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僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雪と妖。
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早く・・・。

辺りを照らすのは僅かに欠けた赤い月だけで薄暗く、その上霧が濃いので視界はかなり悪い。


それでも雪《せつ》はその歩みを止めることはなかった。


いや、止めることは出来なかった。


何かが心を落ち着かなくさせていた。


早く前へ・・・。


強く、そう思う。


もっと早く、前へ・・・。


そう思うとはじめはゆっくりだった雪《せつ》の歩みはだんだんと早くなり、いつしか雪《せつ》は走り出していた。

ぬかるんだ地面と曼珠沙華《まんじゅしゃげ》に足を取られ、何度も転びそうになったがその度に雪《せつ》はなんとか体勢を立て直した。


早く前へ・・・。


早く、早く前へ・・・。

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