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第四十一話 土下座とレア

根田さんは真面目なので、”エクストリーム・謝罪”ではなく、きちんと謝ります。

”エクストリーム・謝罪”は、アンサイクロペディアを参照してください。

収穫祭2日目の準備も終わったので、官舎に戻ってきた。

竜と精霊が大人しく待っていた。


根田 「皆さん、お疲れさまでした。自分の我儘に付き合ってくれてありがとうございます。あと二日手伝いをお願いします。昨日は感情的になり、すみませんでした。」


申し訳ないので、日本の伝統”土下座”を披露して謝罪した。

竜と精霊が大慌てだ。


光華 「太郎様、土下座は止めてください!困ります!我々、精霊が悪いのですから、怒られて当然なのです。」


黒乃 「太郎様、土下座は駄目です!我々にそのようなことをしては駄目です!やめてください!」


玉樹 「太郎様は悪くありません!土下座止めてください!お願いです!」


美土 「太郎様お止めください!悪いのは我々です!」


恵水 「お願いです!太郎様顔をあげてください!」


千風 「太郎様がそんなことしてはいけません!お止めください!」


火佳 「太郎様が頭を下げる理由は無いのです!お止めください!」


光の上位精霊 「駄目です!駄目です!太郎様!止めてください!」


竜 「た、太郎様、我々にそのようなことは困ります!すぐ止めてください!」


竜と精霊が自分の周りに集まって、止めさせようとする。

結果として暴力的な行為をしたのだから、頭を下げるぐらい何でもない。


根田 「皆さんが許してくれるまで、頭を上げるわけにはいきません。」


光華 「太郎様は何も悪くないのです!許すも何もありません!」


黒乃 「太郎様、お願いです!土下座を止めてください!」


玉樹 「世界樹の森のことを気にされてるなら、何も問題ありません!すべて蘇り、以前より活性化しています!土下座を止めてください!」


属性の大精霊達 「許しますから!気にしてませんから!太郎様、土下座を止めてください!お願いです!」


光の上位精霊 「私も許します!太郎様は悪くありませんが、許します!だから土下座を止めてください!お願いです!」


竜 「太郎様は、何も悪くないです!自分が協力するのは当然です!土下座を止めてください!」


竜と精霊一同 「許しますから!土下座止めてください!お願いします!」


顔を上げると皆が困った顔で泣いている。

参ったな。

泣かれると思わなかった。


根田 「皆さん、私のような悪神で疫病神を許してくれるんですか?」


光華 「太郎様は、悪神じゃありません!」


黒乃 「疫病神でもありません!」


玉樹 「太郎様は優しくて、真面目な縁起神です!」


属性の大精霊達 「太郎様は、笑顔を作る偉大な縁起神”ネタの神様”です!」


光の上位精霊 「ご自分を悪神や疫病神などと言わないでください!お願いです!」


竜 「太郎様がどれほど笑顔を作ったと思うのです?太郎様のおかげで地上は、笑顔と慈愛に溢れています!ご自分のことを卑下しないでください!偉大なる神よ!」


皆、泣きながら怒っている。

そんなに評価されるような人格者では無いと思うけどなぁ。

皆優しいな。

そういえば、竜の奴、根田様じゃなくて、太郎様って呼んでるな。

別にどっちで呼んでも良いけど。


根田 「皆さん、自分は”エンゲーイ”に存在しても良いですか?一緒に仕事して良いですか?」


光華 「当たり前です!」


黒乃 「太郎様が居なくなるのは困ります!」


玉樹 「ずっと居てください!」


属性の大精霊達 「我々は、太郎様の僕です!居てくれないと困ります!」


光の上位精霊 「当たり前のことを言わないでください!怒りますよ!」


竜 「太郎様が高天原に行こうとしたら、抱き着いて止めます!」


竜よ、高天原には行かないから安心しろ!

八百万の神々のメンツは潰せないからな!

止め方おかしいぞ?

お前雄だろ?違うの?男に抱き着かれたくない。


根田 「皆さん、すみませんでした。お詫びに甘いものでも出します。」


そう言って、立ち上がり、皆でお茶にした。

今日は、和菓子じゃなくてアップルパイにした。

お茶もアップルティーだ。

竜は肉のが良いかな?


