4号店建設計画
二週間後には、選挙を控えてるが、何も変わらない……。
いつもの朝である。
今日は、空きテナントの件とお酒の販売による、
治安悪化の対策について話し合いをしにいこう。
いつものように、朝の業務を終わらせて。
空きテナントの件で、この前の酒問屋の主人ロイズさんに、会いに行くことにした。
朝方なので歓楽街も、客はほとんどいない。いたとしても朝帰り連中だ……。
この前、ギルド長に連れていかれた。
お店に入る。
「いらっしゃい、この時間は営業してないよ上の客が帰るのを待ってるだけさ。
って、あの施設の社長さんじゃないか……」
「この前は、どーも。また社長さんきなよ。あの子も待ってるぜ」
「その件は、嫁に怒られそうなんで」
「あんな大きな施設の社長さんが嫁には弱いか、ガハハ」
と、ロイズさんは笑って言った。
「コッチの売り上げは、いかがですか?」
「ん?おかげさんで、施設のおかげで客足増えて、売り上げは伸びてるよ。
宿屋なんかも、かなり好調だって言ってたな」
「へぇ……。良いですね、ウチの施設が周りに好影響与えるのはありがたい事ですよ」
「それで、本題はそれじゃないよな?」
「あー、そうでした。空きテナントの件です」
「おっ!!とうとう売ってくれるのか?」
「そうですね、ただあの隣の店舗がかなり人気のある店舗になりますので、かなり集客が見込めるテナントの為テナントの販売ではなく、月契約の貸し出しでお願いしたいと考えてます」
「えっと、それはそちらの都合でウチを退店させたりできるって事か?」
「いえ、テナントに入って頂く以上あの施設の家族みたいなもので、家族にそんなことはしませんよ。
ただ、トラブルが続くようなら、どこのテナントも退店の可能性はありますけどね」
「なんか、腹にナニカを抱えてそうな物言いをするな? 社長さん」
「単刀直入に言いますね。 お酒という商品を扱う以上、治安の悪化は免れません。
それで、飲食スペースに、警備の人間を立たせようと思います。
その費用を、そちらでもって頂けないかと?」
「酒売るのに警備か、いくらぐらいかかるんだい」
「あのスペースですし、1日四人は警備をギルドに依頼して、配置しておいた方がいいでしょう」
「四人分の依頼費を、毎日ウチが持つのかい……それは無理だよ。
しかし、それをやらないと出店はさせてもらえないんだろ?」
「まぁ、既に好調な施設に、お酒という不安のあるものを投入するわけで、これくらいは対策しないと安心できませんから」
「ううむ……」
まぁ、ここで良い返事がこないのは、想定内である。
「それで、四人分の警備代ウチ二人分を、そちらに払っていただきたい。
当施設が、一人分は出します。
それで残りのテナントで、一人分の警備の代金を出すというのはいかがでしょう?」
「まぁ、それなら……行けるか」
「ありがとうございます。それなら本日施設の閉店後、各テナントの店長を集めて、警備代について会議を行いますので必ずご参加下さい」
「それで、毎月のテナント料はいくらなんだ?」
「テナント料で払うか、歩合で払うのどっちかが良いです?」
「歩合だと? その場合は、テナント料はいらんのか?」
「まぁ、ウチの社員も使いますからねぇ。そこがペイさえ出来ればって、感じになるんでしょうね」
「うむ、社員を二人雇って、警備も二人雇うとするなら歩合5%ぐらいか」
「待ってください、人気のスペースなんですよ。流石にそれは困ります15%お願いします」
「15%はちと辛いが、いけなくはないが……。10%くらいにならないか社長」
「良いでしょう、月売り上げ10%で、ウチのスタッフが飲食するんで、そこの部分は月末に相殺する形にして貰えば良いかなと」
「それなら、15%でも問題なかったかもしれんな……」
「いえ、10%で良いですよ。お互いに、得を取れる関係でいきましょう」
「今日、話し合い終われば、明日からでも出店は可能ですけどどうしますか?」と、ロイズに尋ねてみた。
「いや出店は、一週間後位にさせてもらおうか人員を揃えてからだな」
「わかりました。それでしたら、また後でお会いしましょう。失礼します」
と言って、私はこの場を離れ施設に向かった。
各テナントの店長に、簡単にではあるが警備スタッフの件についての会議を行うと伝えた。
全店舗参加とのことだったのでとりあえず問題はない。
あとは、ギルドへいくか。
三号店からギルドへ移動し、いつものように来客室で待たされた。
マルコさんが、来客室へ入ってきた。
「やあ、昨日の今日で何の用だい、選挙の件かい?」
「いえ、今日は別件なんですよ」
「そうかい、話を聞こうか」
