褐色肌に似合う色って?
前回の戦闘の後2日程眠り続けていたらしいが。
風呂に入って、ぐっすりと寝たので。
俺、完全復活!! と、言ったところだろう。
今回の件を結末をまとめるために、一度ギルド長と副町長達に集まって貰う必要がある。
私が呼びに行くのも面倒なので、ギルド長にお願いするか。
朝起きて、朝ごはんを食べて、出かける。
「行ってきます!!」
「「行ってらっしゃい」」と、エミリーとシェリーが送り出してくれた。
「アリアなんで俺の横についてきてるの?」
「ご主人様の体調を心配するのは、メイドの務めですから」
「まぁ、そうなのかもしれないけど……。
君は元々メイドじゃないでしょ?」
「ご主人様の奥様がたは、各々お仕事があるので、ご主人様の様子を見て頂くように頼まれましたから」
あぁ、確かにキャリーは、すでに職場に行っていていなかったな。
「無理はしないから、大丈夫だよ?」
「そう言われるのも、エミリーさんから釘刺されてます。
今日だけは我慢してください、みんな心配してますから」
「わかりました、それじゃ付き添いお願いするね」
「ハイ」
私は、アリアに付き添ってもらいギルドへ移動した。
ギルドに入ると、いつものように来客室へ通された。
「やぁ、ハジメ君。無事だったみたいで何よりだよ。となりの女性は?」
「元リストア様のお付きの子ですよ。
色々あったのでウチで、メイドさん兼秘書みたいな事をやってもらってます」
「あはは、その子をお付きにするとか、ハジメ君もあの人みたいな趣味に目覚めたりしないだろうね?」
おいおい、その冗談は聞き捨てならないかも……と、思っていたら。
アリアがマルコさんに食ってかかった。
「ご主人様を悪く言うのはやめてください、すごく良くしてもらってますから」
「あぁ、すまないすまない。軽い冗談だよ」
「私は彼女が嫌がる事一切させてませんよ、ギルド長」と言って、すこーしばかり威圧しといた。
「そんな目で見ないでくれよ。
ハジメ君、私が悪かったから」
「わかればいいんです……」
「それで、今日はこの間の件だよな?」
「そうです。副町長二人を呼んでもらっていいですか?」
「あぁ、わかった。今すぐ手配しよう」と言って、マルコはギルド員に呼び出しの件を伝えた。
「2時間位は、時間がかかるからほかの場所で何かして来るといいよ」
「はい、ありがとうございます。
それでしたら、三号店に行ってきます」と言って、礼をしてこの場を離れた。
ギルドから出た時に、一つ気になったことがあったので、アリアに聞いてみた。
「アリア、今着てる服って、貴族の所にいた時の服だよな?」
「はい、そうですが?」
「それを着てるとさ、アリアが辛いこと思い出しそうだから、私に新しい服買わせてくれないかな」
「ありがとうございます、ご主人様」と、丁寧にお辞儀をしてきた。
「それにさ、君は私より年下なんだよね、大人の真似事しなくてもいいんだよ」
「それは、それです。ここが私の居場所だと思ってます。
だから仕事に手を抜きたくないです」
「そっか、それならいいんだけどさ。君はシェリーと同じ歳くらいでしょ」
「あの子はあの子の人生がありますし、私には私の人生がありますから。
それに、ご主人様に救われたのですから恩を返すのは当然です」
ああいう目にあうと、ここまで自分の事を達観できるのか……。
あれだけ、辛い目にあってきたんだ、この子にはもっといい思いをしてもらいたい。
「アリアは、何かやりたいことはないのかい?」
「いえ、私はご主人様の専属のメイドで大丈夫です。
ご主人様の為ならなんでもできます」
「え、なんでも?」
「はい、なんでもです」
「そっか、君も大事にしないとな」と言って、頭を撫でてやった。
アリアは、年相応に少し照れてた。
三号店に行く前に、まず服屋へ行って。
アリアの服を探した。
メイド服は、なかったので2~3着同じサイズのものを、新しく仕立ててもらうことにした。
「店員さん、あの子に似合いそうな服を選んでくれない?」
「今度はあの子なのかい、次から次に手を出して。
ホント社長さんは、好きものだね……」
「はいはい、そういうのはいいんで早く選んでくださいよ」
「そうだね、あの子なら肌が暗めの色だから、明るく見せるために、あえて白?