根田 「竜は、甘いもの大丈夫?ミートパイでも出そうか?」


竜 「大丈夫です!というより、甘いもの大好きです!」


よくわからないけど、本人が大好きって言うのだから、大丈夫なんだろう。

竜の姿は目立つから人化して貰おう。

ピカピカして眩しいし。


根田 「皆さんも大丈夫ですか?今まで和菓子でしたけど問題無いですか?」


精霊 「とっても美味しいです!」


精霊達は本来の姿になってるから、綺麗だけど顔が濃いから、ちょっと怖いんだよね。

光の上位精霊は18歳ぐらいの女の子の姿だけどさ。

そんなことを考えて忘れる所だった。竜に人化して貰わないと。


根田 「竜さ、人化して貰える?聖獣がいると目立つからさ。人が訪ねて来たりすると面倒だから。ごめんね。」


竜 「謝る必要ありません。自分も見に来られるの騒がしいですから。人化します。」


竜が人化した。

えっ、こんな姿なの?

俺とは違う意味で目立つな。

金ぴかなの変わらないし、しかもお前、それは無いだろう!


根田 「竜さ、お前、雄じゃなかったの?」


竜 「何言ってるんですか?花も恥じらう乙女ですよ!見ればわかるでしょ?太郎様、自分のこと雄だと思ったんですか?」


いやいや、魔物とか存在しない世界から来たんだよ?

竜とか見るの初めてだし、判別方法わからんよ。

ひよこだって性別判別するの専門職だぞ!

無茶言うな!

性別以外もすごいだろう?

その格好は。


根田 「俺のいた世界には、魔物とか精霊とか妖精みたいなのは、いなくて、想像上の存在なんだよ。竜、話すとき”自分”って言ってるから、雄だと思ったんだよ。ごめんね。だけどその恰好は目立つね。」


竜の格好はすごいよ。

何と言うか、金ぴかの衣装だよ。

『これから手品シマース!』とか言いそうだよ。

金ぴかレオタードの上に金ぴかの燕尾服の上着って感じだ。

デカいトランプ出しても違和感ない。

見た目は16歳ぐらいの美女だ。巨乳の。

獣人族の話の時、玉樹さんがエッチなバニーガール姿とか言ってた理由分かった。


竜 「そうなんですね。じゃあ、私って言うようにします。格好変ですか?鱗を変化したものですから色は変えられないですよ?」


根田 「そうなんだ。光華さん、光魔法で色合い変えられますよね?金ぴかだと綺麗ですけど眩しいんです。」


光華 「出来ますよ。何色が良いですか?」


黒乃 「光属性だから白は?」


白か、そうだな。

あ、精霊達は少女の姿になってる。

大人の女性に囲まれるの怖いって言ったら、変えてくれた。

笑われたけど。

だって顔濃いからさ。


根田 「そうですね。白でお願いします。でも格好自体も変えませんか?何か奇術師みたいですよ。今は収穫祭ですし、その姿で外出はちょっと。」


玉樹 「大丈夫ですよ。外出時はドラゴンモードになって貰えば良いですし。」


まあ、それでも良いけど目立つなぁ。

本人に聞いてみよう。


根田 「竜さ、それで良い?聖獣は見ると縁起が良いらしいから、注目されるけど。」


竜 「別にいいですよ。減るもんじゃないですし。お触りは駄目ですけど。あ、皆さんは触っても良いですよ。ペットを撫でる感じですから。」


いや、ペットってなんだよ。

お前、光の精霊の部下だろ。

しかも責任者だろ?光属性の竜のさ。


根田 「竜さ、自分のことペットとか言っちゃだめだよ。光属性の竜の責任者でしょ?」


竜 「責任者ですけど、普段自由ですから。特別何か指示が無い限り、自由にしてますから、神様や精霊様と一緒の時は、頑張らないと!だからペットで良いんですよ。むしろ神のペットならウエルカムです!」


変な形で真面目だな。

眩しいから、色合い変えよう。


根田 「本人が良いなら、良いけど。取りあえず色合い変えましょう。光華さんやってもらえます?自分がやると余計に力を使いそうで、地上に影響あるといけませんから。」


光華 「任せてください。それ!」


竜の格好が白くなった。

うーん。白い水着に白の上着みたいになったな。

誰か来ても良いように認識調整しておこう。

こんなの見られたら変な噂になりそうだ。


根田 「光華さん有難うございます。話は変わりますけど、竜の格好って、地上では一般的なんですか?」


黒乃 「一般的じゃない!普通は地味。」


玉樹 「あの格好みたいなのは、聖獣と一部の魔物がするんですよ。動きやすいからって。」


美土 「元々は見識様が、『桃色画像からインスピレーション!』とか言ってデザインしたんですよ。聖獣の人化した時と一部の魔物用に。」


恵水 「そうそう。雄とかも同じだから、すごいよね。」


千風 「特に魔物。あれ雄だけだもんね。すごいレアだけど。」


火佳 「レアっていうか、人族とか魔族とか知らないんじゃない?アレ。遭遇した記録ないでしょ?神族と精霊が知ってるだけで。」


えーっ。男のもっこりレオタードなのかよ。

聖獣の雄は気を付けないと駄目だな。

って言うか、見識さん何やってんのさ。

レアの魔物にも会いたくねーな。

どんな魔物なんだ?


