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第七十九話 畜産の指輪

ダンジョンの魔素、間引き完了です。

神族だけで魔素を間引いた時のダンジョンのドロップ品が、餅つきセットだったのは話したが、その他のドロップ品の説明をしよう。


・宝箱

・植物の種(初回出た物とごぼう)、タケノコ、ごぼう、のし板とのし棒10セット、オリーブの実、梅の実、酢リンゴの実(エンゲーイ固有植物で、無茶苦茶酸っぱい。)、酢葡萄の実(これも固有植物。緑色と葡萄色の二種類。とても酸っぱい。)、酸桃(これも固有植物。黄桃と白桃の二種類。食べるとクエン酸を口に含んだような酸っぱさ。)、酸ブルーベリー(固有植物。腹が立つほど酸っぱい。)、酢イチゴ(固有植物。見た目は、美味そうだが、詐欺と言いたくなる酸っぱさ。)、酢栗(栗は渋皮があるから、普通は渋いだろうと思うが、これはとても酸っぱい。酸っぱい臭いがするので普通の栗と見分けは付く。これも固有植物だ。)。


何故か、種とのし板、のし棒以外は、食材だった。何で酸っぱい実ばかり?

この世界の酸っぱい果物のこと考えて、”酢イーツ”と呼ぼうとか思ったのが、原因かなぁ。


・ダンジョンボスの宝箱

・養蜂の指輪と貪食蜂(どんしょくばち)の巣箱(女王蜂、雄蜂、働き蜂の群れ付き) 10セット(魔道具)

貪食蜂は、1級の魔物だ。大きさはオオスズメバチと同じで、毒針の毒は、神経毒で強力だ。刺された直後に解毒しないと死ぬ。他の魔物や生物を襲って捕食する。貪食と名は付いているが、ひと月に一つの群れが捕食するのは、カラーウサギ10匹程度だ。ただ、巣に近づくと集団で襲ってきて、食われるので、貪食の名がついている。実は地上の者は知らないが、魔石を与えれば、襲ってこない。魔石の魔力を吸収する。蝶が花の蜜を吸う感じでね。こいつらは、食べた物を蜂蜜に変換して巣に貯める性質がある。味は、百花蜂蜜のようで、コクがあり香り高く、後を引く美味さがある。くどさは全くない。一つの巣で月に1kgしか取れない蜂蜜で、貴重品だ。野生種は、世界樹の森と魔族領の山に生息する。巣を採取する場合には、渋ヨモギ(エンゲーイ固有植物で、無茶苦茶渋い。燃やすと煙が大量に発生する。)を乾燥させたものを焚いて、渋み成分たっぷりの煙で麻痺させて採取する。地上の者は、渋みで麻痺するのではなく、煙で窒息するのだと思っている。煙を避けて襲ってくる個体もいるので危険である。養蜂の指輪は、貪食蜂を従魔にするものだ。ただ、セットの巣箱の奴だけ可能で、野生種は従魔にできない。指輪をはめるとセットの巣箱の蜂が従魔になる。魔石を与えることで、蜂蜜が入手できる。肉でも大丈夫だが、魔石より効率がかなり悪い。指輪を装備すると蜂に与える物などが分かるようになっている。指輪はサイズ自動調整などの効果が付与されている。蜂は、巣箱の中で休眠状態になっており、蜂は指輪を装備した者がいない限り、活動しない安全設計だ。ただし、魔石を定期的に巣箱に与えないと休眠状態の蜂が死ぬので、取り扱い注意だ。巣箱には、魔石を乗せる所があり、魔石から魔力を吸収する仕組みだ。蜂が活動中は、自分達で捕食するので大丈夫だが、魔石を与えないと蜂蜜が得られない。肉を与えても良いが、食わない場合があるので、蜂蜜が欲しければ魔石を用意することだ。後は、目安として3級の魔物の魔石を20個分与えるとロイヤルゼリーを入手できる。年に500gしか取れないが。蜂蜜の場合は、3級の魔石10個分だ。魔石は質に、ばらつきがあるから、目安だけどね。精霊石を与えてもOKだ。精霊石は魔石より効率がずっといいけどね。巣箱に蛇口がついていて、そこから蜂蜜を入手する。ロイヤルゼリーの蛇口は別に付いている。巣箱は、扉を開けると中が見えるようになっていて、蜂蜜が貯まるのが見えるようになってる。ロイヤルゼリーもね。内側にクリスタル系の魔物の素材の箱がある感じだ。あ、蜜蝋は取れないよ。この辺は、野生種と違うところだな。精霊達に聞いたら、ロイヤルゼリーと蜂蜜の味は同じそうだが。あ、巣箱に蜂蜜とロイヤルゼリーが満タンに入ってたので、瓶に移したから味見したんだ。そうそう、従魔なので泥棒などは、返り討ちにするように指示も可能。魔物を襲うように指示も出来る。あ、分蜂もしないけど、野外活動中に倒された分は、巣箱で発生するので、それは、気にしなくても良い。それと、貪食蜂は、自身の毒は無効化できるからね。


