サドタの街
シェリーとのデートの後は、そのまま自宅(お店)に帰った。[サドタ]の街への探索はせず、いつもの勉強をして勉強に飽きて来た所で睡眠についた。
……。
…………。
朝だ……。今週は、やることが多いぞ。
今週は冷蔵庫を完成させるために、夜間は[転送魔法]を利用しての[サドタ]の街への移動。
二つ目は、いつも通り店を営業するのだ。
この二つの作業を、こなす必要がある。
大丈夫……。睡眠時間は取れるから問題はないさ、日本で社畜してた時のサビ残と変わらんさ。
家に帰って寝るだけの毎日……。
あの頃は、円盤の購入はしていたが、ほとんど見る時間なかったよなぁ。通勤時間と帰宅時間がない分、こっちの方が時間とれるさ……。
いつも通り、お店の営業して終業した。そこから、[転送魔法]で先日移動していた地点まで移動した。
[転送魔法]を体験してみると、瞬間移動とどこでも◯アは、本当にチートだな。……と、しみじみと思うのであった。
仕事終わりの夜間を利用して、4日ほど街道沿いに進んでいけば街につけるだろう。
道中、オークの集団を見つけては、物陰に隠れて魔法による討伐を繰り返した。
そんな毎日を繰り返し4日目の夜。ようやく[サドタ]の街に到着したのである。
周りが壁に囲まれていて、まるで要塞である。見上げるほどの大きな壁だ。
この城壁が街を囲むように続いてるとなると、街は相当賑わっているのだろう。入り口が検問所になっていて、街の兵士が立っていた。
せっかく到着できたし街へ入るか……。
夜中ということもあり検問所を使う人間は少ない。むしろ、俺くらいしかいなかった。
門を警備する兵士の前まで歩いていった。そして、当然のように兵士に行き先を阻まれた。
「止まれ!! こんな夜中に、街に何のようだ!!」と、兵士に問われたので。
「私は、[セカンタ]の町から来た商人でして……。
ここに大きい街があると聞いて、歩いて来た次第です」
「道中、オークの集団に出くわさなかったか?」
「いえ、出くわしませんでしたねぇ。
商人なので運が良かったからですかな」
「商人が一人でこの街に来るとは、命知らずにもほどがある」
「いえ、商売の機会を失う事の方が商人として心が痛みますので。
そこは、考えの違いをご理解ください……」
「ほう、君は若いのに随分と商売熱心なんだな」
うんうん、と納得したように兵士が頷いている。
「名前と、レベルと、職業がわかるもの提示してくれ」
「ギルドの登録証でいいですか?」
「あぁ、それでいいぞ」
ギルド証を兵士に提示した。
「名前は、ニカイドウハジメで、レベル18 職業 商人だな……」
この四日間で、レベルが15から18に上がっている。
思っていたより、オークの経験値が良かったのだろう……。
「問題ないな!! そしたら、街に入る代金として5ゴールドの支払いが必要だ。」
「街に入るのに、5ゴールドですか」
10ゴールドを、兵士に握らせた。
「今後とも、お世話になると思いますので」と、言って色をつけて代金を手渡した。
「お、おう。そうか!!
よし、通れ!!」
「どうも」と言って、兵士に頭を下げて街の中へ入る。
魔道具を利用した、灯りで街は夜中でも明るかった。道も広いし建物がズラッと続いている、[セカンタ]の町とは規模が違いすぎる……。
セカンタは町だが、サドタは街という感じだ。都会感があった。
街には、ある程度の明るさがあったので、2時間程街を探索をした後に[転送魔法]で帰宅した。
これは、目的の店が店がどの辺りにあるか聞いておかないと、魔石屋がどこにあるかわからないぞ。
明日は、探索の前に魔道具屋で場所を聞いてから動くのしよう。
その日は、そのまま眠りについた。
◆◇◆◇
いつもの仕事を終え、魔道具屋へ移動した。
「店主!! いるかい!!」
「なんじゃ、お主か。 どうしたんじゃ?」
「サドタの街の魔石屋が、何処にあるのか教えてくれ。
街が広すぎてわからない」
「そうか、そうかそれもそうじゃの。……って、お主まるで行って来たように話すのぉ。
お店の営業を毎日しとるから行けないじゃろ」
「まぁ、そこは企業秘密で」
「ふーむ、[転送魔法]を使う[魔法使い]に知り合いがいるなら、行けなくはないが思うがの。
まぁ、いいわい。魔石屋はサドタの街ギルドの中に併設されとる。
あの街のギルドは大きくての、いろんな店が入っとる」
……と説明され。更に続けて、
「あの街から、北へ進めば氷の大陸。
西へ行けば 大森林。
東へ行けば 砂漠が広がっておる」と、魔道具屋に説明を受けた。
「へぇ、そうなのか。という事は、とりあえずギルドに行けばいいんだな。
よし、それじゃ行ってくる!!」
お店を出て、[転送魔法]で[サドタ]の街へ移動した。
まだ陽は出ているので、街のあらかたの姿が見えている。
えっ!? お城?
この街は、王様でもいるのかな?
お城のある反対の位置に、お城程ではないが大きな建物が見える。
もしかして、ギルドってあれかな?
