。
麒麟 「根田様、背に乗りませんか?」
嫌だよ。タダでさえ目立つのに、お前に乗ったら余計目立つだろ!
根田 「遠慮しておきます。乗るの気が引けますよ。おっさんの私が聖獣に乗ったら、格好悪いのが目立ちますから。」
麒麟 「そのようなことはありません!そのように考える無礼者は成敗します!」
いいよ。遠慮するよ。それに物騒なこと言うなよ。
根田 「いやいや。遠慮しますよ。人頭種探しで頑張って貰いますから、そんなに張り切らなくて、良いです。」
麒麟 「根田様が治療して下さったので、元気いっぱいです!心配無用です。」
魔王城は、闇の大神殿の隣だが、両方とも敷地が広いので、キョロキョロしながら移動しているが、麒麟が気を使うので、見聞にならない!
勘弁してよ。
魔王城も神官と一緒なので、門番などに何も言われずに案内された。
俺を見て、門番が凄い緊張していたけど。
何でも魔王さんが、俺が聖地の責任者で、魔王より立場はずっと上の御方だから、失礼の無いようにって、魔族領に通達を出しているそうだ。
余計なことするなよ!地上の自然な状態を見聞する目的があるのに、そんな通達出されたら困るよ!
説明を聞きながら、応接室で待っていると魔王さんがやってきた。
魔王 「根田様、魔王城へお越しくださり、光栄至極でございます。」
魔王さんが、跪こうとするのを慌てて止める。
根田 「魔王様、畏まらないで下さい。他の者の目もありますから…。」
そう言って、魔王さんの従者を見ると跪いてるよ!
根田 「皆さん、畏まらないで下さい!困りますよ!」
従者 「恐れながら。根田様、我ら魔族は人族と違い、聖獣様を僕とする御方が、どのような存在であるか理解します。根田様に対して、無礼なことは出来ません。」
そうか。神族とばれるよな。魔族は人族の上位種だもんな。
それに麒麟が一緒だしね。
一応、誤魔化してみるかな。
根田 「畏まらなくて結構ですよ。神託で見聞していますが、聖獣は神が護衛として、僕にして下さったのです。私自身は、畏まられるような者では、ありません。」
神聖なイメージの演出で話してみたが、魔族には通用しなかった!
ジト目で見られたよ。
魔王 「根田様、誤魔化してもバレますよ。世界樹の森や人族と交流ができるように、一瞬で話を付けるなど、地上の者には無理ですから。」
従者 「神殿の神器もありますので、根田様が神族であるのは、魔王城の者なら知っています。」
極秘事項なのにバラしたの?
そう思って、魔王さんを見た。
魔王 「神器に関して、一般の者は知りません。聖光国での手続きで、重臣の者は知っております。」
なるほど。国交の手続きで知られるよな。
根田 「なるほど。情報統制は問題ありませんか?」
従者 「神殿に神器があることは、一部の者しか知りません。それに闇の大神殿に牙をむく魔族は、おりません。暗黒神様が居られることは、知られております。」
あ、黒宮さんが常駐してるのは、知られてるんだ。
根田 「そうなのですね。分かりました。転移の魔道具は、悪用しようとすれば使用できなくなりますので、くれぐれも注意してください。打ち合わせをしますので、席に着いてください。」
そう言って、予定を調整した。
日程に関して、他の大神殿へ連絡しておいたよ。
今回は俺が連絡した。俺の介入のせいだからね。
俺は、他の大神殿の者が来る前に魔王城へきて、料理を教えることになった。
各国の代表が来るので、安全対策は俺が行うよ。
これでも神だから安心して良いよ。俺以外に黒宮さんもいるしね。
不埒な者が、紛れ込まなければ良いけど。
コンサーイ帝国や獣国は、神殿のことを良く思っていないからね。逆恨みだけど。
獣人族は、今の状況が自分達が原因なのは、理解してるそうだが、コンサーイ帝国は、旅客船の事故を起こした船長の例もあるように、責任感が無くて、神殿を逆恨みしているそうだからね。
神殿の者だけ来ればいいが、国交の関係で、貴族か王族が一緒に来るだろうし。
俺を地上の者の問題に巻き込むなよ?巻き込んだら、流石に神罰を与えるぞ!
縁起神を怒らすなよ。疫病神・貧乏神モードになるからな!
最高神より力のある疫病神とか嫌だろう?
それは、置いておこう。こんなこと考えると俺の場合、振りになりそうだし。
俺はネタの神だからさ。
あ、魔王さんに、魔族領の人頭種捕獲するの許可いるか聞いたら、別に必要ないそうだ。
魔物は自由に獲っても構わないそう。沢山いるからって。
狩るなら手伝うとか言ったけど、今回は、アイテムのテストだからね。断ったよ。
神族として確認することがあるので、地上の者の同行は駄目だって説明してね。
聖都のダンジョンの件もあるから、特に文句も言われなかった。
何から確保するかなぁ。
人頭種捕獲まで入れると長くなるので、切りましたが、ギャグが無くてすみません。




