第131話 持ち帰り
王都ギルド。
深夜。
戻ってきた冒険者達は、
ほとんど座り込んでいた。
疲労。
消耗。
負傷。
レイドだった。
しかも。
アーミークイーン。
完全に災害級。
ギルド内も騒然としている。
「卵管破壊……?」
「B級中心でやったのか……?」
「マジかよ……」
ざわめき。
その中。
ギルド長が大きく息を吐いた。
「……とりあえず成功だ」
被害は出た。
だが。
増殖は止めた。
卵も大量に焼いた。
時間は稼げた。
A級が戻れば、
確実に討伐できる。
ギルド長は、
フォーチュンスター達を見る。
「お前らは特に働いたな」
ヴァルクも頷く。
「正直助かった」
「エリアサーチ無かったら、
穴②崩れてた」
セイルは普通に答える。
「多分ね」
「その多分やめろ」
ヴァルクが即ツッコむ。
その時だった。
バルトが椅子へ倒れ込む。
「あー……」
「結局素材回収できなかったなぁ……」
撤退優先。
当然だった。
ジェネラル素材は高額。
だが、
命の方が大事。
誰もがそう思っていた。
その時。
レナが普通に言った。
「あるよ?」
沈黙。
「……は?」
全員が止まる。
レナは、
少し苦笑しながらマジックバッグへ手を入れた。
ゴトッ。
机へ置かれる。
巨大な黒甲殻。
さらに。
ジェネラル魔石。
巨大顎。
完全にジェネラル素材だった。
沈黙。
ギルド長がゆっくり聞く。
「……お前」
「うん?」
「あの撤退中に持って帰ったのか?」
レナは少し笑った。
「逃げながら拾っちゃった」
一瞬静まり返る。
次の瞬間。
「はぁ!?」
リナが吹き出す。
「いや何してんの!?」
バルトも普通に引いていた。
「お前すげぇな!?」
ヴァルクは腹を抱えて笑っている。
「はははっ!!
冒険者向いてるわお前!」
ゴルドも呆れていた。
「普通逃げるので必死だろ……」
レナは少し肩をすくめる。
「高そうだったし」
「理由が商人なんよ」
リナがツッコむ。
ギルド長は数秒黙り。
そして。
大きく笑った。
「ははははは!!」
ギルド内が静まり返る。
ギルド長が笑うのは珍しかった。
「……いい」
「実に冒険者らしい」
レナは少し照れくさそうに笑った。
「褒められてる?」
「多分な」
セイルが普通に答えた。
「お前まで多分言うな!!」
ギルド中からツッコミが飛んだ。




