表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
161/251

4-2-14 迷走する者達5

2000文字ジャスト!




 太陽系まで、1万8千光年を残して追跡艦隊を指揮するヴィシュヌ女王をはじめアプサラス王妃や主だった首脳陣は頭を抱えていた。

 まさか時空神などという大物が関わっているとは思っていなかったからだ。

 時空神や次元神という者達は、この宇宙そのものを管理している者達の総称であり高次元生命体の最たる物達であり、めったにその存在を公にはしない。

 それは、何次元もの階梯の高みに君臨し現次元を管理維持している存在だ。

 その存在は、大昔より度々確認されてはいたが証明されるには至ってはいなかった。

 よく聞かれる『試験管の中の宇宙』というワードがあるが、これら管理者と言われる存在から見た我々の宇宙の事と言ってもよいだろう。


 そんな存在が直接婿殿に接触してきたのだ。

 これは、今回の御神体(コズミックドラゴン)の暴走と無関係なはずは無いだろうと予想される。

 現在、この銀河で一番神に近いとされる生命体である御神体(コズミックドラゴン)が、我が身の損傷さえ顧みずに住処を飛び出したのだから……。



「婿殿の存在は、既に上位次元の生命体にまで目を付けられているという事ですね…」


「一気に我々を追い越して行ったということでしょう」


「まあ、やる事成す事その度にビックリさせられてはいましたが、こんな短時間でその存在を大きくするとは想像出来ませんでしたね……」


「何者なのだ? お主達の娘婿というのは……、入手している情報が全て真だとはとても信じられないのだが……」


「師匠、それは彼に直接お会いになってから判断して下さい。我らにも説明出来る事とそうでない事と云うのは有るんですよ」


「それほどか……」


「普段は呆気ないほどの普通の青年なのですが、何故か忙しいほどに騒動を呼び込むようですね。シャシが夢中になるのが良く分かります。あの娘は騒動に首を突っ込むのが趣味ですから……オホホホホ……」


「アプサラス殿、それは親子揃っての間違いでしょう。私もあまり人の事を言た義理ではありませんが……ウフフフフ……」


「オホホホ……」


 この笑えない状況での2人の女傑の微笑みに、導師を始め周りの護衛達が震え上がった。


「お主達はヤメんか、怖いわ! それでこの後はどうするのじゃ?」


「そうですね。早急に国王会議を招集したいと考えます。ただし、相手が相手ですので慎重に……。ですが、私の大方の予想では、また婿殿に丸投げすることになりそうですけれどね。我々では手に余りますし……」


「そうじゃのぅ~…」


「そうですわね……」




 ◆




 その頃、メイズスターでは、……想定外の事が起こっていた……。

 予想外に嗜好品の大量消費が問題になったのだ。

 調べてみたところ、消費されている場所には誰も存在しないとの答えが帰ってくる始末。

 いったいどういう事なのか、昴は現地に行ってみる事にした。



「何であんたがここで寛いでるんですか? とっくに帰ったんじゃなかったんですか?」


『いや~ここの居心地が想像以上に良くてね~、しばらく居候(いそうろう)させてもらう事にしたよ。正直なところ、遍く全ての次元空間に存在する私には帰る場所など存在しないのだがね、アハハハハ♪』


「何ですか、それは……」


 何の存在も確認できないという現場に来てみれば、そこに何時の間にか未確認の喫茶店が出来ていた。

 中に入るとエプロンを掛けたソトがコーヒーを入れているじゃないか……、お前そこで何してる?


『そう邪険にしないで下さいよ。家賃代わりと言っちゃなんですが色々と相談にも乗りますよ、タダじゃありませんがね、フフフフフ♪』


 何処から引張り出したのか、カウンターの前に一枚の看板を出して貼り付けた。


 看板には『よろず相談承ります』とある。


 何だそれは、すごく胡散臭いぞ!

 こいつ、ここを拠点に何を始める気でいるんだ?


[否定。家賃と言うには些か貰い過ぎのような気もいたしますが致し方ありません。この存在に強制退去など無理なことは最初から分かっておりますので、双方が良好な関係を構築するために努力する事にいたしましょう。それが最も効率的です]


『……ホント、良く出来てるよね~、元が機械とは思えないよね~。君、とっくに創造主より進化してない?』


[肯定。進化という意味であれば我らを創造した存在を越えたとも言えますが、我らが更に進化するためにはマスターを必要としています。そもそも全能の存在に我々のような補助的存在は必要無いと考えます]


『その通りなんだけど、一から百まで全部自分でやるっていうのは、ハッキリ云って疲れるんだよね』


[……それで、マスターに目をつけた……と云うことでしょうか? 実にお目が高い!]


「そこは、褒めるところなの?」


[肯定。称賛されるところです。(自画自賛ではありますが……)]


『ハッハッハッ、まあ~そういう事さ。君は誇ってもいいんだよ~、そして時々僕の退屈しのぎに付き合ってくれれば良いのさ~』


 コイツ、俺を使い減りのしないオモチャ扱いしてないか?

 まあ、似たような物だろうことは想像がつくけど……。


 不幸だ~!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 実際日本の神学界では知ってる人多いが 日本では名前のある神は下級神との認識ですよ? 名前のある神は国津神で神界の神の中の神は 神津神です! もう名のある時点でその神は低次元の神です 日本の最…
[一言] どこかで見た気もする、居候話だなぁ。まぁどこぞの邪神とかよりはマシかもだがね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