臨時休業
先日は一日中、蛍光灯の下で 読書を楽しんでいた。
明日は仕事なので程々にして、読書を切り上げ睡眠を取ることにした。
[異世界取引]を使って、不自由のない生活をする為にネックになりそうなポイント。
・電気を確保する。
・インターネットをつなげる。(来月接続予定)
・パソコンの購入。(来月購入予定)
……と、趣味の部分は達成出来るようになった。
お店の進展に関しても、ドワルド達建築班の仕事の進み次第なんだよな。
今月は建築班に細々としたのをやってもらって、来月からパンを焼くための石窯作成をお願いする。
そして、半年後を目安に店舗リニューアルを目指す。
大きな予定が、全て来月以降なのである……。
今月は、本当にやることないなあ。
夜に、オーク狩りとビッグフロッグ狩りは続けるとして……。他に何をするか悩み所だ。
とりあえず、今月末にサドタの街のギルドにビッグフロッグを売りに行こう。大きい街だし、きっと買い取ってくれるだろう。
今月の予定を考えながら眠りについた。
そこから、月末まで良くも悪くもトラブルもなく、いつも通りの日常が過ぎていった。
3週間ほど、お店、狩り、寝るの繰り返しを行なった。
そんなある日、外から雨音が聞こえている。
三日程雨が続いている。雨が降ると商品の受け渡しが屋台の為、客足落ちるんだよなぁ……。
よし、臨時休業にしよう。
屋台に、臨時休業の札をかけて。
建築班は、お店の一階の室内作業してもらうことにした。
教会には、[転送魔法]を使って臨時休業を伝えに行った。
今日は臨時休業なので、俺は明るい光の下でゴロゴロして過ごそう……と、蛍光灯のスイッチを入れた。
つか……ない……。
[太陽光発電]だから、当然である。
雨が続いて、発電をしていない!!
臨時休業にする為に、せっかく色々手回ししたのに……グスン。
雨が続いて、狩りには行きたくないし。
今日は建築班が来たら、色々と雑用(集金等)を片付けよう。
いつもの建築班が来る時間まで、待っていたらドワルド達がやって来た。
「店長、雨が続くのぉ」
「それなんだけど、雨でお店を臨時休業にしたんで 、建築班は室内での業務をメインに動いて下さい」と、建築班に伝えた。
「今日は、建築班も半休でいいから」
「はーい」と、野太い声の返事が聞こえる。
「色々と出かける用事あるんで、私はお店にいないから」
「あの、店長僕は?」と、コッペが聞いてきた。
飲食班だけど孤児院とは無関係なので、コッペは出勤しているのである。
「今日は、飲食班はお休みにしてるから。
コッペ君も半休でいいから、お店の掃除しといてもらえるかな」
「わかりました」
「そしたら、出かけて来るんで、あとはよろしくね」と言って。俺は雑用をこなすことにした。
まずは、[ファービレジ]の村に行ってみるか。
[転送魔法]で[ファービレジ]へ移動した。この村も雨が降っていた。
ファービレジの食堂に着いた。
お店に入る前に、[クリア]の魔法を使いお店に入った。
雨が降っているため、お店は並んでる人はいなかった。あと、お店に来るのが早すぎたかもしれない。
お店に入り、店員さんを呼んでみた。
「あのー、すいません」
奥さんが厨房から出てきた。
「なんだい? あー、アンタかい」
「どーも、ご無沙汰してます。
そろそろ、コーラのお届け時期だと思って、少し早いですけど届けに来ました」
「あー、それなんだけど先週に品切れを起こしてね。
この雨が止んだら、旦那にアンタを呼びに行かせようと思ってたんだよ」
「これでも、一週間早く来たんですけどね。
なんかすいません……」
「いやいや、それは仕方ないのさ。
次は、前回より1ヶ月分多く仕入れるよ」
「前回は半年分だったんで、一ヶ月分の追加で7ヶ月分ですね。
そしたら、4ヶ月分は先に代金頂いて、残りの3ヶ月分は売掛で出しときますね。
それと、前回の売掛分と今回の4ヶ月分の支払いになりますけど大丈夫です?」
「それは問題ないよ。
おかげさまで繁盛してるからね」
「一つ気になってた事が、あるんですけどこの、[コーラ]の容器どうされてます?