街の人にちょっと、聞いてみるか……。
街の女性が、近くにいたので聞いてみた。
「あの、すいません。ちょっとだけ、お聞きしていいですか」
「あっ、はい。なんでしょ?」
「私は、[セカンタ]の町からから来た商人なんですけど、ギルドを探してるのですが……。
もしかして、あの大きな建物がギルドですかね?」
「あっ、そうですよ」
「すごく大きいですね、びっくりしました。
あと、もう一つ質問いいです? あそこにある、城は、王様が住まれてるんですか?」
「いいえ。この街の代表をされている、貴族のリストア様が住まれてますよ」
「そうなんですか、ありがとうございます」と言って、頭を下げてお礼を言った。
まぁ、俺に貴族は関係ないな。とっとと、ギルドへ行こう。
ギルドの前まで歩いて来た。
建物の前着いた時、つい息を飲んだ。デカい!! そりゃ、お店が入りますわ。
建物の中に入ると、人で溢れかえっていた。なんだろう、大型商業モールに人が溢れかえってる感じを思い出した……。
とりあえず、ギルドの案内を探そう。辺りを見回して、案内を探した。
あった!! 案内の文字が書かれている場所へ移動した。
「あの、すいません。お店について聞いていいですか?」
「はい、どこのお店です?」
「魔石屋さんを探してるんですけど、どこにありますかね」
「それなら、二階のココですね」と、建物案内用のマップを見せてくれた。
「ここから右手側、の階段上がってもらって、右側にありますよ」
「どうも、助かりました」
案内の指示通りに移動した。
右手側の階段を上がって右手側……あった。
ここが魔石屋か。
魔道具屋と、この魔石屋といい、この系統の店は外観から胡散臭い感じが滲み出ているんだ。
しかし、入るしかあるまい……。諦めて、胡散臭いお店に入った。
「いらっしゃい」
ギルドの建物の中には人が混雑しているが、魔石屋の中には俺と店主しかいなかった。
「珍しいねえ、お客さんかい。
ギルドでは魔石を売る人間は多いけど、買う人間は少ないからねぇ」
「そうなんですか?」
「今日は何を買いに来たんだい?」
「えっと、アイスタートルの魔石、アイスウルフの魔石、アイスバードの魔石の三つですね」
「なんじゃ、魔道具で冷蔵庫でも作るのかい」と、言い当てられた。
「あっ、はい。
セカンタの町の魔道具屋に頼まれまして、魔石を買いに来たんですよ」
「ちょうど掘り出し物で、アイスドラゴンの魔石を仕入れてるんじゃがどうだ?」
確か、冷凍庫作るためにいるんだったっけ?
「いくらなんです?」
「1000ゴールドじゃな」
「高いですねぇ……」
「馬鹿を言うな、それくらいの価値は余裕であるもんじゃぞ」
「そうなんですか? 私は冷蔵庫を作ることしか考えてなかったんで。
とりあえず、現物見せてもらっていいです?」
「ほれ……。これが、アイスドラゴンの魔石じゃ」
鑑定をかけた。
アイスドラゴンの魔石で間違いないみたいだ。
ギルドの買取価格が500ゴールドと表示されてた。
ギルドが500で買い取ったのを、700くらいでこの店が仕入れて、この店が1000ゴールドで売るって所か。
妥当な値段ではあるのかな。
うーん、あっても困りはしないけど。
なくても別にという感じなんだよなぁ。
ん?……いや、待てよ。氷は作れないとまずいぞ。
俺が居ない時に氷でコーラの水増しができないから、ゆくゆくは冷凍庫で氷を作る必要がある。
商談で不利にならないよう、表情に出さないように話を続けた。
「そうですね、欲しくはあるんですけど、冷蔵庫作りたいだけなんですよね。
まず、三つの魔石を合計でいくらになります?」
「三つで1000ゴールドじゃな」
「それじゃ、アイスドラゴンの魔石と三つの魔石を二つずつ買うんで、合計で2400位に値引きできませんか?」
「それは無理じゃ、2700までが限度じゃ」
「2500ゴールドで、お願いします」
「主、鑑定持ちじゃろ。
商人の相手は表情が変わらんから、相手するのがキツイのぉ……。2500で良い」
「どうも……」
2500ゴールドを店員に渡して、冷蔵庫用の魔石を2セットとアイスドラゴンの魔石を受け取った。
「良い取引でした。
また来ますよ」
「もう、こんでええわい!!」
「あはははは」と、笑いながら店を後にした。
よし、ギルドから出て物陰に隠れて。
[転送魔法]を使って、セカンタの町の魔道具の前に来た。
「店主。度々すまない!!
指定された魔石を買って来たぞ。
あと、すまないが追加で冷凍の魔道具も作ってくれ」
「ちょっと待て、さっき来たばかりじゃないかお主」
「そう言っても、買って来たし」
買って来た、魔石を店主に渡す。
「魔石代は全額こっちが負担して構わないから、冷凍と冷蔵の魔道具を作ってくれ。
魔道具が完成したら製造費として、2000ゴールドはそのまま支払うから」
4000ゴールドは、ほぼ依頼料と材料費で飛んでしまう設定価格なんだろう。
タイミング合えば作れるということで、半年と魔道具が判断したのだろう。
「お主のお店の休みの日には、魔道具が完成するから2000ゴールド持って取りに来い」
「そしたら、休みの日に取りに来るよ」
あぁ、週末が楽しみだ……。
町の名前が適当に見える?そんなあなたはきっと正直者です。
「ファービレジ」ファーストビレッジ
「セカンタ」セカンドタウン
「サドタ」サードタウン
の、略です。(笑)




