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騙されないで!ゾンビの真面目な嘘演説!

「全く集まったスタッフは良くやってくれている、『このうすげーーー』とは

腐っても言えませぬな」

 ねぎらいに、行列の出来る人気店のケーキでも買ってこさせよう。


 出せる給料は法律で決まっているからなぁ、

 代わりにお土産も持たせてやあげよう、高級茶菓子をね!


 一般スタッフは表の顔です、綺麗なユニフォームと個性の少ない顔を集めました。


 そして複数の協力者達、口の堅い男・目鼻の利く男・金に汚い男・ホスト・

ホステスの様な、女受け男受けの良い男女。


 スネにキズのある記者と元警官、熟年の元政治家秘書に頭を下げて来てもらい

政治経験者達に顔合わせもした。


ふはははは「我が軍は完璧ではないか!」負ける気がしないとはこの事か!


 という具合でロメ雄達は突き進み、最後の週には立候補者達が絞られて来た。


 ついに大一番、[公開・政治討論会]の日がやってきた。


 いよいよここからがロメ雄の見せ場です、

 大衆をだまくらかす演技を見せてあげましょう。


天気は曇天、公開討論会には相応しい良い天気です。

とくにゾンビの体には非常につごうが良いようで、なにか起こりそうな、そんな予感。


 町の体育館を借りた会場は、宗教関係者のお年寄りと[労働者の味方]達が赤い

タスキを袈裟懸けにして、パンフレットを握りしめていました。


 みなさん前哨戦も始まる前に血気を上げて・・血圧高い。


『戦いは、始まる前で結果が決まる』という言葉を知らないのでしょうか。

[お暇]な、みなさんの小さなコミュニティーで、町にいる全ての人間がくくれるとでも思っているようですね。

 

 無所属新人のゾンビには予想道理のアウェーですよ、一般の有権者の方々が

 平日の2時から、こんな茶番に町の体育館にやって来る事も無いでしょう。


 では誰に聞かせる討論会なのだと聞かれたら、結局の所は地域の皆さんの自己満足を満たす為・・・それと平日の昼下がりに暇を持て余し必ず、投票に行くような、

堅い一票を持つ高齢者の方々に[安心]と[期待]を持たせるためでしょうか?


 票を入れるか・入れないか解らない社会人の票なんて、そもそも相手にしていない。そういった党派の人達の為に用意された舞台なのです。


 ・・・・ボイスレコーダーと撮影機器の警戒は完璧ですよね?

こんな小さな説明会で馬脚を現すほど馬鹿でなければ大丈夫。


 でもね、今は情報の時代です。失言なんてどこで呟いても直ぐにバレます。

ネット社会・SNS社会・ああ怖いなぁ。


 選挙に全く興味の無い人間でも、

 他人の失言を叩き、炎上・お祭りは大好きなのです。


 他人の家の火事を見に来る野次馬のような姿勢、見習いたい。


 でもね、そんな苦情や文句だけの人達の為に、心血注いで誰が政治などします?

 だから政治家って人達は、自分を持ち上げる人の為にしか働かないんですよ。

 ふふふふふっ


 噺は戻り、1番手の宗教関係者が順当に[ねじれの解消]とかで、

 お年寄り達の拍手が朝雨の如くパチパチと響いてきました。


 数は多いけれど、筋力が少ないので万雷の喝采とは成らないのでしょうか?

悲しい拍手です、パチパチしておきます。


 次ぎは私です!異世界の戦い、[異次元の戦い]をみせてあげましょう!


 推薦人は与党第一党の男、町議会でも多数派の男です。

 

 ゾンビからみれば、たぬきか妖怪の部類で同族ですね。

種族なんてのは正直どうでものですよ。


 しかしさすが、なるほどこういう場になれている男です。

 議会なんて数が多い分、会議は荒れる。


 長々と延命と延長を続たけっか、結果の遅いまつりごとは、

 正直グローバル化が進み、加速度を増した現代では足かせにしかなりませんが。


 責任も取らない人達です『選挙で住民が選択したから』で責任も取らず

『なら解散選挙で住民に信を問えばいいのだ』とか思っているのでしょうね。


 議案に住民がそれ程関心はない、あるのは自分の庭先のゴミ問題と、近所の苦情ぐらいですから。

 それが普通の人間社会です。

 

 山程の税金と時間を無駄にして、無罪とは政治の世界は面白い。

 とは言えど、今は演説の時間ですよ。

 待っている臣民共に声を聞かせてあげなければ、拍手も貰えない。

 なんとしても私は[他人の金を使い放題]の権利を手に入れるのです。


「始めまして平・ロメ雄です、皆さんとは今日初めてお会いした方ばかりでなので

すこし緊張しています。

 でもここに立って安心しました・・・皆さんが僕の話を聞いてくれる為にわざわざ集まってくれるなんて、心の広い方ばかりで」

 

 貯めは重要、最初は謙虚に、そして自分達が会場に集まった目的がひいきの先生 目的であった事を忘れさせつつ、

 感謝の言葉で、相手の目線と視線と注目を集めます。


「僕には・・他の先生方の様な強い人脈も、経験もありません。

ですが『皆さんの力』になりたいと言うのは本当です。


『皆さんの力』にならせて下さい、若さだけはあります。

足と体力は十分ありますので後は『皆さんの声』を聞かせて下さい。

困った事・不満な事、一つ一つ解決しましょう。僕が立候補した理由は

『明るい町・楽しい町・活気ある町』にしたいからです」


 弱者の視点から手を上げたふうに見せ、『皆さんの力』を借りるふうに

同情票を集める。なおかつ・スローガンは解り安く

[単純]で[曖昧]である事が望ましい。

そして


「このたび前町長が倒れ・・いや外の戦士に倒され・・その場に私はいました。

・・・・・・

 私は男をぶっ殺し・・・仇を討つ事事しか出来ませんでした。


 前町長は、代表の居ない状態の町を・・・今のこの状態を不安に思っていると

思います。

・・・・

・・後を托された私が、・・私が!その重い任を背負えるかどうかは・・今は、解りませんが、どうか・・どうか力と、お知識をお貸ください!」


 そして前任者の後継者である事もアピールする、

 そう、強い姿と、熱い心も見せて置く事も忘れない。


 机に頭をぶつけるギリギリの礼と共に、仕込んだサクラが拍手を始めた。


[労働者の味方]と[宗教関係者]からも、ぼちぼちと拍手が起こり

(もちろん仕込み)会場が異常に盛り上がった。


(やっぱり楽しいなぁ選挙は、選挙さいこー)


 ゆっくりと顔を上げたロメ雄の目尻に浮いた涙は、

 会場の空気を最高潮にまで引っ張り上げた。


この物語における登場人物・設定・団体はすべて架空のものです。

一切現実における集団とは異なりますので、間違いのないよう

お願いします。・・・ギャグですので。

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