10/61
Ⅰ 2-1
2
「あなたの故郷・SH●GAはどんなところですか?」と聞かれたときに、「夏は有名な花火大会があります。京〇も大〇も近くて……住むにはすごくいいですよ」と、花火大会以外のアピールポイントが言えなくて引け目を感じたり、同じ〇西でも京〇や神〇に比べると旅行のパンフレットも少なくて地味、「〇西(内で)の寄生虫扱いがヒドい」「アパルトヘイト感強い」「琵〇湖の淵に住むタニシと同じような扱いを受けて育ってきた」と自虐ネタにしたこともあった――其れが貴教の故郷・SH●GA、もとい、S●GAである。
昔ながらで、保守的で、「変わろう」という事に対して積極的じゃない――そんな土地柄の地方公務員の父と母の下、三人兄妹の長男として貴教は生を受けた。両親は生真面目で謹厳実直を絵に描いた様な人であったが、「厳しい」というのか、「お堅い」というのか、そういう事以上に「目立っちゃいけない」「人と違っちゃいけない」という意識が強かったのではなかったのではないかと貴教は想う。「面白味という部分に於いては反面教師だった」というのは若き日の彼の言葉であり、今では其の良く言えばロック、悪く言えば全くもって皮相的な物言いを恥じてすらいる。
そして、貴教の事を誰よりも可愛がってくれた祖父――じいちゃん。




