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ひとときの夢のはじまり
あの後、私は暫く、
季節の神々に仕える巫覡の一族に
仮で加わることとなった。
巫覡となれば、
一生を神々に捧げなければならない。
それを、はいと返事をして
引き受けることは直ぐには出来なかった。
ただ、巫の空席を埋めたいと
お願いをされ、こんな風に落ち着いた。
そうして、
私は冬花と名付けられ、
四季の神々に仕える一族の一人となった。
1人の姉と2人の兄。
一つ大きなの屋敷。
4人で過ごすには
少し大き過ぎるくらいに。
庭は季節が移り変わるにつれ、
その姿を変える。
それを眺められる縁側が
お気に入りの場所だった。
もう一度、みんなで見たかったと
想ってしまった。