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僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雨月と情景。
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情景。

雪《せつ》は変わった。


雪《せつ》は自分の気持ちをはっきりと言えるように変わった。


雪《せつ》を変えたのは俺かそれともあの小料理屋の店主かはたまたあの人間の男・・・高杉か・・・。


俺はできるだけ雪《せつ》に寄り添い、雪《せつ》の何気ない疑問に答え、妖《よう》のこと詳しく説くと共に多くの妖《よう》と雪《せつ》を会わせた。


読み書き、計算、料理はあの小料理屋の店主に頼み、教わせた。


雪《せつ》に剣術や武士としての立ち振舞い、人の世の流れに人としての暮らしを説いたのは高杉だった。


雪《せつ》は小料理屋の店主にも高杉にもよく懐いていた。


雪《せつ》は小料理屋の店主のことは『先生』と呼び、高杉のことははじめ『お侍さん』と呼んでいたが高杉に『その呼び方はやめろ』と苦言をもらってからは『高杉さん』などと呼んでいた。


そんなことを思い出しているとふと昔の懐かしい情景が鮮明に脳裏に甦った。


嗚呼・・・本当に懐かしい情景だ。

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