ティータイムで悲劇
篠町エリオのウワサ
幼女目当てで子供向け番組を見てるらしい。
土曜日の夜。
あたしはやることもなくのんびりしていた。
「明日はバイトもないから暇だなぁ」
突然、スマホから着信音が。
「むぅー、誰?」
『リルカちゃん』
「あれ?麗花ちゃん!」
桜ノ宮女子高校の祐天寺麗花ちゃんだ!
「やほやほ!どうしたの?」
『よかったら、明日、うちに来てくださらない?』
「もちろん!喜んで!」
あたしは楽しみでならない。だって、お嬢様の豪邸に行くので、甘いスイーツが食べられそうだ。
そして、次の日。
あたしはネコミミパーカーから着替え、自転車で麗花ちゃんの豪邸に向かう。
しばらく進んで、巨大な建物が見えてきた。
「ついに来たよ!麗花ちゃんの豪邸!」
あたしは自転車から降り、豪邸に全速前進!
「やほやほ!」
「来てくださいましたのね!リルカちゃん!」
麗花ちゃんがお出迎えをしてくれた。
ふわふわしたゴスロリのスカートに白と黒の縞ニーソ、そして黒いぐるぐる巻きのツインテールのお嬢様だ。
「リルカちゃん、お昼になさいませんか?」
「はーい!喜んで!」
あたしたちは大きな食堂に向かう。
そこにはなんとも豪華な料理が並べられている。
「うわー!すっごー!!」
「おーっほっほっほ!わたくしの使用人はこれくらい作れて当然ですわ!」
麗花ちゃんが高笑いする。そんな笑い方するとは意外だ。
そんなこともありつつ、豪華な料理を食べ始める。
「淑女たるもの、お作法を守ることは当然のこと…先ずは外側のナイフとフォークに手を伸ばし…」
「はむはむはむはむ!!」
麗花ちゃんがお作法について語る中、あたしは一心不乱に料理を食べまくる。
「まあっ!お作法がなってませんわ!」
麗花ちゃんにお作法を指摘されるが、それでもかまわず一心不乱に食べまくる。
「スイーツはいかがですか?」
メイドさんがスイーツを運んできた。
「おおっ!すごい豪勢だね!」
いろんなスイーツがあたしたちの前に置かれる。
「さっそく食べちゃお!」
あたしはスイーツを頬張る。
「はむっ…美味〜♡」
ほっぺたが桜色になり、うっとりする。
「…………!!」
スイーツ頬張り中に麗花ちゃんの様子がおかしくなる。
「あれ?どしたの?麗花ちゃん」
突然、麗花ちゃんはテーブルをがしっ!と掴んだ。そして…
「ま・ず・い・ですわー!!!」
ガシャン!!パリーン!!
「うわぁ!!」
麗花ちゃんがテーブルをひっくり返した。
テーブルは倒れ、スイーツは無惨なことになり、お皿とワイングラスは(あたしが手に持っているワイングラスを除いて)全部割れてしまった…
「ああー!!あたしのスイーツがぁー!!」
「不味すぎますわ!!」
麗花ちゃんがマジギレしている。なに?このスイーツの何か気に入らなかったの?
「どなたですの!?お塩を混入したお方は!!」
ここのメイドさんの中にダメイドさんがいたのかな?
「申し訳ありません!お嬢様!」
「このスイーツ不味すぎますわ!!」
というか麗花ちゃん、怒るとテーブルひっくり返すんだ…ちゃぶ台返しならぬ、テーブル返しだね。
「ふえぇー!あたしのスイーツ…」
あたしは唯一生き残ったぶどうジュース入りのワイングラスを手に、割れた皿に散乱したスイーツを見て泣くしかなかった。
「ハッ!申し訳ありませんわ!リルカちゃん!」
「ふえぇぇ…」
あたしはスイーツをあんまり食べられず、麗花ちゃんの豪邸から出ることにした。
「ふえぇー!」
「今のは…リルカ?」
「泣いてるけど、何かあったのかな?」
すれ違う雪乃と琴子をガン無視して、泣きながら走る。
その後…
「さあリルカちゃん、食べてくださいまし♡」
「はぅー♡スイーツはやっぱりレイナちゃんのに限るよ〜♡」
お淑やかなお嬢様レイナちゃんに慰めてもらいながら、スイーツを堪能することは言うまでもなかった。
To be continued...
おまけ
麗花「見てくださいまし、この服」
リルカ「そんなにかわいくないね、あたしのほうが超絶かわいいよ」
麗花「ふ・ざ・け・ん・な・ですわー!!!」
ガシャン!パリーン!(テーブル返し)




