選挙そして町長就任。
ラッキーインセクトを七匹を討伐して、一週間程たった。
本日より、空きテナントが全て埋まり。
飲食スペースや施設自体に、警備の人間が立つようになる。
お酒が、商材として増えた為、飲食スペースは更に賑わいを増していた。
警備を増やしていたこともあり、トラブルも起きることなく、営業を続けることが出来た。
これも、テナントと皆さんや、ギルド長や町長の協力のおかげだろう。
初日に、建築スタッフの皆に、酒を無料で振舞うことにしたら。
翌日が散々な事になり、それから以降はエール(ビールみたいなもの)を一日一杯までは経費で落とせるように修正した。
まさか、限界を超えて飲みまくり、翌日の建築作業に、悪影響起こすまで飲むとは……。
ドワルド達の飲みっぷりを、甘く見た結果だろう。
そんな感じの細々したことはあったが、これといってめぼしいこともなく、選挙運動開始の日がやってきたのだった。
ある種、リストアという貴族に、嫁のお披露目をするために、顔見せに行くのだ。
彼女達の、衣装を用意しておくのがいいだろう。
最初に、エミリーとシェリーを連れて服屋へ行き。
彼女達のドレスを二週間で、仕立ててもらう事にした。
その次に、エミリーに店長業務を代行してもらい。
キャリーを服屋へ連れて行った。
「あら、お客さんまた来たのかい、今度は、キャリー連れてきたの?」
「まぁ、そうなんです。彼女にもドレスが必要なので、仕立ててもらっていいですか?」
「お客さんは、エミリーとシェリーだけ、じゃなく、この子も嫁にしたのね」
「成り行きで……」
「お兄さん、成り行きって酷いです」
「あぁ、ごめんごめん」「なんだい、お客さん三人の嫁全員に尻にひかれてるのかい」
「いえいえ、いつもはキッチリと、私が……してないですね。
いいんです。三人とも可愛いし、みんな働き者ですから」
うーん、尻にひかれてるのかな?割と、自由にやらせてもらってると思うけど。
「それは、いいんです。キャリーの分のドレスも二週間後に必要なんで、仕立てお願いします」
「わかったよ、三着も一気に仕立ててお金大丈夫かい?」
「臨時収入、ありましたから。問題ないですよ」
ラッキーインセクト七匹分の魔石があるのだ、臨時収入ってレベルではない。
「服を受け取りにきた際に、代金支払いますね」「あぁ、それで構わないよ」
と服屋のオバちゃんと話をしてから、お店を出た。
「服が出来たら、貴族に会う事になるんだけど大丈夫?」
「私達より、お兄さんが大丈夫ですか?いざ戦闘になったら。
お兄さんが、人殺しに……」
「あぁ、一時的にそうなるかもしれないけど、結果的に被害を出さない考えはあるんだ」
「そうなんですか……」
「一応できることなら、攻撃的な手段にならないように自分も手を打ってみるから、それで無理なら町に害をなす奴は排除するだけだよ」
「気は早いですけど町長さんですからね。お兄さん」
等と、話をしているうちにに施設に着いた。
うちの店の前で演説してる奴がいる。
「この店の社長は、複数人の若い女をはべらせているようなクズだ。町長になるべき器じゃない」
おー、露骨な人間批判だなぁ。
「キャリー、エミリーとお仕事変わって店長業務に戻っていいよ」
「お兄さんは、どうするんですか?」
「アレが、面白いので見とく……」
「程々に、してくださいね。あーいうの聞いてると、社員一同が気分悪いですから」
「わかった程々にして、ギルドに連絡入れとくよ」
「そうしてください」と、話をしてからキャリーと別れた。
この対立候補さん。
私の悪口ばかりで、町長になったらどういう風にしたいとかないんかな?
好奇心は猫を殺すというが、好奇心がまさってしまったから突撃するしかない。
正直、圧倒的に負けしかない状態で挑んでくるあたり世情にニブイ人なんだろう。
つまり、私のことも知らないはずだ……。
「あの、今何やられてるんですか?」と、演説をしている人に聞いた。
「ここの社長の悪行を、皆に伝えているんだよ……」
「へぇー、他にどんな悪行を重ねてるんですか?」
……。
…………。
へぇ……。この人が言う話をまとめると、私は人間ではなく魔王かなんかだそうだ?
