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4-2-16 彼奴はヤッパリ疫病神だった!

1720文字 少ないです

加筆予定。


→ 2485文字 加筆しました 20211104





『ちょっと~、ちゃんと聞いてくれてるかい? スバルく~ん』


「ああ、ハイハイ! 聞いてますよ……続きをどうぞ~」


『それでね~、そいつが言うにわさ~……「この世はどうせ泡沫(うたかた)の夢のような物なんだから、俺達の好きなように振る舞えば良いのさ…」なんて言うんだよね~。確かに僕ら程度の存在が多少勝手に振る舞ったところで、然程大きな影響が出るわけでは無いんだけどね~、それを恩寵と受け取るか災害と感じるかは立場や環境で変わってくるだろう?』


 何で俺はこんなところで、こいつの愚痴を延々と聞かされているんだろう?

 自業自得とは言え、事の発端は単純な疑問からだったんだ……。


 皆さんは、まだご記憶だろうか?

 緑色のクリーチャー、あの太陽系への宇宙ナメクジの大襲来。

 あの大群は、VRゲーム・地球防衛軍の特別イベントの名のもとに防がれた事を……。

 しかし、小規模ながら奴らの襲撃はいまだに続いているのだ。

 この広大な宇宙に広がった奴らを全て見つけ出して殲滅するのは、事実上不可能である。

 奴ら、別の銀河にまでその繁殖域を広げ、その果てに一つの銀河を食いつぶしたほどなのだから。

 そして、僅かに生き残ったが最後、何時の間にか増殖してまた侵入してくる、まるでGの様な奴ら……いったい奴らはどこでいつ頃発生したのだろう?


 分からなければ知っていそうな存在に尋ねてみればいいだろうと、この時安易に考えて行動に移してしまった事が悔やまれる。

 俺は出来ることなら、その時まで時間を戻したいと思うのだった。


『それで君は、僕にいったい何が聞きたいんだい? ただし、教える代償に僕の相手もしてもらうけど良いよね? ここ最近(数億年)まともに相手してくれる奴がいなくて困ってたんだよね~実は♪』


「まあ、良いんですけど……」


 俺はこの時までこいつの相手をするって事が如何に難解で、この後に面倒事を団体で連れてくるのか知らなかったんだ。




 ◆




『フムッ、……アレか~。君たちも随分と手こずってるみたいだよね~』


「せめて発生場所と時期が分かれば、どのぐらいの宙域に広がっているかの予想ぐらいは建てられるんですけど、闇雲に探すにはこの宇宙は広すぎますよ」


『だろうね~、分かる分かる……それで、僕なら心当たりが有るんじゃないかっていうんだね? 君は……』


「いえいえ、知らなくても不思議じゃないんですよ。でも知ってたら凄いな~と思いましてね」


『ふ~ん、凄いんだ~♪』


「ええ、純粋に凄いと思いますよ」


『それじゃ教えちゃおうかな~、……君も薄々予想はしてると思うんだけれど、あれはね人為的に改造されちゃった落ち目の邪神の成れの果てさ~。流石に落ち目とは言え邪神の端くれ、手を出した文明は食いつぶされて滅亡しちゃったよ。それでねそこを苗床にして無尽蔵に増殖したって訳……困ってるんだよね~後始末にサ~……』


 まさか、これってやぶ蛇だったの…か……。


『いや~♪ 処分を請け負ってくれる所が見つかって僕はうれし~な~、今更嫌だなんて言わないよね~?』


「うあっ……出来れば他をあたって頂きたいんですけど…・・駄目ですよね~?」


『ウ~ン、他に頼んだ結果が現状だって言ったら君はどうするのかな~。正直な話、餌やってるに等しいんだよね~実は……』


「そこまでヤバいんですか? あれ(・・)って」


『うん、君たちが対処してるのは飽くまでも末端の斥候だと思っていいよ。大本の核に成ってる邪神はね~君たちの認識でいう「おおいぬ座矮小銀河」だよ』


「割と近いんですね……チョットマッテクダサイ……いま「おおいぬ座矮小銀河」だよって言いましたよね?」


『うん、言ったよ……どっか変だった?』


「イヤイヤイヤ、それって核に成ってる邪神が少銀河其の物だって言ってるんですか?」


『オオ~、理解が早くて助かるよ。そう、今まさに天の川銀河に吸収されようとしている「おおいぬ座矮小銀河」其の物が邪神本体なんだよね~。銀河系の200分の1くらいで小さいんだけどさ、あれが混ざってくると何かと面倒なんだよ~。事実、近場にあった「いて座矮小楕円銀河」の方はほとんど生物が住めなくなってるしね~……どうかな? 引き受けてくれるよね~♪ 昴くん』


「・・・」


 この時、ドラゴンなんて可愛いもんだって思った俺は悪くないと思う。







[マスター、ご依頼の調査結果が出そろいました。結果からお伝えすると、非常に厄介ですね]


「そんなに厳しい状況なの?」


[状況としてはまだ数億年の時間的猶予があります。しかし、今手を打たなければやがて天の川銀河もいて座矮小楕円銀河の二の舞となるでしょう。既に各地で斥候が活動して居ることはお分かりの通り、橋頭堡とも言える宙域を広げようとしています。外周部からジワジワとですが……、現在の被害は「おおいぬ座矮小銀河」に隣接する銀河外縁部に留まっていますが天の川銀河に完全に吸収された段階で内から食いつぶされる事が予想されます。今は天の川銀河と比べて200分の1と小さいと言ってもその質量は膨大ですし、やがてはガン細胞のように増え続け天の川銀河は終わるでしょう]


「それで銀河腕の端にある太陽系にも斥候が入り込んでいたということだね。幸いなことに周辺宙域からシリウス方面にかけての間引きは済んだけど、これから休むことなく侵略が続くってことだよね。問題だよね~」


[肯定。大問題です! 如何に我らの寿命が長いとは言っても億年単位で絶えず責められては疲弊してしまいます。猶予の有る今のうちに敵の中枢核を叩き潰す事を進言いたします]


「参ったな~、これ俺がやる仕事じゃないよね。天の川銀河に飛び火してきたガン細胞を排除するってことは、管理者である「ソト」の仕事だよね」


[肯定。だからこそ面倒になる前にマスターに接触してきたと思われます。かの存在の言動からマスターの前にも対処にあたった者達が存在すると考えられますが、全て餌になったとの発言が確認されています]


「という事は、俺達には敵に対処できるだろう強みが有るって捉えて良いのかな? 餌に成って来いとは言ってなかったし……まだ情報が足りないな~」


[肯定。更なる情報収集につとめてまいります]


「よろしくね」






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― 新着の感想 ―
[一言] 神様のゆーことは桁が違うね。
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