再び出荷される、[出禁]のおまけ付き。
エミリーが部屋を出たあと、教会へ来た本来の目的を思い出した。
そうだよ……。私は女神に会うために来たんだった。
このままだと色々考え事をしてしまうので、[スリープ]の魔法で強引に眠りについた。
……。
…………。
あぁ、明るい。部屋で寝てたはずなのに空が見える。
前回と同様に、女神様が話しかけてきた。
「二階堂さん。
再び、私に会いに来たのですね。もしかして、私に、惚れましたか?」
この前、俺が言った事をやり返してるんだな。
「それはないです、女神様も冗談言うんですね」
まったく接点のない女神に、どうやって惚れろと言うんだ。
無茶振りにも程があると考えていたら。即、女神から釘を刺された。
「二階堂さん、余計な事考えないで下さいね。
帰りは無事に帰りたいですよね」と言って、女神は笑顔のまま威圧をかけてきた。
「再び、ここにきた理由があるんですよね? 二階堂さん」
「ああ、そうでした。
今回聞きたかったのは[異世界取引]のスキルで、[インターネット]を指定したら。
責任者に連絡しろって言われて、それで女神様だろうなと思ってここに来ました」
「大方、その認識で合ってますよ。
月額支払いの場合は、口座に振り込む形になるんですよね」と、女神は言った。
「そもそも、[インターネット]引けるんですか?」
「できますよ、ただ回線を引くための拠点が必要になりますね。
なので、家賃+ネット使用料が必要になると思ってください」
うぐっ、俺が住んでた所が家賃6万位だったから。
ネット料合わせたら、毎月65000円(650ゴールド)位いるのか。
「そうですねー。
拠点は、二階堂さんが住んでいた建物がいいでしょうね」
続けて、コチラに聞こえないように、「準備しやすいですし……」と、女神は小さく呟いていた。
「登録されるんでしたら、支払いは来月からになりますけど?
あと、それ専用のアイテムを差し上げますよ」
「専用のアイテム?」
「ああ、コレですね」と言って、通帳と扉のついた小さな箱を俺に渡してきた。
……って、オイ。この通帳は俺のじゃねーか!!
あと、この箱はなんだ……?
「それで、ノルン様。
この通帳とこの箱はどう使えばいいんだ?」
「まず箱についてです。
この箱からケーブルが出てくるんで、【ルーター】につなげるなり、そのまま直接PCにつなげるなりするといいです」
うむ……。 【ルーター】は必要だな。
「通帳は、あなたのもう一つのスキル[異世界両替]を利用して、65000円に両替してお金を通帳に挟んで[アイテムボックス]に入れておいて下さい。
それで、どうします? まぁ答えはわかりきってますけど」
「やるに決まってるでしょ。電気、パソコンときたらネットやるしかないでしょ。
ああ、そうだ。前もって、多めに何ヶ月分とか大目に振り込むのは可能ですか?」
「可能ですよ。
ただし、未払いになった場合は回線解約なのでご注意ください」
鬼かこの女神、俺から回線を奪うなんて、この人は女神じゃなくて鬼だ……と、考えていたら。
その思考を女神に読まれた。
「誰が鬼ですか失礼ですね。
未払いしなければ、いいんじゃないですか」
「家賃の6万が無駄に重いんだが……安くならない?」
「なりません」
女神に完全敗北した瞬間だった……。
「契約します」
「はーい」と言って。満面の笑みを浮かべる。
なんか嬉しそうだな……。
女神を浮かれさせたまま異世界に戻るわけにはいかない!!(使命感)
「そういえば、一つ聞きたいことがあったんですよ。
この前の……」
左手で輪を作って、右手の指を、まっすぐ突き刺す動作をしてみせる。
「俺の[魔法使い]喪失条件、詳しく教えて下さい。
あの説明じゃ、正直わからないので」
女神は、すごく嫌そうな表情しながら。
「わかりました。質問して下さい」
「では……」
今度は、俺がイキイキとし始めた。
「Q1.ゴムを使用した場合は条件未達?」
「その場合でも、喪失です」
「直接、中に出てないのに?