根田 「見識さんがデザインしたんですか?よく雄の聖獣から苦情出ませんね。それにレアの魔物って、どんなのですか?」


光華 「聖獣は、よくわかってないです。人族や魔族がどんな風に思うか。普通は姿を現しませんし、人化しませんから。魔物は、そういう種類ですし。」


黒乃 「あの魔物、見た目は獣人族的な感じだと思う。」


玉樹 「魔物も嫌がって逃げるもんね、アレ。森にいるのよね、迷惑。」


魔物も逃げるって強いの?

気持ち悪くて強いとか最悪じゃん。


根田 「魔物が逃げるって、強いんですか?レア魔物。」


美土 「強さは、そこそこ何ですが、気持ち悪いので逃げるんです。」


恵水 「人の基準だと1級ですかねぇ。」


いや、1級って強いじゃん。

人や魔族の村とか街の近くにいないだろうな?


根田 「1級ですか?強いじゃないですか。村や街の近くには、いないですよね?」


千風 「レアだから、いないです。」


火佳 「世界樹の森とか魔族領の森だよね、いても。」


何か変な言い方だな。

大体いる場所決まってないの?


根田 「長距離移動してるタイプの魔物なんですか?」


玉樹 「アレは特殊でして、一定時間で消えるんですよ。それで出現場所はランダムなんです。いきなり発生するといいますか。私の森のエルフもハイエルフも遭遇したことは無いです。」


黒乃 「魔族領でも知られてない。叡智の一族が存在は知ってるけど遭遇してない。いろんな場所にいる精霊ぐらいしか認識はしてない。人族や魔族に危険は、ほぼない。」


特殊な魔物なんだな。

遭遇したら不運というかレアだから、ラッキーなのか?見たくないけど。


根田 「まあ、危険性が無いなら問題ないですけど。竜は知ってる?」


竜 「知ってますけど見たことないです。空飛んでれば、大抵の物は分かるんですけど、遭遇しないですね。」


聖獣も見たことないのか。

気にすることないかな?


根田 「聖獣も遭遇しないなら、大丈夫でしょう。あと二日よろしくお願いします。余裕があれば、大道芸とか見物しましょう。問題は、おかしなことする馬鹿者だけですね。あ、そういえば、エレー様たち何か言ってましたか?」


美土 「エレー様も芸能の神様も喜んでました。料理も美味しいって、太郎様にお礼を言ってました。我々は、太郎様を性的なことでからかっちゃ駄目!って叱られました。」


喜んでくれたのか、良かった。

エレー様注意してくれたのか。

安心してください。

力もなじんだようですので、調整できますから。


根田 「そうですか。楽しんでくれたようで良かったです。あ、竜は肉体あるんだから休んでいいよ。俺も肉体はあるけど休む必要ないからさ。」


竜 「私もそれほど休む必要ないですよ。精霊に近い種族ですから。」


そうなの?

別に俺と精霊で美味いもの食うとかしないよ。

そんな、のけ者にするようなことしないから、遠慮しないで休んでよ。


根田 「遠慮しなくてもいいよ。あ、食事用意しようか?自分たちは、食べなくても問題ないから忘れてたよ。何かリクエストある?無理言って来てもらったから、好きなもの出してあげるよ。」


竜 「私もそれほど食事は必要ないのです。魔力が大きいので、皆さん同様、体は維持できますし、空間の魔素も吸収できますから。先ほど頂いたお菓子で十分なんです。」


嘘では無いんだな。

遠慮しなくて良いんだけど。

じゃあ、皆でトランプでもするか。

これから、収穫祭見に行くのは、時間的に中途半端だしね。

昨日、今日は、色々あったから、難しいこと無しでさ。


根田 「それじゃあ、トランプでもしましょうか?色々あったので、今日は、難しいこと無しってことで。」


光の上位精霊と竜に説明して、皆で遊んだ。

精霊達は、とても嬉しそうだ。

皆の笑顔を守らないとね。

俺は縁起神”ネタの神”なんだから。

レア種はレアなのですが、そこは縁起神”ネタの神”です。

どうなるのでしょう?

答えは、作者の気分次第です。

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