第二話 開封準備
簡潔に書けず、すみません。
一話に収めるつもりだったのに、長くなったので分けました。
帰宅した根田は、早速、調味料「藻埜随喜」を確認することにした。
しかし、件の調味料は、開封前から凶悪な異臭がしている。
密閉容器に入れてきたが、中で残念な状態になっているかもしれない。
もし、残念な状態で台所で開封などすれば、大惨事は免れまい。
根田は、開封作業の段取りを考え始めた。
先ずは、状態確認だ。
場所が必要だな。家の中での作業は、危険だ。
よし、納屋でやろう。
納屋の井戸の場所で開封することにした。
根田の家には、屋内に井戸がある納屋というか作業小屋がある。
本来なら作業は外でやるのが望ましいのだが、根田は以前やらかしていた。
農家なので作業をするためにある程度の広さがある庭があるのだが、悪臭で有名なシュールストレミングの缶詰を庭で開けて自身も悶絶したが、近所から苦情が出たのだ。
悪臭で有名なのに、根田はわざわざ発酵が進んでいると思われる、缶が膨らんで錆びているようなものを買うのだから始末に負えない。
シュールストレミングの時は噴き出した発酵汁が飛び散り、ハエが寄ってくるわ、野良猫が来るわ、散歩中の犬が吠えまくるわ、通行人は走って逃げるわで苦情も出るわけである。
ちなみに味に関しては根田曰く、「しょっぱい。缶が錆びていたせいか口の中で出血した時のような鉄臭さがあった。同じ値段を出すなら、普通に美味いものを食う方が良い。臭いくせに高価だし。」とのこと。
その教訓から、今回は近所の人に見られないように屋内での作業とした。
補足情報として、根田太郎は独身であり、両親は他界している。
ただ、天涯孤独ではない。兄が一人いる。
ここで、読者の方々は突っ込みたくなるだろう。
そう、次男なのに名前が太郎なのだ。
これも根田がいじられる原因の一つである。
実は、兄の名は「元」と書いて「はじめ」と読むのだが、名前のせいで人間不信となり、素行不良になったので、次男を跡取りとして両親が考え名付けたからである。
兄弟は不仲である。
兄の素行不良の後始末を太郎がしてきたからである。
そんな訳で、家には根田太郎しか住んでいないので、多少臭いが残っても自分が我慢すればいい程度の認識なのである。
そんな認識で大丈夫かと思わずにはいられない作者である。
早く開けろと怒られそうですが、焦らしプレイではありません。
作者の文章力が低いせいです。
申し訳ありません。