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第七十二話 ブレスです!

ダンジョンボスが出てきます。

夜が明けたので、皆を起こして朝飯だ。

皆を起こそう。


根田 「お早うございます。皆さん、起きてください。朝食にしましょう。」


見習い達 「根田様、お早うございます。」


ソコトラ 「根田様、お早うございます。」


朝食後に探索開始だ。

風魔法で確認したら、この下の階層で終わりのようだな。

話がそれたが、22階層を探索しよう。


根田 「今日も張り切って、行きましょう!」


光華 「太郎様、元気ですね。」


黒乃 「徹夜してるから、ハイテンション?」


玉樹 「21階層にいた魔物、酷かったですもんね。」


竜 「ごまかしても酷い魔物生み出したのは、太郎様ですよ。」


うっ。そんなに責めるなよ。

俺だってあの魔物いやだよ。

存在したら嫌な魔物を考えただけなのに、まさか具現化されると思わなかったんだよ。

魔物生み出す為に、創生の力使ってないし。


根田 「そんなに責めないで下さいよ。わざと生み出したわけじゃないですから。神器を確認した時の事故じゃないですか。それに、出てきた食材は、美味しいキノコですよ。毒キノコじゃないので、勘弁してくださいよ。ダンジョンから出たら調理しますから。」


そう言うと皆笑ってる。

気を取り直して、探索だ。


根田 「私の妄想したものが具現化しているなら、この階層は、野菜とか豆、それに砂糖がドロップされると思います。」


そう言うと皆が驚いている。


光華 「砂糖がドロップされるのですか?」


運が良ければね。


根田 「運が良ければ、出ると思います。」


黒乃 「太郎様が一緒だから、必ず出るでしょ?」


たぶんね。


根田 「魔物次第ですけどね。」


玉樹 「どんな魔物を考えたのですか?」


根田 「砂糖をドロップするのは、甜菜(てんさい)、分かりやすく言うと砂糖ダイコンの魔物とサトウキビの魔物です。」


竜 「甜菜とサトウキビをドロップするのではないのですか?」


根田 「それもドロップします。後は種です。種の場合は、蒔いたら収穫するだけです。種を採取して、翌年使うことは出来ません。ただし、私が妄想した性質を持っているなら、ダンジョン産の種は、虫、獣、魔物などは寄ってこない性質になっています。人族や魔族などには害は無いですが、魔物などが嫌う臭いが出るのと渋みや苦み、酸味を植物の表面に分泌する性質を持っていると思います。これは収穫して一日経つと消える性質になっているというのを考えましたので、魔物が具現化したなら、ドロップ品も具現化すると思います。あ、泥棒は防げないですよ。」


そう言うと見習い達が驚いている。


ソコトラ 「根田様、それは本当ですか?」


妄想が具現化していたらね。


根田 「私が妄想した魔物が具現化していたら、そうなります。21階層のキノコの魔物は、考えた特性とドロップ品が一致しましたので。まあ、魔物を確認してからですね。」


そう言って、22階層でも罠を破壊して、探索した。

いろいろ魔物出たけど、皆が期待した甜菜出たよ。5体出た。


根田 「出ましたね。他のと同じです。植物の魔物で、魔石と核がありません。水分が多いので、火魔法は、効きにくいです。目を光魔法で射抜けば倒せます。他に当ててもダメージになりません。2級の魔物です。」


この階で出てくるのは、魔植物(着ぐるみ種)だ。着ぐるみ野菜の真ん中に目、鼻、口がついてる。それに手足が生えている。滑稽な見た目だ。


根田 「他のと同じで、葉を飛ばしてきます。これは刃物のように鋭い切れ味を持ってますので、気を付けてください。後はタックルしてきます。受けると骨折しますので、避けてください。」


