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第122話 アーミージェネラル

 ギギギギ……


 重い足音。


 黒霧の向こうから、

 巨大な影が姿を現す。


「……なんだあれ」


 ゴルドの声が低くなる。


 普通のアーミーアントとは違う。


 大きい。


 長い前脚。


 異様に発達した顎。


 そして。


 周囲のアーミーアント達が、

 一斉に道を開けていた。


「ジェネラル級か……!」


 ヴァルクが剣を構える。


 空気が変わる。


 ソルジャー級とは違う。


 明らかに別格。


「来るぞ!!」


 次の瞬間。


 アーミージェネラルが突っ込んだ。


 速い。


「っ!?」


 バルトが盾を合わせる。


 ドゴォォォン!!


「ぐぅっ!?」


 重い。


 バルトの足が大きく滑る。


「押されてる!?」


 リナが叫ぶ。


 さらに。


 横からソルジャー級。


 数まで来る。


「面倒すぎるだろこれ!!」


 ゴルドが怒鳴る。


 ヴァルクが即座に前へ出た。


「強撃烈!!」


 ドゴォォォォン!!


 重い一撃。


 ジェネラルの体が大きく揺れる。


 だが。


 止まりきらない。


「硬ぇな……!」


 ヴァルクが舌打ちする。


 ジェネラル級。


 B級クラス。


 普通の魔物じゃない。


「セイル!」


「行く」


 二人が同時に動く。


 ヴァルクは正面。


 セイルは横。


 役割が自然に分かれていた。


 ジェネラルの前脚が振り下ろされる。


 ドガァッ!!


 地面が砕ける。


「うわっ!?」


 リリスが引く。


 だが。


 セイルは止まらない。


 右。


 左。


 二刀流。


 滑るように側面へ回る。


 そして。


「強撃改」


 右。


 さらに。


「強撃改」


 左。


 ザザッ!!


 連続斬撃。


 ジェネラルの脚へ傷が入る。


「通る!」


 レナが叫ぶ。


 その瞬間。


 ジェネラルがセイルへ振り向く。


 速い。


「セイル!!」


 ヴァルクが叫ぶ。


 だが。


 セイルの動きも変わっていた。


 二刀流。


 止まらない。


 右で弾く。


 左で流す。


 そのまま横へ抜ける。


「……速くなってるな」


 ヴァルクが少し笑う。


 その時だった。


 セイルが急に止まる。


「……待って」


「なんだ?」


「この先、

 他の穴と繋がってる」


 全員止まる。


「は?」


 セイルは目を閉じる。


 エリアサーチ。


 広範囲。


 その先。


 大量反応。


 そして。


「穴②……押されてる」


 空気が変わった。


「数は?」


 ヴァルクが即聞く。


「多い」


「ソルジャー級大量」


「ジェネラルもいる」


 最悪だった。


 三方向作戦。


 どこか崩れたら、

 横から流れ込む。


 レイド全体が崩壊する。


 ヴァルクが即判断する。


「ゴルド!」


「おう!」


「ここ押さえられるか!?」


 ゴルドがジェネラルを見る。


 笑った。


「無理だな!!」


「だろうな!!」


 だが。


 ヴァルクも笑っていた。


「なら挟むぞ」


「……は?」


 リナが止まる。


 ヴァルクはセイルを見る。


「繋がってるんだろ?」


「うん」


「なら先行する」


 その瞬間。


 セイルも理解した。


 穴②。


 押されている部隊。


 そこへ。


 こちら側から回り込める。


「挟み撃ち……!」


 レナが息を呑む。


 ヴァルクが剣を構え直す。


「ジェネラル突破するぞ」


 その言葉で、

 空気がさらに変わった。

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