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冬花  作者: 忘憶却
第三章 守護者(深緑)
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子供達への願い

 石碑に刻まれた記憶。


 一組の男女。

 この石碑へ供える。


 あやめの紋様が刻まれた小さなかんざし

 花の意味は希望と幸福。


 二人のすすりり泣く音が聞こえる。




 また一組の男女。

 この石碑へ供える。


 駱駝を形取った玩具。

 砂漠の真昼の暑さも夜の寒さにも

 耐え得る丈夫な存在。


 二人の啜り泣く音が聞こえる。




 また一組の男女。

 また一組の男女。

 また......。


 この場所にはもう......。


「貴方達も大切な者を失ったのですね。」

 此処に祈る二人を抱き締める。


 其れ以上の言葉は要らない。


 事実を知って居る、

 其れだけで救われる。

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