結構、本数出てたでしょ」
「ああ、それは焼却炉で燃やしてるよ」
「それならいいです。
一つ、こちらからお願いがあるんですけど。
この容器は特殊なものなので、売ろうと思えば売れると思います。
私がこの商品をそちらに卸す条件として、この容器は確実に処分するようお願いします」
「そんなに、この容器が重要なものなのかい?」と、奥さんが聞いてきた。
「そうですね。お得意先ではありますけど、取引をすぐ引き上げる位には重要な案件ですね」
「それは困るよ」
「いえ、きちんと処分していただければ問題ありませんよ」
「何故? 急にこの件を?」
当然の疑問だ。
自分も、ペッドボトルに関しては、元々は考えてなかったのである。
これは非常に性能が高く、この単品で商売が出来るのではないかと考えたのだ。
[コーラ]で稼いで、ペッドボトルでも稼ぐなんてやられた日には市場崩壊の可能性もあるのだ。
それは、避けたいそれだけだ。
注意したのは、私がベッドボトルを売って稼ぐつもりがないので、それを第三者にやられると癪だからという理由もある。
「売り切れを起こす程に、[奥の宿]さんは売れてるようですし。
この容器から、企業秘密がバレかねませんから」
「そうなのかい、わかった。
徹底させるよ」
「はい、お願いしますね。
それじゃ、先に商品を納品したいので案内お願いします」
「ついて来てください」と奥さんに言われて、この前と同じ冷蔵庫に案内された。
冷蔵庫に、[コーラ]7ヶ月分の在庫を納品していった。
「在庫7ヶ月分納品したので、ご確認お願いします」
奥さんが冷蔵庫へ入って行った。
しばらくして、「在庫、確認したよ」と言って、奥さんが冷蔵庫から出てきた。
「それでしたら、次は、代金の支払いをお願いしますね」
「代金を支払うので、宿屋までついて来てもらえるかい?」
「わかりました」と言って、二人は宿屋へ移動した。
「おっ、にーちゃんじゃねーか」
「ご無沙汰してます」
「雨が止んだら隣町のにーちゃんに会いに行こうって、話してたところだったんだ」
「はい、奥さんから聞きました。
私も雨が降ってたので、お店臨時休業にしたんですよ」
「それで、ウチに来てると……」
「そうですね」
「ゴホン、そろそろいいかしら?」
咳払いをされて奥さんに、会話を旦那さんとの無駄話を中断させられた。
「あっ、すいません」
「これが前回の売掛の代金と、これが今回の代金になります。
ご確認お願いします」
コレといって、問題なかったので代金受け取り。
「はい、結構です」と言って、取引成立した。
「次回の配達は、今回と同じ4ヶ月後ですかね?」
「それで、お願いします」
「わかりました、また4ヶ月後伺いますね。
それでは……」と言って、宿屋を後にした。
雨が降ってるので、外に出てすぐに[転送魔法]を使った。
次は、[サドタ]の街のギルドに前に移動した。
相変わらず、でかいギルドだ。この街でも雨が降っていたので、さっさと建物に入ろう。
そして、ギルドの受付に並ぶ……。しばらく待って自分の順番がきた。
「次の方どうぞ!!」
明るいハキハキとした女性の声で、呼び出しを受けた。
「あ、どうも」と言って、受付の席に座る。
「今日は、どのようなご用件ですか?」
「ビッグフロッグと、オークの買取お願いします。
あ、すいません この二つって、どれくらい買い取ってもらえます?」
「ビッグフロッグと、オークともに全て買い取れると思いますよ。
ビッグフロッグは食料として貴重ですが、距離があるのでまず持って来られないので、ビッグフロッグは鮮度がよければ輸送費込みだと40ゴールドですね」
「えっ、そんなに高額なんですか?」
「まず、手に入りませんからねぇ……。
セカンタの町から、ここまで輸送するのに最低5でも日以上かかりますし」
「ちなみにオークは?いくらですか?」と聞いてみたら、それはセカンタの町と買い取り額は変わらなかった。
「ビッグフロッグとオークだったわね……」
受付さんが用紙に、ビッグフロッグとオークと記入している。
「はい、コレに買い取り数を記入して下さいね」
ビッグフロッグ 1000匹、オーク250匹と記入して、受付さんに渡した。
「えっと、ビッグフロッグが1000匹ね……って1000匹?
