いつもの、日常
朝だ……。
今日は、お休みだ。
せっかくの休みなので、3人で楽しもう。
ベッドから出て着替えた後に、二階の飲食スペースに出る。
「おはようございます」
「おはよー、お兄ちゃん」
……と二人が挨拶してきた。二人が先に起きてたみたいだ。
「おはよう」
「今日は、お店が休みだねぇ」と、シェリーが言ってきた。
「何をしようかな?」
んー? 考える。あっ、そうだ。
俺の家庭菜園を、見てもらうか。
「今日は私自慢の家庭菜園に、二人を案内しましょう」
「なにを、育ててるんです?」
「エミリーさん達が野菜を育ててるの知ってから、私も家庭菜園に手を出したんですよね。
教会から、葉野菜とピクルス用の野菜を仕入れてますし。
あれがきっかけで、色々やるようになりました」
「お店がヒマな時は、二人とも教会を手伝いにいってるでしょ?」
「知ってました?」
「だって、スミス神父に聞くし。
家庭菜園で育ててるのは、見てのお楽しみって事で」
「はい、楽しみです」
エミリーが用意してくれた、朝食を取って。
裏庭の家庭菜園に、二人を連れて移動した。
「見たことのない、野菜が色々育ってますね」
「……」
アレ? シェリーはだんまりだ。
「今日のメインは、この苺です」と、苺を指さした。
「これが苺ですね。
育つと赤い実ができてすごく甘いんですよ」
「そうなんですね、育つのが楽しみです」
「ちょっと、待ってて下さい」
地下の冷蔵庫から、苺を持ってきた。
「これが苺です。
甘い果物なんですよ、二人とも食べてみて」
エミリーが、苺を一つ手にとって食べた。
「あ、甘くて美味しいですね」
「でしょ、二人に食べてもらおうと準備してました」
あれ? シェリーが苺に手をつけない。
「シェリーも食べていいんだよ」
「あのね、お兄ちゃん。
ごめんなさい」
「え?」
「お兄ちゃんが、食べてるのをみたことがあって食べた事があるの」
「あらー、そうなんだ。
まぁ、隠してるわけじゃないし。
正直に言ってくれたから別にいいよ」
苺を取って、シェリーに渡す。
「はい、シェリーも食べな。
二人に食べさせるために手に入れたんだし」
パクりと苺にかぶりつき、
「甘くておいしい」と、シェリーは言ってくれた。
「それじゃ二人とも、苺がこの畑で育ったら二人で摘んで下さいね。
苺狩りしましょう」
「楽しみですね、ハジメさん」
「いっぱい、できるといいね」
「ちなみに今日は時間もあるし。
この苺を使って今からケーキを作ります。
完成するまで、ちょっとばかり待っててね」
「わかりました」「楽しみー」と、二人は言ってくれた。
楽しみにしてもらえれば、スイーツ作りのやり甲斐が出るってものだ。
「そしたら、二人は完成まで二階で待っててよ」
「「はーい」」と、言って二人は二階へ上がって行った。
俺は、ここからケーキを作る。
石窯に火を入れ、三つ程ケーキのスポンジを作る。
一度作ったので、割と手慣れたもんだ……。
生クリームを作って、匂いつけにカラメルソースを混ぜて。
スポンジに生クリーム塗って終了!!
苺をケーキにトッピングして完成だ。苺のケーキを、三つ作った。
教会に配る二つは、[アイテムボックス]に入れて。
一つは、ケーキをカットして三つお皿に乗せた。
残った分は、従業員にでも食べさせようかな?
二階に、作ったケーキを運び。
「お待たせ、これが苺のケーキです。
これが作りたかったんだよねぇ、この前……」
二人の前に、ケーキを置いた。
「二人とも、食べて食べて」
スプーンでケーキを口に運ぶ。
「ハジメさん。ケーキと苺って、すごくあいますね」
「でしょでしょ」
「甘くておいしい」
「やったね。
そう言われると作った甲斐があるよ」
二人とも、喜んでくれたので俺も食べる。
「うーん。甘い、美味しいよねぇスイーツ」
俺は、スイーツは嫌いではない……。
ケーキバイキングに、一人でチャレンジできる程度に嫌いではない。
男のスイーツ好きは、なんか恥ずかしいから隠してたんだよなぁ。
「まだ、お代わりもあるよ」と、二人に聞いてみた。
「夜に頂いて、いいですか?」「いいですよ」
「シェリーも食べる」「いいよー」
夜も食べるとなると残りそうにありませんね、従業員の皆さんすいません。
俺も食べますし、甘いものには勝てません。
「余った分は、冷蔵庫にいれてくるね」
席を離れ冷蔵庫にケーキを置いてきた。
「よし、孤児院で子供達にもケーキ配ろうか」
「はい(はーい)」
エミリーとシェリーが、答えてくれた。
それじゃ行こうか。
3人で歩いて、教会へ向かった。
歩いて、行くと教会までそこそこ距離あるなぁ。
「私達が教会にいなくても、ハジメさんは子供達に優しいんですね」
「まぁ、そういう性分なんで……」
「孤児院から、新しい嫁候補を探してるとか」
「ないからね、そんな事ないからね」
ちょっとドキッとさせられたじゃねーか。
いや、ホント、それはないから二人がいるんだし。
「解ってますよ」と、エミリーは言った。
エミリーさん、冗談になってませんて……。
他愛もない会話を続けていたら、教会に着いた。
まずは、神父に挨拶するかな。
教会に入ると神父と、シスターが二人いた。
一人は、えらくちっこいな?