もしくはベージュ系かしら、ちょっと持って来るわね」と言って、売り場に戻った。
アリア自身も、商品を探してるみたいだ。
「お客さん、これなんかどう?」
白ワンピースとベージュ系のワンピースだった……。
「アリア、ちょっと来て」
「ハイ」と、言ってこちらに歩いてきた。
「この二つなんだけど、試着してみない?
あと気に入ったものがあったら、それも試着して見せてよ」
「ハイ、わかりました」と言って、すごく嬉しそうだ。
アリアは、試着室に3着程服を持って行った。
「お客さんの好感度稼ぎの、スポットになってるわねー」
「お店としては、お得意さんがいて、すごくいい事でしょう。
それはいいとして、彼女の採寸してもらって、メイド服を3着程仕立ててもらっていいですか?」
「それは、構わないよ」
「あと、メイド服でも今着てるデザインとは、彼女の為に少し変えてもらっていいですか?」
「なんか訳ありっぽいね、任せときなさい」
「お願いします」
「ご主人様、いかがでしょうか?」
白のワンピース、コレは外れないなぁ。
「購入」
次に、ベージュのワンピース……。
「購入」
「あと、私が選んだのですけどみてもらえますか?」
「いいよー、アリアが気に入ったのなら買ってあげる」
試着室に再び入っていき、着替えてから出てきた。
「どうでしょうか?」
濃いめのピンクか、良いね。凄くいいと思う。
「購入。店員さん三つとも、買います」
「まいどあり、今まで来てた、メイド服はどうするの?」
んー、正直あの腐れ貴族のアレが染み付いていそうな服は処分したいので。
「処分してください」と、即答した。
「アリアもメイド服できるまでは、私服で仕事していいから我慢してね」
「はい」
アリアは、おばちゃんに採寸してもらったあと、私の横に、やって来た。
「それじゃ、お客さん前と同じように、お店のツケでいいのかい?
メイド服もその時に渡す形でいいかい?」
「あぁ、それでいいよ。
月末に配達と請求に来てくれ」
「それは、そうとお風呂の施設壊されちゃって、ホント残念だねぇ。
町で募金活動やってたから、私も少し募金したから早く復旧しとくれよ」
「あ、ありがとうございます。
今から三号店に行こうと思ってたんで、スタッフのみんなに伝えときますよ」
と言って、服屋を離れた。
復旧を期待されてる、これは本当にありがたい事だ。
「ご主人様、服を買っていただきありがとうございます」
「いいんだよ。欲しいものがあるならもっと言ってくれよ」
「私の嫁さん達ホント無欲でね……」
「お言葉ですが、ご主人様。
私達は十分に恵まれてます、そんな心配は不要と思いますよ」
「そっか、それなら時々プレゼントするくらいで大丈夫なのかな」
「はい」と、ハッキリと言われてしまった。
その後、三号店に寄ってお店の状況や、キャリーとドワルド達にリニューアルの準備の状況などを詳しく聞いた。
後1週間もあれば、リニューアルの準備は終わるらしい。
二週間後には、再オープンが可能と連絡をもらった。
三号店の皆と話をして、リニューアルも順調と話が聞けたので満足した。
「それじゃ、三号店のリニューアルよろしく頼むよ」
「ハイ」と、社員一同で返事をしてくれた。
これなら三号店は大丈夫そうだと思い、この場をはなれた。
そろそろ、予定の時間になるので私達二人はギルドへ向かう。
ギルドに到着し、そのまま来客室へ入ると、呼び出しをしていた面子が、全て揃っていた。