結界を張って、観察後、サクッと倒す。

ドロップ品は、種、甜菜、甜菜糖が出た。種は50個ある。この甜菜は、地球のと違って桜島大根と同じぐらいの大きさだ。30kgある。直径50cmで、汁を絞って煮詰めると甜菜糖が20kg出来る。5個出た。甜菜糖は100kgで皮袋に入ってる。


根田 「甜菜を触って下さい。汁が出てるので、舐めてみてください。臭いは人族には分かりません。」


そう言って、甜菜の表面の汁を舐めて貰う。俺も確認する。


根田 「私が妄想した通りです。渋いし、苦くて酸っぱい。魔物には必ず臭いが分かる性質になっています。獣人族や魔族で嗅覚が優れている種族は、判別できますが、鼻にツンとくる酢の臭いがします。臭いに害はありません。鑑定しましたので、問題無いのは保証します。」


そう言うと、見習い達が臭いを嗅いで首をかしげている。味は、分かったみたいで吐き出してる。

まあ、人族の臭覚だと判別できないから。俺は、特性の体だから分かるけど。

こんなの分かるより性欲ある方が、嬉しいけどさ。

そう思ったら、エレー様から神託来た。


エレー 『根田さん、我慢して下さいよ。力を抑えている今の状態でも影響出たじゃないですか。』


エレー様、すみません。我慢しますからせめて、精霊達が”いかがわしい場所の見聞駄目”って言うの何とかしてください。

そう伝えたら、エレー様が『ハハッ。』って笑って、通信切れた。

笑ってごまかしたな。まあ、良いけど。あ、そうだ。


根田 「ああ、言い忘れてました。サトウキビと甜菜だけは、魔素の濃い場所。聖都や属性の大神殿のような精霊石が産出する場所で無いと大きくなりません。他の場所だと育ちますが、1kg程度になりますよ。まあ、この辺は、トチバさん達に確認してもらうのが良いと思います。」


説明したら、皆頷いている。

他に出てきた奴は、こんな感じだ。


ナス(2級) 普通のナス。水茄子とか丸ナスじゃない。トゲのヘタを飛ばしてくる。後は体当たり。


ピーマン(2級) 緑色の奴。種を飛ばしてくる。避けるのは難しい。障壁が必須だ。


赤ピーマン(2級)・黄ピーマン(2級) ピーマンと同じ。色違い。


赤トウガラシ(2級)・青トウガラシ(2級) ピーマンと同じ攻撃とトウガラシの粉を飛ばしてくる。肌に付くと腫れ上がる。障壁が必須。


キュウリ(2級) 棘の生えたこん棒状のキュウリを振り回す。強度は鉄と同じだ。鬼の金棒みたい。


栗南瓜(2級) 西洋南瓜の皮が濃い緑色の奴。体当たりだ。固いので防御力が高い。


バターナッツ(2級) 瓢箪みたいな形の南瓜だ。ポタージュとかに向いてる。こいつも体当たり。


落花生(2級) こいつは突撃と自爆する。自爆に巻き込まれると死ぬ。防御手段必須。


スイカ(2級) 中は赤い。機関銃のように種を飛ばす。貫通力があるので危険。とっても甘い。


メロン(2級) ネットメロンだ。中身はオレンジ色。スイカと同じ攻撃。すごく甘い。


コーン(2級) トウモロコシだ。実を飛ばしてくるのだが、それが爆発する。ドロップ品は普通のトウモロコシとポップコーン用の両方。


白コーン(2級)・黒コーン(2級) コーンと同じ。ポップコーン用はドロップしない。


白菜(2級) 葉を飛ばしてくる。切れ味抜群。


サトウキビ(2級) 葉を飛ばすのと手に持った茎を振り回す。上白糖、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖、サトウキビをドロップする。ドロップ品のサトウキビの茎を種として使うと、寒冷地でも育つ性質がある。あ、サトウキビを絞っても精製糖が出てくるわけでは無いよ。


