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第4話 魂ヲ喰ラウ者

更新遅れてすみませんーー(土下座)

最近忙しくてゴタゴタしていました(;´Д`A


なんだかポイント370ptを超えててビックリです!

沢山の感想もありがとうございます!!


な、な、なんと!更に日間総合196位・ジャンル別44位に急浮上ですΣ( ̄。 ̄ノ)ノ


これからも応援のほどよろしくお願いしますm(_ _)m

「…ああ!クソがっ!!」



 パーティーメンバーと共にダンジョン探索をしていた王蛇級冒険者のマグナス・タグマは憤慨していた。




 冒険者の等級とは卵〜龍級までの全10階級が存在している。


 各等級の強さを魔物の脅威度で当てはめると、


 ・卵級(非戦闘員)

 ・巨蜘蛛級(G+級相当)

 ・大百足級(F+級相当)

 ・大蝙蝠級(E+級相当)

 ・王蛇級(D+級相当)

 ・白鳳級(C+級相当)

 ・銀狼級(B+級相当)

 ・金獅子(A級相当)

 ・竜級(A+級相当+α)

 ・龍級(S級相当)


 となっており、

 王蛇級ともなれば何年も修羅場を潜り抜けたベテランと言うのが世間一般の認識である。



 その王蛇級に若くして上り詰めたマグナス・タグマは冒険者組合でも期待の新人と言われており、

 このまま行けば、更に上級の白鳳級も夢ではないと言われていた。



 そんな順風満帆のマグナスが怒鳴り声をあげたのはせっかくダンジョンに潜ったと言うのに、

 お目当ての獲物がここ最近、全く発見できないでいたからだ。




「…なんで亡者の迷宮と言われるこのダンジョンでアンデットがこうも少ないとは…どう言うことだ!」



 実はマグナスが若くして王蛇級となれたのもこの亡者の迷宮のアンデットが大きく関わっている。




 マグナスはごく一部の者にしか使えない光属性の適性があった。


 光属性を使える者は高額な給料の貰える治癒師に転向するのが殆どだ。

 それか信仰心のある者なら教会へ行くのかもしれない。


 それでも冒険者になろうと言う者なんてごく稀だろう。




 しかし元々英雄願望の強かったマグナスにとって、

 一介の治癒師として慎ましく一生を終えるなど耐えられる訳があるだろうか。




 マグナスには考えがあった。




 マグナスは光属性がアンデットにとって最も弱点となる属性ということを知っており、

 その特性を利用してアンデットが蔓延るこの亡者の迷宮で大金と名声を得ることを画策していた。



 マグナスの狙い通り、計画は成功する。



 常人が数年かけて目指すという王蛇級にマグナスは、

 多数のアンデットを討伐した実績で異例の早さで駆け上がった。


 そして白鳳級にもいずれなれるだろう…いや、ゆくゆくは銀狼、金獅子級にまで俺なら手が届く。



 そんな淡い期待をしていた矢先、

 肝心のアンデットが忽然と姿を消したことにマグナスは焦燥に駆られていた。




「…おい!盗賊の男!

 探索の魔法には本当に引っかかってないんだろうな!!」


「すみません…それが…全く。」


「ふざけるな!いくらお前に払ってると思ってるんだ!

 斬りつけられたく無ければ今すぐアンデットを見つけろ!!」



 ぶつけようのない怒りにマグナスの苛立ちは更に募る。


 ──それがいけなかった。



 普通に考えれば亡者の迷宮に亡者がいないなど、

 明らかな異常事態──だが今のマグナスにはその正常な判断を下すことが出来なかった。




 マグナスが本当にD級冒険者としての資質を兼ね備えていれば避けることが出来たかもしれない。


 しかし光属性というアドバンテージだけで上がった彼は所詮一発屋の域を超えなかったということだろう。





 ──ソイツは音も無くいきなりあらわれた。




 まず、一番最初にそのことに驚いたのは探索の魔法を使っていた盗賊の男である。


 彼は少なくとも自身の探索魔法の精度には自負があった。


 だからこそ、自身の魔法を潜り抜けてあらわれた存在の異質さに誰よりも早く察知することができた。




 次に盗賊の実力を良く知るパーティーメンバーが事態の重大さに気がつく。




 ──確実にヤバイ…!



