ゾンビと、現実には絶対いない候補者達。・・本当にいませんからね!
色々な事情があって辞退した候補者が多い中、
ロメ雄が対抗馬として手を付けずにいた男が入れ替わる様に壇上に立った。
「『打っ殺すぞ』皆さん、今度この町の未来の為に立候補しました・・・」
彼の経歴は申し分無く、現在も法に携わる仕事と資格を持つあごひげの格好いい男だ。ただ言葉の始めに『打っ殺す』と付けてしまう、
他意の無い口癖のような言葉ですが、兎に角・・初見の相手は怯えてしまう。
『サーイエス・サー』の解る者なら。
「『打っ殺すぞ』・始めまして・・・です」と言う彼に「コチラこそ『打っ殺すぞ』恐縮です」と答える事が出来るのでしょうが・・・
パンチは良いのでしょうが、一般人には厳しい。
ドリフ世代の男の子ならいけるはずなのですが・・・
世間の風も厳しくなったんですよ。
全く拍手も起きないまま、次ぎの候補者に入れ替わった。
彼の只者で無い雰囲気に飲まれそうになる。
ロメ雄の敏感な触覚はその男が何かを持っている事を感じ取っていた。
(なんだ?・・あの空気は・・ただ者じゃない?)
[いぎょう]一般人では絶対持つ事が出来ない、ある種ケモノのオーラ男にはあった。
他の立候補者から名刺を受け取った彼は壇上にそれを並べ、コチラからの質問に 答える形で演説を行なう事を告げた。
驚愕[キョウガク]
他の立候補者からも彼の持つ異様な気配・・雰囲気に飲まれ、言葉すら出ない。
だが、これでは時間がいくらあっても足らない。
・・私から・・「どう言いった動機で立候補をなさったんですか」
簡単な質問です、他の候補に塩は送りたくは無いけれど、進行上仕方が無い。
だがしかし!
彼は手の平を広げ耳の前に置いた、耳の穴の前に壁を作っている?
それでは聞こえないでしょう?その上・・・質問には答え無いんですか?
「では今後どのようにこの町をしようと?」
今度の質問で彼は、一度水を口に含み。
・・・・・・
両手の平を両の耳の前に置いた、完全ガードの姿勢である。
全ての質問から壁を作る様な手の平は、その効果を最大限発揮している。
一切の質問を跳ね返し回答に応じないのは何故?
・・・っっっ油汗が流れ会場の空気は温度を上げているのが解る。
いらつきは加速し、質問が壁にぶつかっていくのだ・・
「ぼ・・僕だってねぇ・・・年・・本当はぁ・・うわぁぁぁん、年・・うわぁあぁん・よlくsよううわわあああ」
いきなり声を上げた男は訳がわからない、少なくとも私には理解出来ない叫びをA上げた。
会場の空気は男の叫びに飲まれ、混乱と軽いパニックを起こしている。
最高だ、こんな最高な舞台はあるだろうか?いや無い、
全ての注目は彼に集まり、全てを持って行かれた。
「うわぅぅぅぅぁあぁぁぁ・・わぅぅぅうううぁぁぁ」
全てをかっさらい、会場の頭も空気も真っ白に変えてしまう。
大人の男が、衆目の真ん中でガン泣きする。
そんな光景を私は始めて見た。
この男、引き立て役として手を出さずにいたが。
私が引き立て役になってしまうとは・・・ガッテム!ガッテムだ!
・・・・・・・
全ての者が声を潜めようやく空気が落ち着き始めた頃、その声は止った
。
「ご静聴ありがとうございました」ぺこりと頭を下げ退場していくのであった。
・・・意識の空白と静寂・・・
会場にいた有権者の全員・話を聞きに来た記者・他の候補者すら、
頭を真っ白にして、家に帰った事は確かな事でしょう。
異世界の話です、現実に存在する人物・団体とは一切関係はありません。
こんな面白い人たちは、本当にいませんから・本当に・・いるわけ・・ない・・よね?