宝箱も出た。入っていたのは、魔法の弓だ。弦を引くと魔法の矢が具現化する。4つ出て、属性を持っている。土属性はオリハルコン製のドリル状矢じりで貫通力抜群。鑑定したら、魔弓”穿孔”って言う弓。この世界のオリハルコンは、とても固い金属だ。緑色の光を放つ。水属性は、当たった敵が凍りつく。魔弓”凍結”。風属性は、雷の矢だ。魔弓”稲妻”。火属性は、当たると爆発する矢だ。魔弓”炸裂”。

弓なので弦を引く必要はあるが、連射可能だ。ブレスレットになる魔道具でもある。地上の者でも、この弓使えば、このダンジョンの魔物何とかなると思う。あ、そう言えば、ミスリルの説明していなかった。この世界のミスリルは、軽くて強靭な金属だ。刃物を作ると手入れしなくても切れ味が変わらない。加工するのに魔力が必要になるけどね。まあ、ファンタジー金属は、加工に魔力が必要なのは、共通だけど。それに希少性があるので、価値が高い。ミスリルは、他のファンタジー金属よりは、産出する。青白い光を放つ。ファンタジー金属の放つ光は、淡い光だ。後は、ドワーフの鍛冶職人は、魔法が苦手だから、加工用の火の魔道具(火の精霊石を使用する奴だ。これで魔力が必要な加工を行う。)を使用して武器とか鎧などを作ってるよ。

話がそれたな。甜菜とサトウキビは、それぞれ1回しか遭遇しなかったけど、こいつらだけは倒すと1日経たないと出現しないみたいだ。しかも出現するのは、本来月に10回程度になってる。しかも出現数も本来は1匹だ。倒されなければ動き回っているけど。これも皆に説明してある。今は、俺の発生させた魔素のせいで、1日経てば出現するようだけどね。ダンジョンから情報読み取ったら、そうなってた。それは置いておくとして、ボス部屋までやってきたぞ。


根田 「この階全部回りましたけど、出てきたのは聖都では見なかった植物ですね。世界樹に聞けば、地上にある植物か分かりますが、私の立場上、皆さんに教えるわけにはいかないんですよ。自分達で発見しないといけない植物だったりするので。取り合えず階層ボスを倒しましょう。」


そう言って、部屋へ入った。あ、神殿の者は、俺の立場が分かるので、世界樹に確認してくれとか無茶は言わない。

この階のボスも1級だ。皆の視線が痛い。


根田 「ここにいるのは全部1級です。色々厄介ですよ。」


キノコ(1級)は体が人だったが、ここにいるのは、頭が人で体が植物だ。しかも頭が胴体の腹部についている。禿げ頭で顔は、にやけたおっさんだ。顔は、タイヤメーカーでタイヤの中に顔があるイラストを使ってるのがあるが、アレにそっくりだ。手足は人のが生えてる。何故か毛深い。

見ていて気色悪い。


光華 「太郎様、こいつらは何ですか?」


光華さん、女性が”こいつら”とか言って良いのか?

