砂漠のボスモンスター。
先日は誕生日のお祝いを、エミリーとシェリーにして貰い色々と嬉しい1日だった。
ココは、日中の照りつける日差しの中の砂漠である。
まさに、天国から地獄という状況変化なのだろう。
昨日、エミリーに手作り装備を貰い、それを試すためにクソ暑い砂漠に日中に来ている。
夜中に、くれば快適だが……。それだと装備の効果を実感できないからだ。
[魔力視]で確認すると、俺の周りに冷気の魔壁(魔力の壁)が出来ている。
そう……。照りつける日差しの砂漠のど真ん中にいるにもかかわらず。
快適に過ごせている……。もしかしてコレ、凄い装備なんじゃ。
ファービレジのギルドで、売った半分の羽衣を買い戻せないかな……等と考えていたが、せっかく日中でも狩ができるので、いつものようにマップの確認を行った。
すでに4~5ヶ月ほどラッキーインセクトの討伐をしていないので、5匹のラッキーインセクトの存在を、MAPで確認できている。
ん?ラッキーインセクト以外に、一つだけ大きな魔力の反応がある。
夜中に狩りに来てるが、[魔力視]による、このモンスター反応は初めて見る。
日中の限定のモンスターか?
危ないようなら、[転送魔法]で逃げるとして、様子だけ見てみようかな。
そのモンスターに近付くにつれ、空気が重く感じるようになった。
もしかして、コレってヤバい奴?普段狩りなれてる狩場だから、ちょっと調子に乗ったかなと思い始めた。
クソデカいサンドワームみたいなモンスターが、かなり離れた場所からでも見えた。
この前倒したアイスドラゴンのサイズ比じゃないぞ。
かなり離れた、この位置からでも[鑑定]かかるかな?
名前:デスワーム
属性:土
特殊タイプ :ボスモンスター
弱点:火属性
あるぇ? ボスモンスター?
ボスモンスターって、強いモンスターだよね……。
続けて疑問に思った事を考えたら、[鑑定]スキルが答えを返してきた。
なんで、こんな人気の狩場スポットにボスがいるのかな?
(A.暑い思いしてまで、みんな狩りに来ないから)
なんで、夜には出てこないのかな?
(A.夜中は地中深くに潜ってるから)
今、すでに[転送魔法]が、使えないのはなんでかな?
(A.ボスモンスターからは、[転送魔法]では逃げられない)
いやあ[鑑定]スキルは、便利だなぁ……。クソッタレ!!
デスワームが、こちらに気づき動き始めた。
逃げれないとか、ふざけるなよ!! と、軽く毒付いてしまった。
アイツが近付く前に俺ができることは、火属性をミスリルの剣にまとう事と支援魔法を使う事。
それと、奴の前に大壁を作る事だ!!
火属性を剣に付与し、近づいてくるデスワームに対して[アースウォール]で、土の大壁をを作り上げた。
土の大壁に、デスワームがぶつかってくる。
ドゴォ!!ドゴォッと、デスワームが壁に体当たりする鈍い音が聞こえる。
奴は、まだ壁を崩せそうにない。
もしかして、[エクスプロージョン]で、狙い撃ちできるチャンスか?
壁にぶつかり続けてる、大きな音を聞きつつ。
[エクスプロージョン]を詠唱し始めた。
……。
………。
いけっ!![エクスプロージョン]奴を吹き飛ばせ!!
土壁と一緒に、[エクスプロージョン]で、デスワームを吹き飛ばしたつもりだった。
壊れた土壁の下から、ズボオォっと、デスワームが頭を出してきた。
砂に潜って、ダメージを軽減してきたのである。
「げぇぇぇぇぇえ!! うっそだろおい」
俺はモンスターから逃げているが、モンスターも俺を追いかけてくる。
距離が引き離せない……。そのせいで、[転送魔法]が使えない。
こんな大型モンスターから、ひたすら逃げ続けてサドタの街の付近に連れて行こうものなら、大惨事は免れない。
走りながらでも考えろ、俺……!!
[エクスプロージョン]は、砂に潜られてダメージが軽減される。
このまま逃げても、距離が離せないのでラチがあかない。
なんとかしないと……。走って逃げながら次の手を考えていた。
相手のスピードを落とす。[スピードダウン]があった!!
次の手を思いつき、即座に[スピードダウン]の魔法を放つ。
若干ではあるが、デスワームの移動速度が下がり。
走りながら考える事に、余裕が持てるようになった……。
あのサイズ、[エクスプロージョン]で吹っ飛ばすしか方法が思い浮かばない。
そのまま打つと、奴は砂に潜ってダメージを軽減する。
[アースウォール]壁は、奴の体当たりに耐えれる強度があった。
あの壁の強度の、特大サイズの槍があれば、アイツに刺さるかもしれない。
[アースランス]は魔力を込めて強度はあげれるが、サイズは大きくできない。
[アースウォール]は、魔力の掛け方次第で強度も形も変更出来た……。
槍だ、槍のように鋭利に、鋭く土の壁よ出来てくれ!![アースウォール]
狙い通りに地面から突き出るような土の槍ができたが、あからさますぎる罠なので、デスワームはその横を通って俺を追いかけてきた。
あと、ワンクッション入れて奴を騙せ!!
