第132話 レイド報酬
翌日。
王都ギルド。
普段より遥かに騒がしかった。
「アーミークイーンだってよ……」
「しかも卵管破壊したらしい」
「B級中心で生還したってマジか?」
噂が広がっている。
その中心。
フォーチュンスター達は、
少し眠そうな顔で座っていた。
「眠い……」
リナが机へ突っ伏す。
「三時間しか寝てない」
「俺もだ……」
バルトも死んだ顔だった。
そんな中。
ギルド長が奥から現れる。
書類の束。
周囲の空気が少し変わった。
「報酬決まったぞ」
その瞬間。
全員が少し起きる。
「まず」
ギルド長が紙をめくる。
「レイド特別功績」
「フォーチュンスター、
蒼銀の翼、
穴②防衛部隊」
合同報酬。
「金貨百二十枚」
沈黙。
「……は?」
リナが止まる。
バルトも固まった。
「ひゃく?」
ゴルドが聞き返す。
ギルド長は普通に続ける。
「さらに」
「クイーン卵管破壊功績」
「追加で金貨八十枚」
「お前ら中心だ」
さらに沈黙。
ヴァルクが吹き出した。
「ははっ……
王都で家買えるぞお前ら」
リナがゆっくりセイルを見る。
「……家買う?」
「買える」
即答。
「いや軽っ!!」
リリスがツッコむ。
だが。
ギルド長はまだ終わっていなかった。
「あと」
視線がレナへ向く。
「拾った素材は拾った奴のもんだ」
「持っていけ」
レナの顔が少し明るくなる。
「やった」
ギルド長が笑う。
「普通あの撤退戦で、
素材回収してくる奴はいねぇ」
ヴァルクが肩を震わせる。
「ほんと面白ぇなお前ら」
その時だった。
ギルド長が急に真顔になる。
「あとフォーチュンスター」
「はい?」
リナが返事をする。
ギルド長は腕を組んだ。
「B級昇格試験受けろ」
空気が止まる。
「え?」
「今回ので実力は十分見えた」
「だが規則は規則だ」
ヴァルクがニヤッと笑った。
「パーティ戦か?」
「そうだ」
ギルド長が頷く。
「相手はB級パーティ」
「連携戦闘試験だ」
バルトが少し笑う。
「うおー……
ついにB級か」
だが。
ギルド長はそこで付け加えた。
「ただし——」
嫌な間。
リナが少し顔をしかめる。
「なによ」
ギルド長は真顔だった。
「合体魔法は禁止だ」
沈黙。
「えー!?」
リナが即叫ぶ。
「なんでよ!?」
ギルド長が即答する。
「死人が出る」
ギルド内が静まり返る。
そして。
ヴァルクが腹を抱えて笑い始めた。
「正しい判断だ!!」
ゴルドも吹き出す。
「壁ごと消し飛ぶわ!!」
リリスが少し目を逸らした。
「……反省はしてます」
セイルが普通に言う。
「じゃあ普通にやるよ」
ギルド長が真顔で聞き返した。
「お前らの普通とはなんだ」
ギルド中から笑いが起きた。




