ゾンビ、いざ!カッパの里へ。
寝ぼけたひよこちゃんの突っ込みは呑気だね、[ゾンビVS宇宙人]中々そそるZ級映画に予算も少ない。
彼女?が寝ている間に話をしよう。
「YOU Speak、Japanese?」
私は先ずは会話を心見た、そう言葉じゃ無い!心だ!
「NoーNoーNoー」シューッ!東の島国の言葉は通じない様だ!
後はGestureしか無い。
ならばボディーランゲージだ、ゾンビ魂!私のダンスを見ても、まだその余裕を保てるか?!ビシッ!
色々有って、取りあえずは落ち着いた双方は、夜空が朝日に飲まれるまでには打ち解け合い、珈琲をごちそうしてもらっていた。むろん薄めのアメリカンだった。
「ハハッ、フライングヒューマン!ΟーGood!ハン?スレンダーマン?AーH
(・_・?)」
シュー!シューッーー(*^○^*)
言葉は通じなくても何とかなるもんだ。今度は酒でも一緒に飲もうか。
ビーフジャーキーじゃないけれど、ゾンビの乾燥肉は美味いのか?
名残は惜しいが、別れを惜しんでは先に進めないのが人生。
夜明けと共に宇宙船を後にしたロメ雄達は
「キュウリの代わりにフランクフルトをもらったけど・・・・コレで釣れるかな?」
もう一つは丸いアルミの皿である、使い捨てなのか薄くペラい。
ひよこちゃんがアルミ皿を紐で吊した物を咥え、ロメ雄の目の前できらめかせる。
遠目に見ても異様だろうが、近くで見ても変態である。
シュールだろ、だがソレが良かったのか?沼を一周するまでに、ロメ雄を囲む緑の一団が沼から上がって来た。
インスマス顔では無い水生人、多分河童だろう?オレ達は君達を待っていたんだ。
「見事に囲まれたね!如何すんの?残念王子?」
キモい王子か残念王子かどちらかにして欲しい、その内そろばん王子とか書道3級王子とか微妙な物も付け足される、ようなそんな気がしてならないよ。
カパッ?「失礼ですが?あなた様は何所かの国の王子さまでいらっしゃる?」
ザワザワと色めき立つ河童達の中から一体、いや一人の河童が前に進み出た。
「そうぅ、このゾンビ、名前は平 ロメ雄、残念の国の王子。略して残念王子様。
今はお忍びで諸国を漫遊し見識を広める為、精肉問屋の跡取りを名乗っておられる。」
ぽっぽちゃんは勢いにまかせ、懐かしいフレーズをリスペクトした。
旗本の三男坊で居候・北町の昼行灯・銭投げ・ゴールデン奉行・それぞれが素晴らしい叙事詩である。
おおっっぉぉーーー 河童達の目が見る間に輝き、お互いの手を取り合って喜んでいる、何故だ?
本来土着民族は他国の貴人が来ると、警戒・恐れ・観察をへて、ようやく利用出来る相手と確認出来て迎える物だ。
(少なくとも他国の偉いさんとか、厄介事以外の何者でも無いと思うのだけど)
「王子・・・残念王子様。あなたの力を貸していただけないでしょうか、お願い致したい事が有るのです」どうか!どうか!
河童達は口々に詰め寄り、ロメ雄の手を握り頭を下げた。
ぬるりと手の平がぬめり、河童の皿が傾く度にロメ雄の神経が削られる。
かっぱって、頭の皿が乾いたら命に関わるんじゃなかったの?
なんで無意味にロシアンルーレット気分で頭の皿を傾けるんだ?
ちょ・・・「落ち着け!頭の皿を・水をこぼすな!『腹水盆に返らず』と言うだろう?無意味に盆を傾けるんじゃない!」
どうやら頭の皿をかたむけ、水をこぼすギリギリまで見せる事で相手に敬意を表す最大限の礼儀らしい。
要は頭を深く下げる礼、感謝・喜びを深く示す挨拶だった。
河童達の話しを聞くと、彼らの住む沼に最近怪しいヤツが住み着き困ってると、
ソイツのせいで昼間は甲羅干しも出来ず、夜は相撲も出来無い。
沼の生態系も狂い、村の人間も近寄らなくなって一族皆引っ越すか戦うかと思案していたという。
「おれらに囲まれても、微動だにしない胆力と、考えを読ませ無いその顔。よっぽどの国の王子だと確信しました!どうか!どうかおれらの頼みを聞いてください!」
熱く説得する代表河童は、ロメ雄を沼に引き摺り込み、沼の底に有る[河童の横町]に釣連れて潜った。
止めて!溺死体になってしまう!