・畜産の指輪 10個(魔道具)

養蜂の指輪に似ているが、野生の魔物を従魔にすることが可能。ただし、従魔にすることができる魔物は、馬、牛、山羊、羊、鳥で人頭種のみだ。だだし、動きを止めて一度触る必要がある。従魔にする数の制限はない。あ、従魔にした魔物は、比率調整対象から外れる。従魔にした数だけ、野生の魔物が増える。自身の魔力を従魔に定期的に与える必要がある。ランクの高い魔物程、与える魔力が多く必要だ。与える魔力が不足すると従魔に襲われる。魔石で代用も出来るが、魔物の機嫌が悪くなる。機嫌を直すには、性的に満足させる必要がある。難易度高いな。


・捕獲ロープ 10本(魔道具)

魔道具で、魔物に絡みつき動きを止める。ある程度大きさのある魔物にしか使えない。魔力消費の制限がある。魔石か使用者の魔力を使う。強力な魔物程、魔力消費は高い。自動修復機能付き。


・甘露樽 10個(魔道具)

この世界の酸っぱい果物を3日入れておくと酸味が無くなり甘くなる魔道具。梅、すだち、カボス、柚子とかレモンなんかは駄目みたい。地球の酸っぱい果物は駄目って事らしい。この世界には、酸夏って言う、地球の甘夏が酸っぱいのがあるけど、それなら使えるようだ。酸蜜柑って言う温州蜜柑の酸っぱい奴も使えるみたい。樽1個に付き、1回の処理可能個数10個までの制限がある。樽全部使っても1度に100個まで。樽に入れてる間は腐らない。葡萄とかは一房単位で十房まで。イチゴなどは、15cm四方の笊に平らに盛った物が、一単位だ。だから、一樽で笊十個まで。

これ微妙だけど、時間停止機能付きマジックバッグかダンジョンボスの宝箱の収納箱と組み合わせれば、かなり使えるよね?地上の者が気付けばだけど。


・黒蜜蟻の蟲蜜 100kg

地球のオーストラリアにいるミツツボアリみたいな蟻の魔物の蜜だ。1kgの瓶が100個。地球のは、花の蜜を貯めるが、黒蜜蟻は、貪食蜂同様食べた物を黒蜜に変換して、腹に溜め込む。

この魔物も世界樹の森の乾燥地帯(世界樹の森は、広くて、いろんな環境がある。)と魔族領の乾燥地帯に生息する。蟲蜜の味は、黒蜜に似ているが、濃厚でコクがあり、さっぱりとした後味だ。栄養価も高い。黒蜜蟻は1級の魔物だ。蟻塚を造る。アリクイの魔物が天敵で、アリクイの魔物が蟻塚を襲っているときに、貪食蜂同様に渋ヨモギを使って獲るしかない。蟻塚に近づくと一斉に襲ってきて食われるので危険だ。行動範囲が狭いので、近づかなければ危険はない。アリクイの魔物の毛皮は、蟻を寄せ付けない脂を分泌するので、天敵になっている。

