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「関西弁」

チヒロ「なぁ…」

あおい「なんだい?」


ちょっと大きめの公園のベンチに座りながら、隣に座るあおいをまじまじと見ながら言った


チヒロ「ちょっと…ハグしてもいいかな?」


あおいは、少し照れぎみに言うチヒロを冷たい目で見返し


あおい「…戻っとこ…」

チヒロ「あっ!まっ」


美紅に化けていたあおいが、子猫の姿に戻ったのを見て、肩が足元まで落ちたかのように落胆するチヒロ


あおい「…目的を完全に忘れてるよね…」


この公園にある公衆トイレの女子の方にパーツの反応があった為の策であったのだが、途端、チヒロは美紅に化けたあおいにしか興味がなくなっていた


あおい「ほら!パーツが1つ見つかったんだから!早く着けてみてよっ!」


ちょっとイラッとしながら言った


チヒロ「そうだ!忘れてた!」

あおい「…いろんなものをね…」


さらに視線が刺さるのを笑ってごまかしながら、赤い石を右腕のブレスレットに近付けると、くっついて離れなくなった


チヒロ「お!右に付いたっ!」

あおい「…」

チヒロ「右は強化パーツなんだろ?何が強化されたんだ?」


今度はパーツに興奮するチヒロ


あおい「…ステルス機能だよ…」

チヒロ「ステルス?それってすごいんじゃないのか?」

あおい「フルパーツ装備なら、気配どころか姿まで見えなくできるんだけど…」

チヒロ「だけど?」

あおい「今は黒タイツが迷彩柄になるだけだね…」

チヒロ「…さらにヤバくなった訳か…」


またまた肩を落とすチヒロの横で、あおいまで肩を落としていた



いろいろ落胆したチヒロと、他のパーツの気配を探すあおいの無言の時間が流れた


チヒロ「明日から学校か…」


ふと今日で春休みが終わることを思い出して言った

この2日で、チヒロのこれからの人生は一変しているのに、まだ漠然としていた


あおい「パンツ返すのかい?」

チヒロ「…どうやって返そう…」


その時、あおいが急に後ろを向き、猫のように威嚇しだした

まぁ、猫なんだけど…


チヒロ「どうした?」


チヒロも振り返ると、そこに満面の笑顔の若い女性が立っていた


チヒロ「なっ?!なんですかっ?!」


驚き立ち上がり、少し距離を取るチヒロに、女性は笑顔を向けるだけだった


女性「君、緋色チヒロ君やんなぁ?」


あおいはまだ威嚇している

それもそのはずである

その女性は全く気配を感じさせず、突然後ろに現れた


チヒロ「あなたは誰ですかっ?何故僕の名前をっ?」


あおいのただならぬ雰囲気に身構えた時に名前を呼ばれ狼狽えるチヒロ


女性「明日になったらわかるわぁ!」


関西弁の女性は、言うと同時に手をひらひらさせると


女性「じゃあねぇ~♪」


後ろを向いて離れようとした


チヒロ「ちょっ…」


チヒロが呼び止めようとすると


女性「あ!そうや!これあげるわぁ!」


女性はおもむろになにかを2つ投げてきた


チヒロ「えっ?!」


慌てながら受けた物を見てみると、2つ共、赤い石…パーツであった


あおい「?!」


女性「子猫ちゃん!帰りに銭湯にでも行ってみてね!女湯ね~♪」


女性はウインクを残して去っていった



チヒロ「…あおい…知り合い?」


離れて行く女性の後ろ姿を睨むちひろとあおい


あおい「いや…わからない…ただ…」

チヒロ「ただ?」

あおい「公園横のお風呂屋さんからパーツの反応がする…」

チヒロ「…何者…」

あおい「…わからない…」



とりあえず『あの女性、凄いおっぱいだったな』とは言わないでおこうと思うチヒロであった。
















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