ギルド長のマルコに、三号店でお酒の販売を行うことを伝え、それに伴い治安の悪化対策で、警備の人員が欲しいという旨を伝えた。
「つまり、ギルドから施設の治安維持スタッフを、毎日派遣するという事だね」
「人が多い施設なのでトラブルが、増えてくると思いますから。
当然の話ですが、勤務中の飲酒は厳禁ですよ。その辺りは守れる人をお願いしますね」
「なるほど」と、マルコは頷いた。
「今日の施設の営業後に、各テナントさんで、その件の会議やるので、マルコさんも参加して頂けませんか?」
「是非、参加させてもらうよ」
「そうですか、助かります。
それじゃ、施設の閉店後によろしくお願いします」
と言って、ギルドを後にした。
それから、雑用をこなしていってたら昼になったので、エミリーが用意してくれた料理を食べ終えてから。その後に、三号店の閉店まで、いつもの砂漠へ狩りに向かった。
砂漠は、いつも通りで変わりなく、デスワームは現れていなかった。
そのかわり月が変わったこともあり、ラッキーインセクトが七匹いるのが確認できた……。
狩りを早めに切り上げて、[転送魔法]で、サドタの街のギルドへ移動した。
いつものように、買取倉庫へ向かい商品を買い取ってもらう。
(一部商品は、加工してもらっている)
商品の買取を終えてから。
この街の、ギルド長レクターさんと、いつものように話しを始めた。
「なぁ、にーちゃん。この街への、出店の件はどーなってるんだ?」
「そうですねぇ……。ようやく三号店が軌道に乗ってきたとこですし。
もう少し様子見したいのも山々ですよねぇ、セカンタの町から従業員連れて行けないですし、土地も探す必要ありますし」
「あぁ、それなら既にギルドが用意してる土地があるんだよ。
人員はこっちで集めて、作業始めれないかい?」
「最低でも、裏庭もしくは、冷蔵庫、冷凍庫は作るスペース必要ですよ?
それがあるなら二号店のコピーで、なんとかなるかもしれませんけど」
「安心しろ、ギルドの所有地だから、そこそこ広いし、そんなに立地が悪い土地ではない」
「通常勤務の人員と他に、雑用をしてくれる人員が確実にいるんですよね。
後、二号店のコピー作るから、ウチから建築リーダーや、ベテランスタッフ連れてきた方がいいんですよね」
「雑用は、セカンタの町みたいに、この街の教会に依頼出来ないか?あとサドタとセカンタの間を移動するのは、魔道具使ってみたらどうだ?」
「この街の教会そういえば、行ってなかったな」
「そうだろうと、思ったよ。教会から早くコチラにも、にーちゃんを紹介してくれと頼まれていたよ」
「この街の移動範囲、最近はギルド内で終わってますからねぇ。
それと魔道具で、移動って可能なんです?」
「この街の、 魔道具屋にはないが、フォースの城の城下町の魔道具屋には普通に売ってるさ、バカ高いけどな。にーちゃんなら、普通に買えると思うよ」
「それなら何点か、そちらに対応してもらうことがあります。
それができれば、話を煮詰めていきましょう。まず一つ目は、ギルド主体で建設やってもらっていいですか?」
「おう、つまりどういうことだ?」
「ウチがそちらに、お売りするのはノウハウを売るので人材や、運営はギルドにお任せする形になります。
収益から経費を差し引いた純利益の15%を、私に毎月支払いすること」
「つまり運営は、ギルドがすればいいんだな」
「そういうことです。
二号店は私の業務は、倉庫への荷物運びと、在庫確認と経理位しかやってませんから」
「つまり、にーちゃんが、商品に使う材料を融通してくれれば、ギルドだけでも運営できると?」
「そういうことです」
「なるほど、それじゃ次の点は?」
「次は、教会に挨拶に行きたいです。その次は、施設を作る現地を確認させてください」
「なるほど、それじゃまずは教会へ行こう」
「はい、教会の場所わかってないので、連れて行ってください」
「わかった、それじゃ、にーちゃん俺の後について来てくれよな」
「はい、お願いします」と言って、レクターの後を付いて行った。
付いて行った先には。
教会と孤児院があったが、すぐ近くに貴族の屋敷があった……。最悪過ぎる、立地じゃないか。
「こんな近くに、貴族様のお屋敷があるんですね」
「この教会の、主な支援者は、ここの貴族らしいからな」
「それなら、ギルドには、それに負けないくらいの支援者に、なってもらいましょうかね」
「それは、お金ということか?」
「確かにそうですけど、それ以上に大事なのは、働く場所を提供して、お金を教会へ支払うってことですよ」
そんな話をしながら、私とレクターさんは、教会へ入っていった。