ダメなんですか?」
「それ以上、深追いするなら終了しますよ」
「あっ、すいません」
「Q2.お尻なら大丈夫ですよね」
「変態ですか? 相手に、そういうこと、要求するつもりなの?」
「これなら、いけるんじゃないかなと、寝ずに考えたことがありました!!」
「最低です、却下します。喪失です」
「そうは言っても〜!!」と、ゴネたら睨まれた。
「すいません」
「Q3.襲われて強引に奪われた場合は?」
「あなたが何考えてるか、手に取るようにわかるわ……喪失です」
ぐぬぬ、厳しい……。
あっ、そうだ。
数々のプレイを誇る風俗があるじゃないか……と、思いついたら。
思考を読んだ、女神は心底嫌そうな表情をした。
そのあとも、質問責め(ほぼセクハラ)を行い。
有用な、情報を引き出せた……。
先程の三つの質問、喪失条件以外は、許容範囲とのことだった。
「ふぅ……」
俺は、一仕事やり終えたかのように、額を手で拭うポーズをとった。
一方ノルン様は、完全に頭にきておられるようだ。
「女神様。質問終わったんで帰りたいんですけど?」
「ここまで辱められてタダで帰れると、思わないで下さい。二階堂さん」
「ヒィーー!!」
俺の体に、羽衣が絡みついてきた!!
毎度のように、羽衣で締め付けられて[加工]され身動きが取れない。
「許しては、貰えないですよねー」
女神は笑顔で、「許してもらえるとでも?」と言った。
「で、デスヨネー」
ぐるぐるぐるぐる……。
コレマジできついからやめてぇー!!死ぬぅぅ!!
ぐるぐるぐるぐる……。
俺は気を失った……。
「魔法使いは、異世界に出荷よー!!
あと、あなたは出禁です」と、女神は嬉しそうに俺を再び出荷した。
「(´・ω・`)そんなー!」と、つい叫んでいた。
……。
…………。
はっ!? 朝だ。
俺の右手には、通帳と小さな箱を持っていた。
夢では、なかったんだな。
前回よりも、羽衣で加工されたあとが全身に、キツく残っていた。
えっと、女神にセクハラしすぎて、出禁食らった?
インターネットさえ手に入れば、今後は女神に会わずとも、なんとかなるだろう。
ネットの情報が全て真実とは言わないが、使い方さえわかれば無限の知識を手に入れたにも等しいのさ。
ノルン様に出禁は食らったが、[インターネット]の獲得で、これからはきっとイージーモードになるはずだ。
勝ったな、ガハハ!!
エミリーが、部屋に入ってきた。
「ハジメさん、なにかありました?
……って、なんですか? 身体中に残ったその跡?」
「女神様に、やられました」と言った後に、スミス神父が現れた。
「さっき、ノルン様の啓示があってね。
二階堂 始、半年間の出禁を命ずるって、啓示がきたよ!!
君は一体、何やらかしたんだい?」
「えーと、主にセクハラ……かなと」
「ハジメさん……」
エミリーから、ジト目を食らった。ああ、シド目が痛い……。
「ここまで、はっきりと聖痕が残るとは……」と別の意味で感心していた。
[ヒール]と[ヒーリング]で、羽衣で締められた跡を消し、教会を出ることにした。
この場にいても、面倒ごとになりそうな気がする。
「それじゃ、今日はやる事ありますんで! 失礼します」と言って、逃げるように教会を出て行った。
その後、裏庭の間スペースに[太陽光発電]で、太陽光パネルの設置し、蓄電できるようにして、ケーブルの接続やその他の付属品の接続などを行なって、二階の部屋に[蛍光灯]を設置した。
蛍光灯以外にも電気を使えるように[電気部品]で、コンセントを設置した。
電気が無事通電し、蛍光灯に灯りがともる。
これで、夜も明るい快適生活だ!!
来月からは、パソコンも使えるし、ネットも使えるようになる。
そんな事を考えていたら、なんか感無量になってしまい。
涙が出てきた……。自力で何かやり遂げるって面白いな。
コレがDIYの醍醐味なのかな。
来月には、更に楽しみが増えると考えると、部屋も明るいおかげか気分も明るくなれた。
明日は、頑張ろう!!
(今日は、この蛍光灯の下で一日中ゴロゴロしてる予定だ……)