突っ込まないけどさ。


根田 「こいつらは、ニヤケ種です。頭が腹部に付いていて気持ち悪いですね。ニヤケと付いてますが、媚は売りません。笑ってる顔で油断させるのです。」


黒乃 「他の魔物同様に、植物部分は攻撃が効かないの?」


根田 「そんなことは無いですよ。ただ、植物部分は防御力が高いので、弱点の頭を攻撃する方が良いです。」


玉樹 「キノコより多く出ましたね。」


そうだね。


根田 「まあ、下の階層ですから、増えたのでしょう。」


竜 「植物の種類は、色々ですが、頭が弱点なのは共通ですか?」


そうだよ。


根田 「そうですよ。攻撃パターンを見てから倒しましょう。」


結界を張って、観察してから倒した。

出てきたのは、こんなのだ。


サトイモ(1級) 葉っぱを飛ばすのと芋を投げてくる。芋に当たると猛烈にかぶれる。


ヤマイモ(1級) ムカゴを飛ばしてくる。これ当たると爆発する。芋をこん棒の代わりに振り回す。芋がすね毛の生えたおっさんの足そっくりで嫌だ。


蕎麦(1級) 鼻から殻を飛ばしてくる。棘状になっていて、危険だ。鼻水が糸引いてる。汚いな。粉を撒いて視覚を奪って攻撃してくる。


胡麻(1級) 油を撒いて滑らせようとする。種の入っている実を飛ばしてくる。こいつも鼻からだ。緑色の鼻水垂らしてる。勘弁してくれ。実がはじけて種が飛んでくる。散弾銃みたいな感じだ。


菜種(1級) ゴマと同じ攻撃してくる。


タカナ(1級) 葉を飛ばしてくる。切れ味抜群。


カブ(1級) 葉を飛ばすのと葉を持ってカブを振り回す。ハンマー投げみたいにカブを投げてくる。ボーリングの玉ぐらいの大きさで強度は、鉄と同じなので、危険だ。


小豆(1級) 鼻から豆を飛ばしてくる。機関銃のように飛ばしてくるので厄介だ。鼻水も一緒に飛んでくる。ふざけんな!汚い。貫通力がある。


サクッと頭を吹き飛ばして倒した。鼻から種飛ばす攻撃された時、皆に白い目で見られたよ。

だから、存在したら嫌な魔物なんだよ!説明したでしょ!

それは置いておくとして、そう言えば、武器で創った鍋使ってないな。まあ、いいか。

あ、宝箱出た。


根田 「宝箱が出ましたね。鑑定します。開けると正面に火炎弾が飛んできます。1個だけですね。誰か開けてみますか?」


聞いてみたけど、俺に開けてくれと言う。

良いけど、開けたく無いのかな?

宝箱を開けたけど火炎弾は水障壁で消された。

中身を確認しよう。


根田 「中身は、種ですね。これは他のと違って、普通の種で採取すれば翌年も使えますね。虫、獣、魔物が避ける性質はありません。紫蘇(赤・緑)、サトイモ、胡麻(黒・白・金)、菜種、高菜、からし菜、トウモロコシ(普通の黄色の奴とポップコーン用)、栗南瓜、黒大豆、赤トウガラシが入ってます。良いと思いますよ。料理の幅が広がります。」


そう言うと皆嬉しそうだ。

23階層は1部屋しか無いのは、探査して確認してるから、ダンジョンボスしかいないと思う。

1体しか気配も無い。かなりデカいけど。

ダンジョンボス倒してから、昼飯で良いだろう。

そう言えば、この世界の梅干しは、赤紫蘇無かったので赤くないんだよな。出てきた植物は、聖都で見かけなかった奴だから、人族に知られていない植物かもね。俺も玉樹さんに確認してないし。あ、高菜は確認したか。今回色々種が出たけど、トウガラシとからし菜、黒大豆は、良かったと思う。辛さのある物は、味に幅も出るし、砂糖も入手したからね。玉樹さんが言ってたが、普通の大豆はあるけど黒大豆は創っていないそうだからね。

まあ、それは良いや。ダンジョンボスを先に倒そう。


根田 「風魔法で確認しましたが、次が最終階層です。ダンジョンボスがいるようです。倒してから昼食にしましょう。」


そう言って、23階へ降りていく。



◇◆◇◆◇◆



23階層へ降りていたら、ブモーって鳴き声がする。

牛かな?だとするとあれが具現化したか。

また、皆に嫌~な顔されるな。

まあ、仕方がない。鍋使うのとアレ試そうかな。


根田 「かなり大型のがいます。魔物に対して、有効かもしれない攻撃をしてみます。攻撃されても障壁があるので問題無いですから、安心してください。私の障壁は、破れません。」