蟲蜜が入手できるのは、稀で、貴重品だ。あ、貪欲蜂も黒蜜蟻も特殊な魔物で、1級なのに魔石が無い。

ばい菌も寄生生物もいない珍しい魔物だ。黒蜜蟻の外殻強度はそれほど無いが(腹の部分は簡単に潰れる)、噛みつく力が強力だ。大きさは3cmほどだが、集団で襲ってくるため危険だ。噛まれると蟻酸で麻痺する。黒蜜蟻の蟻酸の麻痺は、意識はある状態で、動けないだけなので、食われると悲惨だ。痛覚も麻痺しないし。


・もち米 10トン

最高品質で(もみ)の状態だ。水稲の短粒種。


・籾摺り機 10個(魔道具)

1回100kgで30分かかる。


・精米機 10個(魔道具)

精米歩合を選択できる。食用、酒造の両対応。1回100kgで30分は、籾摺り機と同じ。米ぬかが入手できるので、糠漬けやろうかな?ぬか床をいじった後の臭いを皆に嗅がせないとね!


宝箱は、収納箱が最初のと合わせて10個。


泥酔牛のドロップ品は、雌が多かったので、乳製品が多い。


・乳 最初のを含めて50本


・チーズ チーズは、いろんなのが出た。ただし、ウォッシュタイプは出ない。全部で20kgの塊が200個だ。蛆の湧いたやつも無いからね。如何物食いの俺もアレは食いたくない!蛆が跳ねるとか販売禁止になるようなのは、流石に食わないよ。


・ヨーグルト 30本(種類は、水の大神殿の奴と同じだ。)


・バター 50個(10kgの塊)


・生クリーム 50kg(1kgの容器入りが50個)


・肉 8個(枝肉)


・皮 3枚


・魔石 9個


・角 3個


泥酔牛のドロップ品は、数が毎回違う。

それは良いのだけど、ドロップ品をどうするか話し合いだ。



◇◆◇◆◇◆



根田 「ドロップ品どうしましょうか。食材以外別に要らないですけど。あ、魔石は蜂の餌にしますか?」


光華 「新年のお祝いで、お年玉として授けては?」


それでもいいかな。


黒乃 「廃棄しても良い。太郎様は責任を果たしてる。」


玉樹 「黒乃の言う通りですよ。太郎様は、優しいですから、光の大神殿の頼みを聞いて、お祝いの料理を調理しますが、本来は、そこまでする必要はありません。」


まあ、そうだけど。


根田 「それはそうですが、魔族や世界樹の森と交流を持つようにした責任もありますからね。冒険者ギルド対応もさせてますし。」


竜 「世界樹の森や魔族領での自由を保障させるのはどうですか?」


保障させなくても自由だけどね。世界樹の森は、玉樹さんの管理下で、魔族領は、黒宮さんと黒乃さんの管理下だし。


根田 「別に保障は無くても良いです。管理者が一緒ですから、自由は保障されてますよ。」


玉樹さんと黒乃さんが頷いている。


光華 「冒険者ギルドに泥酔牛の素材を売る時、同行させましょう。太郎様が攻略済みだと説明させます。神殿の者は、黙ってるつもりですが、素材を流通させないのも問題ですから。泥酔牛の素材は、ドラゴン並の価値になるでしょうけど。」


それはあるね。素材もそうだけど、現状だと冒険者ギルドの利益を奪う形だし。


根田 「そうですね。光華さんの言うように、素材は売却しましょう。ただ、冒険者ギルドに資金が無いのでは?」


黒乃 「皮と角を1個づつなら、買えるんじゃないの?」


そうなのかな?


