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「あおいは女の子」

「で?」


なんとか我が家に帰り着き、自分の部屋で寝転がって天井を見ながら言った。


「で?」


「…」


美紅から奪ってきた赤い宝石が、どんな物でどんな意味があるのかを聞きたかったのだが、あおいには理解できないようであった。


「美紅ちゃんのおっぱい見れてよかったな!」


「なっ!そ、そうじゃないっ…赤い宝石のことを聞いてるんだよっ!!」


正直、思いだして一仕事したいと思っていた青少年チヒロは、考えを読まれたかと動揺しまくって必死にごまかそうとしたのだが、それは無理であった。


「あはは!こんな感じだったよね?」


「ん?」


あおいの方を見ると、そこには裸の美紅が四つん這いでチヒロを見て微笑んでいた。


「え?」


「はい!終わり!」


一瞬で元の子猫の姿に戻ったあおい

もちろん悪い笑みを浮かべている


「な…お前、変身もできるのか?」


「僕が見たものならね!」


「すごいな…も、もう一回…」


「やだよ!なんか恥ずかしいから…」


「何で恥ずかしいんだよ!」


「だって、一応、僕も女の子だからね…」


「お前、女なのか?」


「そうだよ!襲うなよ!」


「…こいつ…」



小川美紅の家に忍び込む一時間前、突然チヒロの家にやってきたあおいは、無理矢理チヒロの両手首にブレスレットを着けると、変身して戦えと言った。


3ヶ月後に、異世界から侵略者がやってくると…


しかし、あおいがこの家に着く寸前、乗ってきた船が爆発を起こし、ブレスレットの強化パーツが全て飛散してしまったらしい…


このままでは何の力もない只の全身黒タイツだと…


幸い、あおいにはパーツの反応がわかるらしく、近くにあるものから集めようとなった結果が美紅ちゃんのおっぱい⋯もとい、美紅ちゃんの家へのコソドロであった。


「その美紅ちゃんのピンクのパンティ、どうするのさ?」


「…わ、忘れてた…」


机の上に綺麗に折り畳んでお供えしてあるパンティを見て真っ青になる


「なんとかこの世界を守れたら、美紅ちゃんに変身して履いてあげてもいいよ!」


「…なっ…かっ、返すわっ!」


いろいろな葛藤と戦うチヒロを見て笑っていたあおいが、急に真面目な顔になると…


「でも、急いで残りのパーツも集めないと…」


外の気配を探っているのか、回りを見回しながら言った。


「お前さぁ…どうしてこの世界を守ろうとするんだ?」


「…僕の世界のようになって欲しくないだけ…」


「…あおいの世界?」


「うん…戦う技術も科学力もあったけど、変身してそれを活用できる人がいなかった…」


「…」


「結果、2回目の攻撃で破壊された…」


「…マジか…」


正直、この子猫の世界がどういう世界なのかはわからないが、住んでいた世界が蹂躙されて壊されたという事実に、チヒロは言葉を失い、そう呟くしかなかった


「破壊される直前に次のターゲットがこの世界だってわかったから、急いで脱出してきたんだ…」


「…」


「この世界なら、変身できる人がいるってわかってたからね!」


「ん?わかってた?」


「うん!」


「…まぁ、こっちはなんかよくわからんけど…」


チヒロは寝転びながら、あおいからの情報量の多さにパンクしそうになり、頭部を掻きながら言った。


「ところでこの赤い石は何の強化なんだ?」


ほんの5ミリにも満たない赤い宝石を指先でつまんで眺めながら言った。


「あ!ブレスレットに近付けてみて!」


チヒロは、あおいの言うように右手首のブレスレットに近付けてみた


「ん?なんにも変化ないけど?」


「あちゃあ…じゃあ左だ!」


「左の方か?」


残念そうに言うあおいを見ながら、宝石を右手に持ち替え左手首のブレスレットに近付けてみた。


「右は外装と力系統、左は内部の強化なんだ!」


あおいが言い終わる前に、左手首のブレスレットが小さく赤く光り、宝石はくっついて取れなくなった。


「これでいいのか?」


「うん!」


「で、なにが強化されたんだ?」


「…」


「何だよ?早く言えよ!」


「…ボイス…」


「ボイス?声?」


「うん…この星にある物で言うと…」


「…言うと?」


「…ボイスチェンジャーだよ…」


「…」


天を仰ぐチヒロであった…

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