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冬花  作者: 忘憶却
第三章 守護者(深緑)
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全てを終えて

 森を抜けるにはまだ遠い。

 私の体力も限界を迎え、遂に倒れ込んだ。


 全ての始まり、

 真冬の雪山で倒れた時と同じだ。


 もう、此処で死んでも良い。

 私は何処か死を望んでいる。


 高々数年の人生に絶望し、

 私は一度死を選んだ。


「本当に、ここで死んでもいいのか。」


 あの時と異なるのは、

 心を分け与えられた事だ。

 気持ちも思いも

 大切な物を温かな物を与えられた。


 私は其れを伝えたい。

 この世から無くしたくはない。


「いいえ、まだ終える事は出来ません。

 私にはやる事が有りますから。」

 そう、刀に宿る骨竜の魂に返す。


「ですが、少々無理をした様です。」

 もう気力も体力も

 私には残っては居なかった。


 森の木々達に生命力は吸い取られ、

 物の記憶を読み取るのに

 精神的な疲労は溜まり

 思考はほとんど停止して居た。

 策など思い付きもしない。

 其れを見兼ねて

 此の骨竜は話し掛けて来た。


「いい加減気付け、巫女だろ。」

 相変わらず、厳しい事を言う。


「この森はお前の味方だ。」


 そうか、頼めば良いのかと気付かされ

 私は残りわずかな力を振り絞り、

 木々達にお願いをした。

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