 パーティーにそんな緊張が走る中、

 リーダーのマグナスが口を開いた。



「──おい彼処にアンデットがいるじゃねぇか?!

 盗賊!──なんで知らせなかった!」


「いえ、それが…探索に反応が──」


「チッ──ええい!言い訳はいらん!

 ───黒いスケルトン?


 …見たところスケルトンの特異個体のようだが、元はE級。

 せいぜい強くてもD+ってとこだろう。

 相手は一体!全員で行くぞ!!」




 マグナスは盗賊の言葉を無視して無理やり命令を下す。




 一時は恐怖感を覚えたパーティメンバーも、

 メンバーの中で誰よりもランクの高いマグナスの言葉を信じ、戦闘態勢に移る。




「───でやぁああああっ!!」


 マグナスの掛け声と共に全員が一斉に突撃する。



 ──────ザンッッ………!





 あまりにも刹那の出来事。

 その為、マグナス一行にはその一連の動作を目で捉えることができなかった。



 そして気付いた時には、マグナスの手首から先が宙を舞っていた。





「────なっ、なな、ナニィイイイ!!」



(──バカなッ!───こんなことがあって言い訳がない!!)




 マグナスは即座に周りを確認するが、

 ある者は首を飛ばされ、

 ある者は心臓を一突きされていた。



 生き残っていたのはマグナス只一人で、

 そう考えれば両手がなくなっただけで済んだことは幸運だったのかもしれない。





「───チクショおおお!よくも俺様の腕を!!…っ腕を!!!」



 しかし、マグナスはそう思えなかったようだ。

 彼は渾身の力を振り絞って目の前の

 漆黒の色をしたスケルトンに光属性の魔法を放つ。



「──喰らえッ!シャイニングレイ!!」



 シャイニングレイはマグナスが修得している中でも最も強力な光魔法だ。

 彼はこの魔法に絶対的な自信を持っている。


 今までこの魔法を喰らって生き延びたアンデットはこの亡者の迷宮でいなかったからだ。




 ────しかし、



「……倒れないだとッ!いや、それ以上に───無傷?!」




 そしてその事実に絶望する間もなく、

 マグナスの視界が暗転する。



 彼が最期に見たのは首の無くなった己の後ろ姿だった。





 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 ────時を遡ること少し前。



 …伏見 一生は気がつくと周りにいたアンデットを狩り尽くしていた。



 それだけじゃない…一生は己の身体を観察すると、見た目に変化があったことを確認する。



 白かった骨は幾度となくかかったアンデットたちの腐った返り血によってドス黒く染め上がり、

 周囲には禍々しいオーラが立ち込めている。



 そして何より以前とは比較にならないほどのパワーを感じることができた。



 俺は真っ先にスキルと称号を確認する。


 スキルと称号の確認に鑑定スキルが必要なのは実力の低い未熟な頃だけで、

 ある程度力がつくと外部のスキルを介さずに自分のスキル・称号を調べることができるのだ。





 個体名=伏見 一生


 種族 スカル・狂戦士(ベルセルク)