根田 「参考までにドラゴンの素材って、どの程度の価値なのですか?」


玉樹 「内臓や眼球、血なども素材ですが、それらは薬の材料で、爪、牙、角、骨は、武器の材料です。どれも金貨300枚程度です。ドラゴンの種類にもよりますけど。皮が一番高いですね。アースドラゴンだと金貨500枚程度だったと思います。魔石は、大きいので金貨100枚ぐらいですよ。保存用の薬液を作るのに、薬草を集めていた者たちが、言ってましたから。その程度なら、聖都の冒険者ギルドで用意可能ですよ。」


うーむ。皮で日本円だと5千万程度か。まあ、その程度なら大丈夫か。聖都の貴族街とか結構な値段で取引されてるそうだしね。


根田 「冒険者ギルドが購入可能なのは、分かりましたが、市場で買う者がいますかね?」


竜 「泥酔牛の皮は大きいので、馬車のホロに使えば、魔物の攻撃も通じませんし、防具にしても良い素材ですからね。角も良い武器になりますし。商人や貴族なら購入できますから、売れますよ。」


そうなの?武器とか自分で創るから、どの程度で取引されてるか知らないんだよね。


光華 「角は、魔導士ギルドが購入しますよ。冒険者ギルドで鑑定すれば、価値は分かりますしね。市場でセリにかけても、5割増し程度なので売れますよ。元が高いので、それほど上がりません。皮も同じですよ。商人が購入して、防具をいくつか作って売れば、儲けも出ますし。」


まあ、金額的には、大丈夫か。


根田 「皮と角は、1個づつ売却します。残りは、魔族領と世界樹の森に授けましょう。今回巻き込んだ形ですから。聖光国と付き合うのに資金も必要でしょう。」


黒乃 「それが良いと思う。太郎様が売却後なら、素材を売却しても自分達でダンジョン攻略したと思われる。魔族もハイエルフも強力な種族だから、怪しまれない。」


皆頷いてる。じゃあ、そういう形にしよう。

問題は、”畜産の指輪”だ。


根田 「食材は食べますから良いですが、問題は、”畜産の指輪”です。人頭種の魔物って、どこにいるんですか?」


人頭種は、気色悪いんだよ。見たくないのに。人頭鹿は、見ると不愉快だし。美味いけどさ。


玉樹 「人族の活動域にもいますけど、大型で強力なのは、魔族領ですね。生息数も多いです。私の森にもいますが、数は少ないです。捕獲するなら、魔族領ですね。」


魔道具も試さないといけないから、魔王さんに言って捕獲してくるかな。気色悪いけどさ。

年明けまで、まだ期間あるしね。

麒麟にも手伝って貰うか。


根田 「魔道具の確認もありますので、ダンジョンの間引きが完了したことを伝えて、魔族領で捕獲しましょう。麒麟にも手伝って貰いましょうか。」


竜 「別に麒麟呼ばなくても大丈夫では?」


それはそうだけどさ。


根田 「魔族領にいるのに、呼ばないのも悪いですよ。竜より魔族領詳しいでしょ?」


竜 「それは、そうですが。」


黒乃 「気疲れしなければ良いけど。麒麟は、真面目だから。」


俺も馬鹿真面目だから、気持ちわかるんだよ。


根田 「それはそうですが、手伝わせないと余計気にしますよ。以前の自分もそうでしたから。自分は、いい性格(・・・・)になって、気にしなくなりましたけどね。」


やれやれのポーズだ。


光華 「太郎様は、真面目ですからね。」


光華さんの言葉に、皆頷きながら笑ってる。


根田 「まあ、魔王城を下見するのもありますからね。色々やることはありますよ。順番に片付けましょう!」


皆も了承したので、地上の者に説明して、魔族領に行くとしよう。

何処の世界も年末年始は忙しい。

神界はどうなのかな?余裕があるといいんだけどね。

それは後回しにして、先にやるべきことをしよう。


このダンジョンのドロップ品は、変わっています。

根田さんが管理権限持ってますから。

尚、この世界のダンジョンは魔素の濃い場所に発生しますが、これは、魔素循環の関係で魔素の吹き溜まりが発生する為です。精霊や神族が魔素の調整はしますが、調整していると魔素が活性化するので、どうしても魔素の濃度の偏りができる設定にしています。

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