最初、奴は警戒せず壁に体当たりをしてきた……。
あっ、繋がった!!
再びデスワームから距離を取り、最初に[アースウォール]で、一撃で壊される薄めの壁を作った。
そのすぐ後ろに、[アースウォール]で作った土の槍を仕掛けた。
来る!!
ドガァアン!!モンスターに、壁が一撃でぶち破られた。
その瞬間、土の槍にデスワームが突き刺さり、砂漠がモンスターの血で染まった!!
「覚悟しろよ!!デスワーム」
槍に突き刺さり、身動きの取れない状態のデスワームに、[エクスプロージョン]が放たれた!!
ズドォオオン!と爆音が響き、あたり一面の砂が吹き飛ばされていく。
「やったか?」
黒く焦げているデスワームが、体を伸ばしこちらを攻撃してこようとしてきた。
くそっ、仕留め損ねたか!!防御か? 回避か? どっちだ……と、俺はデスワームの攻撃に対して身構えた。
デスワームの体に刺さっている土の槍が折れ、デスワームは地面に叩きつけられて最後は絶命した。
初めて戦闘で恐怖を感じたぞ……。もうデスワームとは、やりあいたくはないな。
一応念の為に、[魔力視]と[鑑定]で討伐したデスワームを確認する。
鑑定で詳しく、デスワームの説明を見てみると、
ラッキーインセクトが、一年間倒されず成長を続けた最終形態。
えっ?あれってラッキーインセクトの成長した姿なのか?
デスワームを倒した事により、レベルが34から一気に、36まで上がっていた。
商人スキルで、
ビッグボイス(文字通り大声である)を覚えた。
(用途は様々、気合い上昇、連絡、連携いろんな用途が可能)
新しい魔法で、
ロックスパイク[土系設置魔法]
アイススパイク[氷系設置魔法]
設置系魔法2種類を覚えた。
冒険はしないと言っておきながら、今回はボス戦をやってしまったな。
他に、デスワームいないだろうな?
MAPを確認するが、デスワームは、いなかった。
ふぅ……。ということは、5ヶ月前に出てきた赤芋虫が一番デスワームに近いんだな。
ラッキーインセクトが、成長しきる前に全滅させよう。
そうすれば、レベル40まで届くはず……。
討伐した、デスワームを[アイテムボックス]に入れた。
今まで必死で逃げ回っていたが、エミリーが作ってくれた。
この装備があったから、砂漠での状態異常を防げた。コレは、良いものだと理解が出来た。
あの頃は価値がわからなかったが、今なら価値がわかる。
もし買い直せるなら買いなおそう、ファービレジのギルドへ行ってみるか……。
[転送魔法]でファービレジのギルドへ移動した。
いつもならギルド長の列に並ぶが、今日は長蛇の列が出来ているお姉さんの列に並び、しばらく列で待っていた。
……。
…………。
しばらくしたら、受付さんが俺の順番の呼び出しをしてきた。
「次の方どうぞ……」
「あっ、どうもお久しぶりです」
「ニカイドウさん、久しぶりですね。
ギルド長は、いつものお店に行ってますよ」
「今日は、貴方に用があってきました」
「すいません。
私は婚約者いますので、そういうのはちょっと……」
「って、違います」と、俺は即否定した。
「それでは、要件って何ですか?」
「最初にギルド登録した際に羽衣を鑑定してもらって、ギルドに売ったと思いますがそれを買い直したいと思いまして」
「あー、コレですね」と、ギルドの受け付けさんは、女神の羽衣を棚から取り出した。
「なんで、あるんですか?
ギルドで売ったりとかはしなかったんですか?」
「ギルド長が、アイツはこのアイテムの価値がわかる男だから、取っておけば10倍の値段でもつけると言ってたので保存してました」
「あはは、ほんと参ったなぁ。確かに価値がわかった以上 10倍でも出しますね。
5万ゴールドで、良いですか?」
「えっ、本当に出すんですか?」
「そのアイテムに、それだけの価値があると見抜ける男に成長したんですよ。
ギルド長の予想通りになったんです、払いますよ5万ゴールド。
最初に、ここで頂いた5千ゴールドがあったからこそ今がありますから」と言って、5万ゴールドをカウンターに置いた。
女神の羽衣をギルドのお姉さんから渡された。
最初に金策の為に売った。女神の羽衣の半分を一年ぶりに買い戻した。
「これで、今年のボーナスは確定ね」と小声で、お姉さんが言っていた。
「どうも、それじゃ失礼しますね」
ギルドを出て[転送魔法]で、自宅に帰った。
流石に疲れたな、ちょっと休憩してからサドタの街のギルドに行くとしよう……。




