↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
店主と妖。
PR
17/65

手伝い

店主は捌いている魚から目を離さずに言葉を続けた。


「何も悪いことなど起こりはしないし、雨月《うげつ》は貴方を残して消えたりもしませんよ」


店主のその言葉に雪《せつ》は戸惑いを隠せなかった。


雪《せつ》は店主の言葉に本当に何も心配しなくてもいいのだと感じたし、安堵もした。

だが、そこまではっきりと言い切ってみせた店主が不思議でもあった。


雪《せつ》の戸惑いの原因はそれだった。


店主の言葉は雨月《うげつ》と離れたがらない雪《せつ》をただ、安心させるためだけに言い放ったようには聞こえなかった。


店主の言葉からはこれから起こる全ての事柄がわかっているかのような響きがあり、自信のようなものが感じられた。


それ故に雪《せつ》は安堵させられたし、不思議な気持ちにもさせられた。


「もし、よろしければ雨月《うげつ》が帰るまでの間、私の手伝いをしては頂けないでしょうか?」


店主のその言葉に怪訝気な反応を示したのは雨月《うげつ》だった。


「・・・手伝い?」


雨月《うげつ》は低い声で店主に問い返すと店主の端正な顔を目を合わさずに注視した。


店主はそんな雨月《うげつ》に柔和な笑みを投げ掛けた。

それを見て、雨月《うげつ》はさらに怪訝気な顔をする。


「店の手伝いです。もちろん、危険なことはさせません」


「雨月《うげつ》様、僕からもお願いします」


珍しく会話に割って入って来た雪《せつ》に雨月《うげつ》は小さな溜め息を吐き出した。


それを見た雪《せつ》は僅かに俯いたが雨月《うげつ》から目をそらすことはしなかった。


珍しいこともあったものだと雨月《うげつ》は心の内で呟き、今も柔和な笑みを湛えている店主を注視した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。