そう言って、部屋へ入った。

いたのは、牛の魔物だ。角は水牛みたいだが、茶色の牛だ。

しかも筋骨隆々で無茶苦茶マッチョだ。15mぐらいの大きさがある。大型のバスみたいだな。

そう言えば、地球にもマッチョな牛がいたな。ベルギアン・ブルー(Belgian Blue)とか言うやつ。

部屋はかなり広くて、草が生えている。このデカブツが動き回るのに十分な広さだ。

しかし、神力ってのは、でたらめな力なんだな。ありえないような物が簡単に生み出されやがる。まあ、生み出したのは自分のミスだけどね。


根田 「皆さん、気を付けてください、こいつは”泥酔牛”と言います。巨体ですが、素早いです。角で突き刺して放り投げる攻撃と体当たり、踏みつぶす攻撃をしてきます。ブレスも吐きます。弱点は、眉間、目、鼻、肛門です。今回は雄牛なので、睾丸も弱点です。生えている草を食べる前に倒した方が良いです。食べるとブレス吐きますよ。ブレス吐く前に体が赤くなるので分かります。」


光華 「太郎様、草を食べなければブレス吐かないんですか?」


まあね。


根田 「そうです。ブレスは強力な酸なので危険です。」


黒乃 「人族にこんなの倒せるの?」


根田 「強さは、ドラゴンと同等です。こいつの皮は、物理攻撃・魔法攻撃・状態異常攻撃などに高い耐性があります。こいつの皮でブーツを創れば、このダンジョンの毒床程度の毒は、無効化します。マントとか手袋、革鎧に使えば、良い物ができますよ。私の創った装備は、魔道具なので、こいつの皮より強力ですが、魔力供給と言う制限があります。耐用期限の5年程度は、魔力を補給しなくても大丈夫なようにしてますけどね。泥酔牛は防御力が高いので、弱点を狙う必要があります。」


玉樹 「ここに生えている草も新種ですね。見たことありません。」


そうだよ。まさか、この草まで具現化するとはな。


根田 「そうです。これも私が考えた草です。とっくり草って言います。魔物が食べると猫にマタタビを与えた時と同じように、興奮状態になります。人族や魔族が食べても興奮状態にはなりませんが、この草を煎じた物は、状態異常を治す薬になります。他の薬草と違って栽培も出来ますが、魔物が寄ってくる可能性があります。栽培するなら工夫が必要でしょう。」