ん? アレは、キャリーじゃないか。
「私とシェリーがいなくなったんで、彼女がリストア様の手にかかると判断されたんですね。
私と同じ方法で、リストア様の発言を断るんでしょう」
ほんと迷惑だな腐れ貴族。
スミス神父と、キャリーが近寄ってきた。
「やあ、ハジメ君。
久しぶりじゃないか?」
エミリーが、エッ? ……って、感じの表情してるし。
「ハイハイ、スミス神父。
神様の前で冗談はやめましょうね。毎朝、野菜取りきてるじゃないですか」
「お兄さん、いらっしゃい」と、キャリーが言ってきた。
「キャリーが、シスター見習いなのかい?」
「そうだよー? どう似合ってる?」
「似合ってるよ、頑張ってな」「うん」
「それで、ハジメ君。
今日は何の用だい?」
「ケーキ作ったんで、子供達にプレゼントしにきました」
「この前のケーキかい?」
「更に、パワーアップしてます」
「私も頂くとするよ」
「神父、私のことを彼に紹介していただけませんか」と、もう一人いたシスターさんが言ってきた。
「彼女は、エミリーの代わりに、シスターとして来てくれた。セレスさんだ」
「セレスさんですね、よろしくお願いします。
私は、二階堂 始と言います」
「貴方が、[神の使い]の方ですね。
私はセレスと言います、以後お見知り置きを」
「セレスさん。
孤児院の子供達をよろしくお願いしますね」
「はい」
そしたら、皆で孤児院に行こう。
「えっ、神父。
教会は?」
「セレス君。
ケーキを食べないと、きっと後悔する羽目になるぞ」
「いや、あの微妙に硬くて、少しだけ甘いお菓子は別に後悔しないかと?」
「セレスさん。
騙されたと思って、ついて来てくださいよ」
「はぁ、わかりました」
孤児院に入った。
「お姉ちゃんとお兄ちゃんだ」
「私もいるもん」と、シェリーが言った。
「ほら、みんな喧嘩するなよ。
今日はな、ケーキを持って来たぞ」
「わーい」と、子供一同大喜び。
「ケーキで子供達が喜ぶというのは、どういうことなんでしょう」と、セレスは困惑していた。
「じゃぁ、みんな。お皿とスプーン用意してね」
自分たち3人分は除いた人数で等分してケーキを配った。
「みんな、神様と、ハジメ君に感謝してケーキを頂こう」
そして、皆がケーキに手をつける。
「おいしい!!」
思い思いの言葉が、一同に溢れる。
セレスさんが、ただただ困惑していた。
「これがケーキですって!!
今まで食べていたものは、なんだったというの?」
急に、神に懺悔し始めたぞこの人。
なんかへんな人だが、いい人ぽいな。
「ハジメ君、この上に乗ってる果物は?」
「苺ですよ」
男の子が、口を滑らせる。
「お兄ちゃんが冷蔵庫で食べてたヤツだ。
すごく甘いんだアレ」
ん? シェリー以外にも、苺の強奪が行われていた。
あと、俺のつまみ食いがバレていた……。
エミリーさんが、男の子の前に立ち、
「えっ、お姉ちゃん!!」
男の子は、エミリーに裏に連れていかれて行った。お説教みたいだ。
「冷蔵庫の物を、勝手に食べたらダメだぞ。
みんな気をつけるように……」
「はーい」
何人か、うつむいてる奴がいるなあ。
攻めるのもかわいそうだし、反省してるみたいだから許してあげよう。
「ああ、神父。別に食べてもらってもいいんですよ。
食べて貰うために用意してますから。ただ、たべる時は言ってもらえると嬉しいかな」
「はーい」と、一同返事してくれた。
そんな感じで、お休みを満喫した。
本当は、裏庭の家庭菜園で、苺ができてる設定にしたかったんですけど。
四季なり苺でも、1ヶ月じゃ育たないなと気づいて、急遽[異世界取引][果物]で取引枠を消化しました。




