前へ目次 次へ PR 52/65 僕。 僕は産まれてすぐに捨てられた。 それも師走の寒い夜の山中に。 そんな僕を救ってくれたのは猫の妖《よう》だった。 人は妖《よう》を恐れるものらしい。 けれど、僕は彼らを恐れない。 本当に怖いのは妖《よう》じゃない。 僕はそのことを知っている。 僕は僕の意思で僕の運命を変える。 僕は僕以外にはなれないし、僕は僕でないといけない。 僕は生きる。 僕は誰かに捨てられても裏切られても傷つけられても生きる。 僕は僕だ。 僕は今、生きている。 僕の隣には今、大切なヒトがいる。 それだけで僕は幸せだ。