そう言うと皆が驚いている。

とっくり草は、酒徳利(信楽焼の狸が持ってるやつ)そっくりなのが、真ん中にあるキャベツみたいな草だ。大きさはタンポポ程度だけど。


竜 「太郎様、強さはドラゴンと同等ということですが、ドラゴンは種類で強さが変わりますけど、何と同じぐらいですか?」


根田 「アースドラゴンと同等です。」


この世界のドラゴンでは、アースドラゴンは弱い部類だ。この世界には亜竜というのもいるが、それはドラゴンより大分弱い。ワイバーンなどがそうだ。

単体だとワイバーンとかは、それほど脅威では無いけどドラゴンと違って群れで行動するので、厄介だ。ドラゴンは基本的に単独行動だ。

アースドラゴンは、巫女さんや大神官クラスが10人いれば倒せる強さだ。まあ、個体差はあるけどね。

今回ダンジョンで出た魔弓を使えば、見習いと師匠さんでも何とか倒せるよ。無傷は保証できないけどね。

話がそれたけど、攻撃パターンを見せたら、さっさと倒そう。


根田 「障壁で守りますので、攻撃パターンを見てください。」


泥酔牛が前足で土を蹴っている。角で突いてくるな。突っ込んできたので、横に避ける。皆が分かる速さで動くので、面倒だ。

今度は、走ってきたと思ったら、立ち上がった。踏み潰す攻撃だな。向かってきた時に魔法で眉間を打ち抜けば、楽に倒せるね。これも横に避ける。

攻撃を避けられて、怒ってるな。あ、草食い始めた。やれやれだ。


根田 「こいつは突っ込んでくるので、その時に弱点を撃てば倒せますよ。草食ってるので、ブレスが来ますね。注意しておきます。こいつのブレスは、臭くて汚いです!」


泥酔牛の体が赤くなった。筋肉が膨張している。ブレスが来る。

汚いので、後ろに回り込む。こいつのブレスを避けるには、これが一番だ。


泥酔牛 『ブゲェーーーーーーーーーッ。』


嫌な音と共に消防ホースからの放水のような大量のブレス(ゲロ)が発射される。

ビチャビチャビチャッと撒き散らされる汚物は、強烈な臭気と強力な酸で周囲を汚染する。

30秒程度放出されたが、泥酔牛の動きが止まっている。

さっさと倒そう。攻撃パターンも見せたし、臭いからね。


根田 「攻撃パターン大丈夫ですね?倒しますから。」


そう言って、陶器の瓶に入ったセンブリの煮出し汁を泥酔牛の顔に投げつける。

眉間に当たって、センブリ汁が顔面中にかかった。


泥酔牛 「ブモォォォオオオオオオッッ。」


泥酔牛は、のたうち回っている。この攻撃効くんだな。

地球でもセンブリは、とても苦いお茶として有名だが、この世界のセンブリは、3倍ぐらい苦くて渋い。

これなら、お酢投げても効きそうだね。

攻撃用広東鍋を取り出して、牛の頭に振り下ろす。

グチャッと音がして、頭が粉々に潰れた。原形無いわ。一撃で倒せる程度の力でもこんな風になるんだな。

食材獲る時は、魔法のが良いね。


根田 「倒しました。皆さんは、普通に弱点攻撃してください。私の攻撃は悪い例です。」


そう言って皆を見ると複雑な表情をしている。

臭いし汚いので部屋全体を浄化しよう。

浄化していたら、泥酔牛が色々ドロップした。皮と肉と魔石か。全部デカいな。肉は枝肉だ。内臓は無いけど食いでがありそうだ。見ていたら、肉は圧縮の魔法が付与されて、大きさは30cm四方の塊になった。しかも経木に包まれてるよ。劣化防止の魔法も付与されてるけど、経木を取ると元の大きさに戻って魔法効果は無くなる。芸が細かいな。肉がドロップされたら、こういう形なら有難いと俺が思った形状だよ。こんなところまで、妄想が反映されるとはな。

おっ、宝箱が出たぞ。


根田 「ドロップ品を回収します。宝箱が出ましたね。」


ドロップ品を回収してると文句が出た。


光華 「太郎様、泥酔牛の攻撃はブレスですか?」


片眉を上げて機嫌悪そうに聞いてきた。


根田 「ブレスですよ。かかったところ酸で溶けたでしょ!」


黒乃 「とっくり草食べたら出した。あれは、ブレスじゃない!」


ブレスだよ!ゲロと言う名のブレスだよ!生み出した俺が言うのだから、ブレスなの!