 ・スキル

 剣術 Ⅵ

 双剣術 Ⅳ

 刀術Ⅰ

 槍術 Ⅵ

 体術 Ⅵ

 鉤術 Ⅲ

 鎌術 Ⅲ

 弓術 Ⅴ

 鞭術Ⅱ

 槌術 Ⅳ

 杖術 Ⅲ

 鎖術Ⅰ

 盾術 Ⅵ

 棍棒術 Ⅴ

 節棍術Ⅱ

 投擲術 Ⅵ

 操糸術Ⅰ

 従魔術Ⅱ


 無属性魔法Ⅱ

 闇属性魔法Ⅱ

 風属性魔法Ⅰ

 土属性魔法Ⅰ

 死霊魔法 Ⅲ

 魔法耐性Ⅱ

 闇属性耐性 Ⅲ

 土属性耐性Ⅰ


 生気感知 Ⅶ

 魔力感知 Ⅵ

 魔力操作 Ⅲ

 魔力回復Ⅱ

 直感Ⅱ

 夜目Ⅱ

 集中Ⅱ

 回避 Ⅲ

 隠密 Ⅴ

 騎乗Ⅱ

 怪力 Ⅴ

 鉄壁 Ⅵ

 胆力 Ⅳ

 不屈 Ⅶ

 精神耐性 Ⅶ

 苦痛耐性 Ⅵ


 ・ユニークスキル

 自己再生 Ⅶ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─


 ・称号

 勇者

 災禍の御子

 魂喰らい





 ─進化していたことよりも、

 スキルがあまりにも増えていたことに驚愕する。



(ソレダケジャナイ…称号マデ…追加サレテイル……)



 覚えのない称号に目を移すと、俺はその効果を調べて今の状況を理解することができた。




 称号 災禍の御子

 ・いくつもの災いを引き起こし、この世を終焉へと近づける運命を背負いし者


 称号 魂喰らい

 ・自らが手を下した相手の魂の一部(1/10)を喰らう効果





(災禍ノ御子…トイウ称号ハトモカク…


 ──今ノ……原因ヲ作リダシタノハ…魂喰ライノ称号デ間違イナイ……)




 勇者による成長補正も一時考えたが、

 勇者の力を持ってしてもここまで早く成長することは考えにくい。


 そして何より自分が使ったことのない武具のスキルなども追加されていたからだ。




 …何故こんな称号を手にしていたのか分からなかったが、

 アンデット化した時点で人とは異なる事態が起きても不思議ではないと自分を納得させる。



(利用デキルモノハ───何デモ利用サセテモラオウ……


 ……コレダケノスキルト称号ガアレバ……スグニデモ奴ラニ…!)



 ─思わず胸が高鳴る。




(…ソレデハ新シクエタ…チカラノ……オ披露目会トイコウカ)



 取得した【生者感知 Ⅶ 】のスキルがダンジョンの上層に複数の生命反応があることを示していた。



(ドウヤラ…今日ノ獲物ガ…カカッタヨウダ……)



 見つけた獲物が逃げる前に俺はその場を足早と立ち去る。






 ────そして時刻は現在に戻る



 俺は冒険者たちを殺して改めて確信する。



(ヤハリ…魂喰ライノ効果ダナ…

 アンデットヲ…倒シタ時ニハ……分カラナカッタガ……


 コノ冒険者タチノ…記憶ノ一部ヤ経験ガ……流レコンデクルノガ…分カル)



 同時に冒険者たちが死ぬ直前に感じていた、

 恐怖や悲憤も流れて来たが、

 そのことに何の感情も湧かなかった。



(驚クホド…何モ感ジナイ……コレモ…魔物ニナッタ影響ナノカ……


 ソレトモ、俺ガ変ワッテ…シマッタノカ……)




 そんなことを漠然と考えるが答えは出てこない。

 俺は気持ちを切り替えて、試したかった魔法を行使する。




 スキルを持っていてもスキルはあくまで触媒となるだけで、

 使いたい魔法の構成式を理解していないと意味がない。


 しかし、喰らった魂の記憶や経験の断片が自ずとそれを教えてくれた。




(死霊魔法──死者創造(クリエイト・デス)!!)



