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窯を作ってみる

「康紀が鍛錬と勉学に励んでいた間に、私が各領主などに挨拶をしておいたから今は足場を固めるのに時間を割ける」

「そいつは有難い。俺も康紀と混じってボブゴブリンの連中と交流を深めよう」

「ジャンくん、頃合を見計らって例の策を頼むよ」

「例の策? ああ襲撃紛いの事か」

「そうだ。動いているぞというアピールも必要だし、我々が国の兵と接触して一か月以上経つ。彼らもそう黙っては居ないだろうからね。だがあの娘が率いてくるなら牽制でも効果が十分ある」

「そんなに効果が出る物なのか?」

「無論だ。私の存在だけでも十分効果があるが、康紀の能力にジャンくんの狙撃。更にボブゴブリンの協力も得られれば更に盤石だろう」

「それは本国の兵隊の呼び水にならないか?」

「だからこそ一戦一戦無駄には出来ない。経験値を少しでも多く積むために準備を万端に。それと並行して鍛錬や勉強、交易や他種族への働きかけをしなくてはならない。いよいよ本格的に忙しくなる」

「アタシも色々準備をしておこうかね」

「ああグルヴェイグも必要なものがあれば私に言ってくれ。ある程度融通しよう」


 こうして夕餉を楽しみつつ会話しながら一日は終わる。

翌朝、僕は例の粘土質の土をもってボブゴブリンの集落へ行く。

そして桶に居れる水を近くの川で汲んできて傍に置き、

まず円になるように石を適当な広さを取って置いていく。

そして水を粘土質の土の中に入れて手でこねていく。

柔らかくなったそれを石の上に乗せて、更に石を積み上げていく。

煉瓦のように互い違いの柄になるよう積み上げていった。


「よーし」


 結局集中してしまい、夕方には小さなかまくらが出来上がった。

煙突を付けられるように穴を開けておいてあるので、

固まって崩れないのを確認したら乗せてみようと思う。

そこに小さな枝などを入れて、試に火を付ける。

何とか隙間なく天井に当たる部分から煙が出て行った。


「先ずは一つ」


 僕は額の汗を拭い振り向くと、

人だかりができていた。


「これは……」

「親分」

「窯?」

「そうそう、一応見よう見まねで作ってみたから、今後改良していかないといけないけどね。暫く枝とか燃やして様子を見つつ、最終的には火力を強めて焼き物が出来るかチェックしていく」

「……これ使っていいのか?」

「勿論! 親分たちにプレゼントするよ。他の都市と取引してその対価で食料とか着る物とか色々手に入れる為に協力してくれるとありがたい」

「も、勿論。なぁ皆」


 親分の声に皆頷く。


「できれば後三、四ほど作ろうと思ってる。何かこうしたいとかあったら……」


 言い終わらないうちに男のボブゴブリンが僕を取り囲んで

こうしてほしいああしてほしい、こうしたいああしたいと

口々に言い始めた。


「ちょ、ちょっと親分」


 僕の声を親分は拾ってくれて、

皆を一旦下がらせてくれた。


「はぁー驚いた。まぁでも皆やる気があって助かるよ。見た所食器も古いみたいだし、先ずは皆の家の食器を新しくしたいね」

「有難う」

「いや僕も興味があってね焼き物。作った事は無いんだけどさ。やっぱり良いよね焼き物でできた茶碗とか」

「茶碗、分かるのか?」

「え、ああ。親分たちと同じような物を僕も前に使っていたから馴染みがあるよ」


 その声にどよめく。そんなに珍しいのかな。


「フォークとナイフじゃないのか?」

「フォークとナイフも使うけど、箸っていうのを使ってたよ前は」

「ハシ?」

「こういうの」


 僕は地面に棒で絵を描いてみる。

ボブゴブリンたちは唸り声を上げた。


「似てる」

「そうなの?」


 親分は腰から鉄の棒を二本取り出した。

その頭の部分は鎖が付いていて、

一つの棒の脇には親指を通す穴があった。


「あー似てるねぇ」


 親分から渡されたそれを、僕は前に使っていたように

動かしてみると、また唸り声が上がった。




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