Ⅰ 5-28
女子力に関しては西川貴教氏が実際に語っている処そのものであったり、私の感じる処でもあったりします。
「女子力というものは本来、アピールするものではない。『こうすると女子力高いって思われるよね?』なんて意識した途端にダメになるものじゃないのか」と、貴教は感じている。
アゴをカ○ジやカマキリみたいに“改造”しているせいか、セレブの食事風景として高級寿司店が選ばれている(顎周りを整形している関係でA5の焼き肉すら碌に咀嚼出来ないのだとか。だから、罰ゲームで焼肉一枚噛み切りチャレンジが成立するというのだから…)のをよくお見掛けするのだが、これでもかと香水をつけてくるうつけは恐らく少なくなかろう。いくら流行の服を着こなしヘアスタイルが決まっていても台無しなのがわかっていなさそうな“女子”の何と多そうなことか。もっとつつましやかで、おもてなしの心や周囲への思い遣りを大切にする人こそが「女子力が高い」のだ、貴教は言いたいし、世間の認識もそうであって欲しいと想っている。
翻って見るに今、貴教の隣りにいる女子というのは…
アンナは明らかに女子力高い系の女子である。普通なら貴教は見向きもしないタイプである。なのだが今回、困ったことに貴教には“ベース(となった顔)”が見えてしまっている。しかも、声までそっくりなのである。“ミ○タードーナツのあの娘”に。“ミ◯ドの娘”の面影にあまりにも被っしまっていた。だから、貴教は年甲斐も無くドキドキしてしまっている。故に久方振りのオンリーショルダーなのである。
「私みたいな女子はタカノリの趣味じゃないのかあ?」
じっとこちらを見つめてくるを視野の端で感じる貴教。
「しゅ、趣味とか趣味じゃないとかそんなんじゃないですよ。僕という人間元来が内気で押しが強くないときている。ラジオとかテレビだとかでみんな僕のことをおもしろおかしい天性の陽キャとでも誤解をしてるみたいだけど…」
「キャー! カワイイ~!」
ギュッと抱きしめられた。
「P○P JAM」でアイドル相手に懸命にトークをしていた当時を思い出しさない訳にはいかない。
(フ○スクを十ケース、いや、二十ケースはジ○ック・ハンマーのドーピングみたいに飲み干さんとやってられんぞ! これは!)
「乳当たってる! 乳当たってる!」と狼狽しながら、実際は豊満な胸に顔を埋めていた様な状態から脱した貴教はアンナの両肩を捕まえて「ちょっと落ち着こう」とばかりに感覚を開けた。
(トーク。トークに集中させるのだ。受け答えに終始させるのだ。これ以上抱き着かれたりスキンシップをはかられたら堪ったもんじゃない)
このままだと“万が一”の場合も有り得る。
何しろ“ミ○ドのあの娘”そのものなのだ。“あの娘”はこんなに大胆でもスケベでもないだろうが。それでも今は兎に角、目の前の女子がそう見えてしまっているから仕方が無い。
フ○スクの大量摂取というプラシーボでもドーピングがなければ、アイドルなどとはまともに眼も合わせられない、オンリーショルダーだった貴教ではあったが、そこは現在ではプロフェッショナルの超一流MCである。速やかにトピックを提示した。
「履き違えているかな?」という処は共通しているかと想っています。