根田 「私が生み出した魔物ですから、私がブレスと言えばブレスなんです!」


玉樹 「それは無茶ですよ。どう見てもアレは、ゲロですよ。太郎様。」


竜 「太郎様、ゲロをブレスと言うのは駄目です!ブレスを吐ける竜種として抗議します!」


くっ。竜の奴、そんな風に言われたら、ブレスと言い張れないだろう!わかったよ。


根田 「わかりました。”泥酔牛”の名で分かるように、アレはゲロの噴射です!これで良いんでしょう?」


そう言うと皆笑ってる。

仕方ないだろう!俺は、酔っ払い嫌いなんだよ!そのイメージの魔物なんだよ、アレは。

それは良いから、宝箱確認しよう。


根田 「取り合えず、宝箱を確認しましょう。鑑定しますね。罠はありません。”ダンジョンボスの宝箱”ってなってますね。稀にしか出ないってなってますよ。」


そう言って、中身を確認する。

盾が入ってる。大きさは直径30cmぐらい。これマジックアイテムだ。


根田 「これ指輪になります。マジックアイテムですよ。この盾の後方半径5mに結界を張ります。アースドラゴンのブレスなら、10発程度耐えますね。自動修復機能があるので、完全破壊されなければ治ります。結界を張っても結界内からの攻撃は、通りますね。今回入手したアイテムと使えば、このダンジョンは、人族でも攻略できると思います。ん?この宝箱もマジックアイテムですね。他の宝箱と違って、四角い箱だったので変だと思いましたが、これ食べ物を凍らせるか冷やすかできますね。異世界で言う冷蔵冷凍庫です。冷凍と冷蔵は切り替えですけど。箱の中に起動・停止の魔法陣と冷蔵・冷凍を切り替える魔法陣があります。」


盾を出しても消えないから変だと思ったら、宝箱もドロップ品だ。

この世界では、食べ物を冷やして保存するとかはしない。雪深い場所で、冬場に凍らせる所はあるみたいだけど一般的じゃない。後は、海に面した国で魚を氷で冷やす程度だ。まあ、南方では水魔法の使い手が少なくて冷やしていないようだけどね。氷を作る魔道具はあるけど、魔道具は高価だからね。


ソコトラ 「根田様、食べ物を冷やす意味はあるのですか?」


根田 「ありますよ。冷やすと劣化しにくくなります。凍らせるとかなり鮮度を保てます。溶かすのにコツはいりますけど。海に面した国で魚を氷で冷やすのはしています。取り合えず地上に戻りますか?」


ソコトラ 「そうなのですね。研究職に調べてもらう方が良さそうです。根田様、少しお待ちを。とっくり草を採取しますので。」


そう言うことなら、入れ物とスコップを出してあげよう。入れ物は麻袋で、スコップは苗を植え替える小さい奴。


根田 「これをどうぞ。私が持っていきますよ。私が持っていれば、魔物には分からないですから。」


そう言って、とっくり草の採取をした。泥酔牛に投げた瓶を聞かれたので、センブリの煮出し汁だって教えた。

教えたら驚いていたよ。魔物は苦みとか嫌いだから、試したって説明した。

納得していたけど、今までそう言う発想は無かったそうだ。研究職とカラーウサギみたいな弱い魔物で色々試すってさ。

魔法があるから、発想力が低いのかな?魔法はイメージで効果を与えるから、イメージ力はあるんだけどね。

とっくり草も採取したので、地上へ帰ろう。ダンジョンボスは倒すと一週間程度復活しないみたいだけど、ゲロ撒かれた場所にいるのはねぇ。

宝箱があった後ろに、地上へ帰還するための魔法陣があったから、それで帰るとしよう。

暫くダンジョンの様子を見る必要あるな。まだ、魔素が濃いからダンジョンボスもすぐ復活するかもしれない。

取り合えず地上に戻って、昼飯だ。


根田 「地上に戻りましょう。キノコと野菜を調理しますよ。泥酔牛は夕食で試食しましょう。」


そう言って、地上に戻った。

冒険者ギルドの出張所はあるけど、地下一階の行き止まりに転移したので、ダンジョンから出ても何も言われなかった。

行き止まりで他の者に会わなかったしね。冒険者も行き止まり知ってるから、来ないみたい。

これなら、冒険者ギルドに渡す情報も最低限で良いね。

まだ、このダンジョンは危険だから。

そんなことを考えつつ、騎士団の駐在所へ向かった。

昼飯何作るかなぁ。

アイテム色々です。

お酒は嗜むもので、泥酔するのは粋じゃないです。

作者は消化器の大病したので、飲酒はしませんけどね。

レアアイテムを大量ゲットしてますが、根田さんは縁起神で福の神ですから、仕方ありません。

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