魔王による経済侵略……。まぁ、言おうとしていることはわからないではないな。
うむ、非常に面白い。
もっと聞いて遊んでみようと思っていたら、エミリーとシェリーが施設から出てきた。
「ハジメさん、何やってるんですか?その人あなたの選挙相手ですよ」
「いやぁ、面白かったんでつい……」
「お兄ちゃん、一緒に帰ろー」「そうだね、一緒に帰ろう」
「元シスターの旦那、ってお前が二階堂ハジメか!!」
「あー、どうも。ここの施設の社長のハジメです」
「私個人として聞いてる分には面白いですけど、もう少し言葉を選ばれた方がいいですよ」
「余計なお世話だ」
「私達は、これで帰りますんで。あまりに酷いと営業妨害扱いになるので、程々にして引き上げてくださいね。ドクタージャンパーさんでしたっけ?」
「ドクタージッパーだ!!」
なんか、勝手なイメージだが、跳ねてるイメージあったので間違えたわ。
「そうでしたね、選挙結果出るまでお互い頑張りましょうね」
と、言って。三人で自宅に帰った。
そして、一週間の選挙運動期間の間ギルド側の言う通りに、ちょくちょく顔だけ出して、一週間の運動期間が過ぎた。
これから一週間は、投票期間だ。
ギルドの貸しスペースに、投票所があるので、町民がここに投票に来ている。
投票スペースで、そこに自分の番号を、管理の人に伝えて、誰に投票するかを伝える形式だ。
各家庭に番号用紙が配られるので、それを持って投票所に行き投票先を伝えるだけだ。
投票所を確認してしまえば、あとは、なるようになるだけだ……。
それから一週間が過ぎ、投票結果が確定して、号外が出ていた。
【セカンタの町、新町長 ニカイドウハジメ氏】
【圧倒的な得票差による選挙となった】
【対立候補のジッパー氏は334票と振るわず】
それから後には、私のこの町での実績などが表記されていた。
なんだ?お店がオープン前なのに、やけに騒がしいぞ……。
社員が、一階の売り場に集まっていて。
私が一階に降りたと同時に、「町長就任、おめでとうございます」と一斉に声をかけられた。
「どーも、これからは、町長として少しでも良い町にできるよう頑張ります」と、挨拶したら。
皆が、一斉に拍手をしてくれた。
その後、ギルド長が訪ねて来て。
「町長就任おめでとう、今から町長の仕事場へ案内するからついて来てください」
「はい」
と言って、ギルド長の後をついていった。
アレ?ここって。元町長の住んでた所じゃないか?
「ここって、元町長さんが、住んでる所ですよね?」
「町長は、ここの住居スペース自由に使っていいんだよ」
「なるほど、それじゃミルコさん引越しの最中です?」
「それなんだが君の選挙にかかりきりで、引っ越しの準備が済んでないらしい」
「それなら、ここはミルコさんに住んでてもらっていいですよ」
「そうか、それなら兄さんにそう伝えるよ」
ギルド長は、ドアノッカーで扉を叩き。
「兄さん、マルコです。新町長連れて来ました」
扉が開いた。元町長のミルコさんが出て来た。
「やぁ、二人とも今日は早いね」
「兄さん、引き続きここに住んで良いと、ハジメ君が言ってくれたよ」
「そうか、それは助かるよ。新しい住まいを探すにも時間かかるし」
と、マルコさんとミルコさんで勝手に会話を進めていってる。
「それで町長の仕事部屋なんだが、ついて来てくれ」
「はい」
と言って、ミルコさんの後をついて行く。
「ここだよ……」
町長室と書かれた部屋だ。
部屋に入ると、やけに偉そうな机と椅子が置いている。
うわっ、こういう偉そうな部屋は、無理……。
「ここも、ミルコさんが使いません? 私は基本色々と飛んで回ってますし。
私は、来客室か一般職員と同じ部屋でいいですよ。
町長の権限関連は、ミルコさんにやってもらうつもりですし」
「そうか、それじゃそうさせてもらおうかな」
「あと、ミルコさんが副町長になる事で給料ダウンするなら、私の給与減らしていいんで元どおり取っといて下さい。
この業務で、私はお金を稼ぎたいとは思っていないので」
「あくまで、商売で稼ぎたいのかい町長?」
「そうですね、それが性に合ってます」
「兄さん、そうなると今までとあまり変わらないね」
「そうみたいだな……もう一人の副町長も、あっちの仕事のついでだろうし」
「それじゃ、町長最初の仕事は、明日来客室でリストア様に町長として、挨拶をしてもらう」
「あぁ、わかってる。
明日は二号店と三号店を休みにしてるんで問題ないはず」
「まぁ、思う所はあると思うが、綺麗にまとめてくれよ」
「それは、大丈夫ですよ。この挨拶が終わったら、一度先方に、土産もって挨拶しに行くつもりだからな」
「町長は、毛嫌いしてると思ってたよ」
「むしろ、ミルコさんも嫌ってた気がするけど良く無事だったね」
「ホント苦労したさ……」
さぁ、明日は件の貴族様との初対面だ。
うまく対応しないとな。