 そう心の中で叫ぶと、

 冒険者たちの亡骸がプルプルと小刻みに震えながら動き出した。





 《食屍鬼(グール)A》(状態:眷属)

 ・スキル

 剣術Ⅲ

 体術Ⅱ


 魔法耐性Ⅰ


 生気感知Ⅱ

 器用Ⅰ


 ・ユニークスキル

 ポインズンボディⅠ

 自己再生Ⅰ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─




 《食屍鬼(グール)B》(状態:眷属)

 ・スキル

 弓術Ⅱ

 杖術Ⅰ

 投擲術Ⅱ


 風魔法Ⅱ


 生気感知Ⅰ

 魔力感知 Ⅲ

 回避Ⅰ

 隠密Ⅱ

 盗取Ⅰ


 ・ユニークスキル

 ポインズンボディⅠ

 自己再生Ⅰ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─




 《食屍鬼(グール)C》(状態:眷属)

 ・スキル

 槌術Ⅱ

 棍棒術Ⅱ

 盾術Ⅱ


 生気感知Ⅰ

 怪力Ⅱ

 胆力Ⅰ


 ・ユニークスキル

 ポインズンボディⅠ

 自己再生Ⅰ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─




 《食屍鬼(グール)D》(状態:眷属)

 ・スキル

 剣術Ⅰ

 槍術Ⅱ


 生気感知Ⅰ

 魔力感知Ⅰ

 集中Ⅱ


 ・ユニークスキル

 ポインズンボディⅠ

 自己再生Ⅰ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─




 《食屍鬼(グール)E》(状態:眷属)

 ・スキル

 体術Ⅲ

 投擲術Ⅰ


 生気感知Ⅱ

 回避Ⅱ

 隠密Ⅰ

 怪力Ⅰ


 ・ユニークスキル

 ポインズンボディⅠ

 自己再生Ⅰ

 不老不死─

 痛覚無効─

 疲労無効─

 状態異常無効─





(──成功シタヨウダナ…)



 自分と食屍鬼(グール)たちとの間に確かな繋がりがあることを感じる。


 どうやら生み出した眷属たちは野良のアンデットと違い、

 自我があるようで簡単な意思疎通を取ることもできるようだ。




(ククク…勇者ヨ!王国ヨ!…待ッテイロ!!

 ……カナラズヤ地獄ヲ…ミセテクレル!)





 ───ガキンッ!─キンッ!



 近くで冒険者の戦闘音が聞こえる。


 それを聞くと俺は眷属たちを引き連れ、再び闇の中へと消えた。

マグナスが瞬殺されて主人公がめちゃくちゃ強いように見えますが、

主人公の現在の強さは白鳳級冒険者(C+級相当)の上位層と互角ぐらいの強さです。

(ただしタイマンでの純粋な戦闘力に限る)


マグナスが王蛇級だったのに、

一つ上の等級で強さの桁が上がり過ぎでは無いかと思われるかもしれませんが、

マグナスはあくまで運良く希少な光属性を持っており、

アンデットに対して相性勝ちを続けてきただけなので冒険者としての技量は大したことがありません(^^)








種族 スカル・狂戦士


未確認種の為、脅威度不明



《備考》


伏見 一生が同族殺しの禁忌と激しい憎悪によって顕現させたこの世で唯一の種族


見た目は下級魔族のスケルトンと似ているが、

ドス黒く染まった骨と身体の周りを取り巻く禍々しいオーラが特徴的。


また、戦闘と殺戮に快楽と興奮を覚えてしまう固有特性がある。



《強さ》


詳細不明

少なくともスケルトンを遥かに上回るパワーと魔力を保持している





種族 食屍鬼


E+級脅威度の下級魔族



《備考》


人が肉体を残したままアンデット化した下級魔族。



主な発生場所としてダンジョンや洞窟などが多く、

人の死体が密閉度の高い空間で溜まった腐の瘴気に長時間当たることなどが原因とされている。


また稀に吸血鬼などの上位のアンデット種の被害などで食屍鬼化するケースがあるようだ。



彼らはたびたびの人の捕食行動に走るが、

これは食事を必要としているからではなく、

生者に対する憎悪や憧れによって引き起こされてると言われている。



《強さ》

彼らの恐ろしさはその数であり、


「食屍鬼を1匹見つければ20匹いると思え」


という格言があるくらいだ。



ちなみに個々で見た時は肉体がある分スケルトン以上のパワーを持つが、

あくまで毛が生えた程度なので冷静に対処すればそこまで強敵ではない。


ただし、高い再生能力を有している為、確実にトドメを刺すことが重要。

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