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僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雪と妖。
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雨月《うげつ》のその言葉に雪《せつ》は瞬き、目を丸くした。


雨月《うげつ》はそっと雪《せつ》から腕をほどくときょとんとしている雪《せつ》の顔を覗き込み、優しく微笑んだ。


それにまた雪《せつ》はきょとんとさせられた。


「私は妖《よう》だ。そして、お前は人間だ。それとして生まれた事実はどうしたって変わらない。だが、私にとってそんなことは重要じゃない。私にとって重要なことはお前が私と共に居たいのかそうでないのかだ。お前がもう私と共に居たくないと言うのならば私はお前の前から消え失せる」


雨月《うげつ》のその言葉に雪《せつ》は溢れさせていた涙を引っ込め、未だ混乱の中にある頭で雨月《うげつ》の言葉の意味を懸命に考えた。


「・・・雨月《うげつ》様・・・僕は何か・・・勘違いをしていますか?」


雪《せつ》のその問いに雨月《うげつ》はこくりと頷き、苦い笑みを不器用に滲ませた。


雨月《うげつ》のその様子に雪《せつ》は顔についた血と涙を拭い、ようやく雨月《うげつ》を直視した。


雨月《うげつ》のその人としての姿はいつもと変わっていなかったがその左頬には僅かな返り血がついていた。


嗚呼、僕は何か酷い勘違いしていたんだ・・・。


雪《せつ》は心の内でそう呟き、大きな溜め息を吐き出した。

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