第1期 エピローグ 21/6/1
20210601 加筆修正
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イヤハヤ、まいっちゃったな~。
薄々バレてるとは思っていたけれどさ~、村中で隠蔽してくれてるとは思ってなかったよ。
ほんとうちの村は、良い人ばかりで助かったな~。
「それでさっきの話の続きなんだけれど、我々だけで直ぐに地球を逃げ出して新天地を探すって訳じゃないんだろ? 昴くんの最近の行動を見ていると、技術の平和的な拡散を目指しているように見て取れるんだ」
「はい、逃げ出す算段はすでに目処が立っています。新天地を見つけるまで、どれくらいの時が掛かるかは分かりませんが、出来るだけストレスの無い船内環境を作り上げたいと思っています。其処にこれからの研究とモニタリングが役立ってくれると良いんですけどね。地球を脱出する為の移民船の中を俺なりに考えていた時に、先祖の話を聞いて納得がいったんですよ。旧約聖書にあるノアの方舟って、事実だったんだな~ってね。その時のご先祖は、ほんとに切羽詰まってたんでしょうね。当時のマルドゥーク勢力を殲滅するために、そこに生存するすべての生物を抹殺しようとした訳ですから……。そして生存を許された生き物を乗せたノアの方舟。どうも当時はまだ技術の一部が残ってたみたいですね、聖書に残されている大きさの船では、とてもじゃないですが記録されてる生き物全部は生き残れなかったと思います。方舟の船内は、この船みたいに空間が拡張されていたんじゃないでしょうか? あくまでも俺の想像ですけどね。約束された洪水は本当に起こったようですが、流石に地球全体では無くヨーロッパから中東にかけての人類生存圏での出来事のようですね。すでにその当時そこを離れ、極東に移り住んだ一族の末裔が俺たちって事ですよ、逃げ出したって言ったほうが良いのかな。ご先祖の一族の中でも特に争いを避けて、新天地を東に求め生き残った黒髪黒目の一族、それが今の日本人のルーツみたいですね。それにしても、マルドゥークの支配による傷跡は、未だに人類に大きな枷をハメてるんですよね。先祖のしでかした事とは言え、見過ごせないところが多すぎて混乱するばかりですよ……」
「昴くんの言いたい事も分かるが、そこに君が責任を感じるのはお門違いだと思うんだ。ここまで文明が発達して、未だに無くならない戦争や格差社会の弊害は、裏を返せば人類が発展してきた原動力とも言える物だよ。嫉妬や支配欲は誰にでもあるものさ、人は他者と比べて自分の立ち位置を確認して、安心感を得ているんだ。俺はあいつより金持ちだ、地位が高い、いい暮らしをしてるってね。そしてさらなる上を目指すのさ、競争相手を蹴落として。この欲求に基づいた向上心が人間の原動力になっているのは疑うことの出来ない事実なのさ、悲しいことだけどね」
「長谷川さんのおっしゃる事は分かっているつもりです。あくまでも俺の自己満足、偽善だってことも……、でも行動しない善意より行動する偽善って言うじゃないですか。ただし、世の慈善団体みたいにはなりたくないですね、あえて何処が悪いとは突っ込みませんけどね。さて、難しい話はこの辺で止しましょうか、この船の中を見て回りたくて、皆さんウズウズしているようですしね。ま~そういう訳で、皆さんには今後も協力をお願いいたします。十分なリターンはお約束します、今回のリゾート計画を十分に楽しんでリフレッシュしていってください」
オー、ワイ、ワイ、ワイ
ヤッフ~~~~!
遊ぶぞ~! まずは探検だ~~~~!
◆
昴たちが夏休みを楽しんでいる頃の天の川銀河辺境、太陽系の有るオリオン腕のお隣ペルセウス腕では……。
[マスター、せめてなんか仕事してくださいよ、ゴロゴロゴロゴロして。一応、辺境のパトロールしてる事になってるんですから、ポーズだけでも取っていただかないと、毎回私が捏造した映像日報を記録して送るだけになっちゃいますよ。それだってもう、元になるデータ使いまわして素材が無くなってきてるんですからね……]
「君はそう言うけどさ~、仕事って云ったって何するんだい? 見つけた星間文明、怪しいからって片っ端から潰して回るのかい? ま~出来ない事もないけど無駄にダルイじゃないか~。どうせ中央に戻る気ないし~、適当に通信データだけ送っとけば、連合は安心できるんだから良いんだよ~。大体さ~連合成立時と違って、今は君臨すれど統治せずでさ~辺境になんか興味持ってる種族も居ないしさ~」
[確かに今の処、脅威となる外敵が居る訳でもないですから、古い星に憑いてるアウターゴッドや厄介な精神生命体にでも手を出さなければ、至って平和ですけれどね~……]
「そそっ、たまに勘違いして~自分たちの文明を生贄に~変なの呼び出しちゃう種族がいないかだけチェックしてれば、無問題さ~。大っきな精神波動だけスキャンしててね、後で見に行くからさ~」
[ハ~、相変わらずですねマスターは。そう言えば少し前に地球方面で瞬間的なサイコバーストを観測しましたけど、あれは見に行かなくて良いんですか?]
「アッ、アァ~~、あれはスバルくんだよ~。会った時の精神波長がピッタリ一致してるから~、多分覚醒したんじゃな~い?」
[なんで疑問形なんですか~まったく、切っ掛け作ったのマスターなんですからフォローしなくても良いんですか?]
「それこそ~記録に残りそうな事は控えめにしとかないと~、誰に目を付けられるか分かんないからね~。しばらくは放置でいいじゃないか~」
[ほんとに良いんですか?何か嫌な予感がするんですけども……]
「ダイジョブ、ダイジョブ、君は、チョッと心配しすぎさ~」
[イヤイヤ、あなたはもう少し事の重大さを考えてください。あとで後悔しても知りませんよ、まったく~]