どこに、そんなに持ってるというの?」
バッグを叩いて、「コレが、特別性なんですよ」と言った。
「マジックバッグ持ちね」
「確認の為に、ギルド証出してもらえるかしら」
「あっはい、コレですね」と言って、ギルド証を受付に渡す。
受付さんはギルド証の確認を行い、注記欄の箇所に目を止めた。
「あなたは、マジックバッグの所持者でギフト持ちなんですね」
「そういう事らしいですね。商人ですけど」
「わかりました。
それでは右手の方にある買い取り倉庫で、現物を出してください」と言って、買い取り用紙に印を打って、ギルド証と一緒に手渡された。
「右手側ですね。わかりました」
受付を離れ人混みを目抜け、右手奥の買い取り倉庫へ移動した。
ここが、この街の買い取り倉庫か、見たことのないモンスターの部位や魔石が並んでいる。
買い取りスペースで空いてるところはないかなっと……。
ちょうどいい具合に、奥の方の買い取りスペースが空いていた。
そこへ移動して、イカツイおっさんの受付に「買い取りをお願いしたい」と言って、買い取り用紙を渡した。
「おう、新顔だなにーちゃん!!今日は何を持ってきたんだ」と言って、買い取り用紙を確認する。
「はっ? ビッグフロッグ1000匹だ? 冗談だろ。
おい、にーちゃん。ギルド証提示しな」
「ギルド証ですか?」
突飛もない数字を見せられて、俺を疑っているようだ。
仕方ないのでギルド証を提示した。
受付はギルド証を確認して、何かを理解したように頷いて、ギルド証を返してくれた。
「金額は向こうで聞いてるだろうから。ビッグフロッグの数量と鮮度を確認させてもらう。
オークは、どうせ骨と魔石だろうから数だけ確認する」
「部位毎に分けてませんけど、大丈夫です?」
「大丈夫だ、問題ない」
「あとすいません、ビッグフロッグの魔石は利用するんで返却してもらいたいんですけど、大丈夫ですかね?」
「どうせ、クズ値にしかならないかし。
食肉にするときに魔石は抜くから構わんよ」
「じゃあ、ここに置いていきますね」
買い取りスペースが、カエルで埋め尽くされたのであった。
あと、小さくオーク関連が少しある状態だ。
この辺り一面が、カエル臭くなったが仕方ないだろう。
「状態は素晴らしく良いな。
これなら満額出して良いだろう」と言って、今回の取引金額を渡してくれた。
魔石に関しては、後日ギルドに取りにきてくれとのことだ。
「あー、にーちゃんのマジックバッグが制限ないのはわかったが。
こんなに、ビッグフロッグ持ってこられたら。
次回の買値は半額位に落ちると思うよ」
「あー、値段さえつくなら持ってきますよ……」
受付は呆然としながら、乾いた笑いを発していた。
「おい、にーちゃん。
時間があるなら、ちと話をしないか?」
「いいですけど」
「おい、お前ら。
このカエルを加工して冷蔵庫に突っ込んどけ」と受付が言った。
「はーい」と、ギルド員が返事をする。
あれっ? この人は、もしかするとギルドの偉い人?
そんな事を考えていたら、すぐについてくるように言われた。
そして、毎度恒例のギルドの来客室へ、連れて行かれるのだった……。




