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冬花  作者: 忘憶却
第一章 出会い
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言の雫

 地面に映る小枝の影。

 その間から光が静かに差し込む。


「あなたはそれでいいのですか。」

 やしろの向こう側の声がはっきり聞こえた。

 優しく安らぎを与えてくれる声は

 私に向いていた。


 分からない。

 これからのことは分からない。

 それを、答えて良いのか分からない。

 ようやく得られるかもしれない

 安らぎの場所を失うかもしれないと、

 覚悟をしていたはずなのに答えられない。


「あなたの道は、三つです。」

「一つは、冬の神へ仕えること。」

「次に、巫覡かんなぎたちへ仕えること。」

「最後に、自ら道を探すこと。」

「どの場合であろうと、

 私はあなたを認めます。

 彼女らもあなたを支えてくれます。」

「ですので、思うことを言ってください。」


 一つ言葉を出すと、

 次から次へあふれていく。

 不安を全て、願いを言えるだけ、

 今思えば欲張り過ぎだと感じるほどに。

 それを神様と言う人は、

 最後まで聞いてくれた。

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